ウイルス考

こんにちは。竹村です。結構日ごろから体調の管理には
気を使っているほうだと思っていたのに、またしても風邪を
ひいてしまいました。ブログを見る限り前回本格的に
風邪をひいたのは去年の六月なので、だいたい一年ぶり。
まあ普通といえば普通なのか。しかし風邪をひかないのが
強みだと思っていたので少しがっかりです。

ところで、せっかく風邪をひいたので、というのもおかしな話ですが
今日はちょっとウイルスの話をしてみようと思います。
風邪は細菌やウイルスによってひきおこされると
言われています。しかし、よくひとまとまりにされてしまうこの
二つ、実はずいぶん違います。

ひとことで言えば細菌は「生きもの」。対してウイルスは
「生きものなのか微妙」といった存在なのです。
大きさも10倍くらい違います(細菌の方が大きい)。

魂の存在など哲学的、宗教的な問題を無視して
機能の面から定義すると、生物は一般的に次のような特徴から
定義されます。
1.何らかの膜で外界から分離されてい
  (て、その中の環境が一定に保たれてい)ること
2.自己複製を行って数を増やすこと
3.代謝を行うこと

場合によって、このほかにも「進化すること」
「外的刺激に対し自律的に反応すること」
といった条件が付け加えられたりします。
(この辺りは、恐らく一般的な知識しかない
竹村があまり勝手な解釈で語ろうとすると
ちょっと危険な分野なので、簡単な説明で
ご容赦ください。)

細菌は、小さいながらも上記三つの条件を満たす
ので「生きている」ということがいえます。
ところが、ウイルスは自力では自己複製ができず、かつ代謝
も行いません。
ではどうやって増えているのかというと、他の細胞
(人間などの動物の細胞のときもあれば、それこそ他の細菌の
ときもあります)にとり付いて、寄生先の細胞の機能と
エネルギーを利用して増えます。そして、そういったことができる
幸運な状況以外ではそこらへんの無機質な化学物質のように
「死んで」ただよっています。
そういう意味で、ウイルスは生き物なのかそうでないのか
かなり微妙なラインの上に立っています。
生物と非生物の境目を埋める存在、なんていわれることも
あります。

そんなわけでただ人間に迷惑をかけるばかりの厄介者かと
思いきや、いろいろな意味でなかなか面白い存在なのです。
いろいろな研究の対象になっていますし、
また研究の道具として使われたりもします。
ウイルスについて読みやすい新書などもいくつか
ありますので、興味のある方はぜひ読んでみることを
おすすめします。

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