世界と作品

最近寒くて寒くてたまりませんね。冬はやっぱり苦手です。
それでも最近晴れている日に(特に朝ごろ)風景がきらきら見える
のが楽しくて、ちょっとだけ冬の良さも分かってきた気がします。

過去のブログでも何度も何度も「本を読みましょう」というような
話題ばかり降ってきたのですが、今回もやっぱりそんな感じの
お話。

少なくとも竹村にとって小学生や中学生のころに読んだ本は、
それ以降に読んだ本とは少し違います。
境目はおそらく高校一年生くらい。
それ以前のころには本はなんというかひとつひとつの小さな「世界」
でした。もちろんそれは本だけに限ったことではなくて漫画やゲーム
の主人公だってそうだったのですが、とにかく無条件に無防備に感情移入
しすぎていました。長い時間かけて読んでいたお話が終わってしまった
時には、なんだか仲の良い友達と二度と会えなくなってしまったような
さみしさがありました。

ところが、高校生になったころから本がひとつの「作品」として
見えてくるようになりました。理由はおそらくいくつかあるのですが、
おそらく最も大きいのは「作者」の影が見えるようになってきたこと
です。「こういう人がこういう工夫をして書いているんだろうな」と
いうことがふとした瞬間にみえてしまうようになると、その度に
現実に引き戻されるようで、以前のように盲目的にその世界に没頭している
ことができなくなりました。

そのおかげで今度は「言葉遊びを楽しむ」「表現を楽しむ」「発想を楽しむ」
といった新しい読み方がわかって来て、ずいぶん読書の幅が広がったり、
また読む本の趣味もかわったり、良いこともたくさんありました。

それでも時々物語にどっぷり夢中になってほかの事を忘れきって
しまうかんじが懐かしくなることもあります。

ある時期のある瞬間にしか体験できないことはいっぱいありますが、
多分読書にも年齢ごとにそんな瞬間があります。
せっかくだから、生徒の皆さんにも経験してみてほしいです