これヤバイ

「これおいしくない?(発音語尾上げ)」
よく飲食店などで聞かれますよね。
よくよく考えると不思議ですよね。

「おいしくない」=not taste good
「語尾上げ」≒相手に同意をもとめるとき

そうするとどうやっても、おいしくないということの同意を求めているような・・・。
「これおいしくない?」はどうやって日本語を勉強している外国人に説明すればいいのですか?!
わかる人教えてください。

と、ふと思い出したのが、映画「バブルへGO!」のワンシーン。
現代(2006年)から1980年代にタイムスリップした広末涼子が演じる大学生が、
80年代のカフェでティラミス(流行りましたね。。。異様に。)を食べて、
「これやっばい!」
と感嘆の声を上げるのですが、
1980年代を生きる阿部ヒロシ(が演じる人物)は、
「どうした!?! 痛んでるか?」
とあわてるわけです。

そうですよね。 「ヤバイ」をgood、very goodの意味で使うようになったのって、
ここ5年くらいですよねえ。すっかり定着している感がありますが。

で、なにかっていうと、
野村的には(誰々的という言い方もここ10年くらいでしょうか・・・15年くらい?)
このシーンを書いた脚本の方に脱帽です。「やられた!」と思いました。
よく思いつきますよね、あんなシーン。
80年代からのちょっとした変化を表すための絶妙なワンシーン。
「ヤバイ」以上の例って思い浮かびません。こういうシーンが思い浮かぶのって
いろんな視点で物事を切り取る訓練の賜物なんでしょうね。

なにかを表現するときに、直接的に物事を伝えるのではなく、
周辺の時事ネタや比喩をうまく使えるようになりたいものです。
考えてみると、言葉の意味を伝えるときに、
絶妙な例文をいかに多く、すばやく提示できるかというのは教師力のバロメーターですね。
野村が「あー、ちょっといい例文がおもいつかないんだけどー」といったら
「講師怠慢!失格!」としかってください。