2007年12月03日

休講クラスのお知らせ(12/3~12/9)

今週、12月3日~12月9日は休講クラスが多いのでご注意ください。

再度お知らせします。

下記の土日設置講座は、門前仲町、駒場ともに全クラスお休みです。

考える算数(低)
考える算数(1年 駒場)
考える算数(2年 駒場)
考える算数(中)
考える算数(高)
書く国語(中)
書く国語(高)
低学年作文講座 
ロジカルシンキング(低)
ロジカルシンキング(中)
ロジカルシンキング(高)
5年理科
5年社会
6年理科
6年社会
理社入門

これにともなって、
3日月曜駒場の ロジカルシンキング(中) 低学年作文教室
6日木曜門前仲町の ロジカルシンキング(中)

も休講となります。

お間違いのないよう御確認下さい。



2007年11月20日

【今週の1問】直感では解けそうにないのですが、解けます。そこから類推します。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

11月19日号の問題です。保護者の皆さんも是非。

(問題)
田中くんは、よしこちゃんに誕生日プレゼントを送ろうとおもいます。郵便局に行って送料をたずねましたが、40円切手と70円切手しかもっておらず、どのように組み合わせてもその送料をぴったりつくることはできませんでした。結局、10円余計に貼って送りました。送料は10円単位で140円以上だとすると、正しい送料はいくらでしたか。


(解答)
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(解説)
180円、190円、200円、210円という4連続で数を作ることが確認できると、それらに40円を足していくことで10円単位はすべてつくることができます。

小学生レベルでは、題意を読み取り、上限があることを類推できれば、数の組み合わせの試行錯誤で比較的容易に上限を発見できます。

(参考)
支払うことのできない上限の「170円」の発見方法は以下の通り。
大学入試における有名問題です。
10円単位なので、4円と7円の組み合わせでつくることが出来ない金額の上限を求める。
まずは、ともに1枚以上使うことを考える。

4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6はすべて4×7以下の数で、
これらの数を7で割った余りはすべて異なる。
なぜなら4×□と4×○を7で割った余りが等しければ、
両者の差4×(□-○)が7で割り切れることになるが、
□-○は7未満なので、4×(□-○)が7で割り切れることはないからである。

よって、 4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6を7で割った余りは
1、2、3、4、5、6のいずれかになる。

以上より、4×7より大きなどのような整数も
4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6
のいずれかに7を足せば表すことができる。
よって1枚以上使うとき、作ることのできない金額は4×7=28円となり、
答えは10倍して280円となる。

本問はどちらも使わない場合も含まれるが、これまでの話を延長して考えればよい。

4×□+7×○で表せない数(□、○は1以上の整数)についての議論を、
4×■+7×●で表せない数(■、●は0以上の整数)に延長するには、
■=□-1、●=○-1と考えればよい。

4×■+7×●= 4×(□-1)+7×(○-1)=4×□+7×○-11
下線部の上限は28であることを確認しているので、 4×□+7×○-11の上限は28-11=17となる。
よってともに0枚がありえる場合は支払うことのできない上限は170円。



2007年11月17日

来年度時間割 90%確定

来年度時間割について
公開準備ページ上のリンクより、
来年度時間割素案がご覧いただけます。

全くデザインされていない簡素なページですが、
ご参考としていただければと思います。

ここから、12月初旬の正式告知まで大きな変化はないと思われますが、
100%この時間割が保証されるものではないことを何卒ご理解ください。

あくまで正式告知は12月の初旬とさせていただきます。


深夜ですので通知メールは明日午前とさせていただきます。



2007年11月15日

「卒業生が語る我が母校」第2回雙葉学園:杉岡由梨さん

苅野です。インタビュー企画「卒業生が語る我が母校」第2回です。卒業生の皆さんに率直に語ってもらいます。

IMG_0200.JPG

杉岡由梨さん
(経歴)
雙葉中学・高校、東京大学経済学部卒。現在外資系金融機関のロンドン支店で法人営業を担当


LOJIM(以下L)よろしくお願いします。現在、外資系証券会社のロンドン支店に勤務されているとのことですが、どのようなお仕事をされているのですか。

杉岡さん:銀行などの金融機関を相手に国内外の金利に関する商品の取引をしています。

L:今日は、杉岡さんの母校である雙葉学園のことについてお伺いできればと思います。雙葉に入学されたのはいつですか。

杉岡さん:幼稚園からです。

L:知らなかった。お嬢様なんですね。

杉岡さん:一般的にはそういわれることが多いですが、そんなことないですよ。ご存知の通り(笑)。

L:でもやっぱり周りにはそういう同級生が多いのでは?

杉岡さん:そのような先入観をもたれてしまうことが多いのですが、本当にそんなことないですよ。現在も普通に働いている同級生がほとんどです。

L:雙葉学園のような有名校だと、実際を知らなくても周りは色々な評価を勝手にしてしまいますよね。一般によく言われている雙葉学園の評価の中で実際は違うなと思うことはありますか。

杉岡さん:お嬢様学校というのはやはり違う気がします。同級生を見回しても、特段お金持ちが多いということもありません。

L:評判通りだと思う点は?

杉岡さん:質素で堅実というのは本当だと思います。見かけも、金銭感覚も地味なほうだと思いますよ。女の子なので外見はもちろんですが、趣味などで中身を磨こうという意識も結構高いんです。

L:私の知っている限りですが、杉岡さんのおっしゃるように雙葉学園の卒業生は言われるほど線の細いお嬢様という感じではないですね。そういえば。

杉岡さん:女子だけなので自分たちで力仕事など全部やらないといけないので当然の意識として自立してくるんだと思います。

L:このインタビューは中学校からの入学を検討されている方が多くご覧になっているのですが、中学校入学組と小学校からあがって来た生徒はすぐに馴染むんですか。

杉岡さん:大人が心配しているようなことはありませんよ(笑)。1,2ヶ月ですぐに打ち解けます。

L:中学受験を経て入ってくる皆さんと学力の差とかがあったりはしないんですか。

杉岡さん:一緒に授業を受けるのに問題になるような差はないですよ。

L:そうなんですか。内部の生徒もかなり勉強しているんですね。

杉岡さん:私は四谷大塚に通っていました。勉強もそうですが、色々な習い事をしている友人が多かったですね。

L:雙葉独特の授業で、社会に出てから役に立ったなと思うものはありましたか。

杉岡さん:キリスト教(カトリック系)の授業や行事は役に立ったと思います。

L:具体的にどのような時に?

杉岡さん:現在ロンドンで働いているからかもしれませんが、ヨーロッパの人々と接するときに彼らの考え方の根底にある歴史などについての知識はとても貴重です。また、絵画をはじめとするヨーロッパの芸術に接するときにも同様ですね。

L:なるほど。私は男子校だったのでそのような情操教育を受けたことがないんですが、結構影響力があるものなんですね。

杉岡さん:そうですね。私は雙葉で学んだ価値観が今の自分を幸せにしていると思います。例えば、人と比べて自分を評価することをしない。ひとそれぞれの得意分野があって自分には自分だけの価値があるとおもうので、精神的に安定します。すごい人を素直にすごいと思えますから。

L:それはとてもすばらしい精神性ですね。他人と比べないと安心できない人は多いですからね。うらやましいです。卒業して、社会に出てみて感じる雙葉生の特徴ってありますか。

杉岡さん:良い意味で地味で伸び伸びしていると思います。悪い点は女子しかいない環境が幼稚園からだと10年以上も続いているので少し感覚がずれてしまう部分はありますね。

L:やはり生活指導などは独特で厳しいのですか。

杉岡さん:生活指導は厳しくないですが、年齢と学校にあった身だしなみを求められます。パーマは注意されましたが、細かいおしゃれはできました。

L:男の子と知り合ったり、遊んだりすることはないんですか。

杉岡さん:ありますよ。塾で知り合ったり、文化祭で知り合ったりというのは普通に。

L:安心しました。塾には通われていたんですね。学校の授業は受験向きではないのですか。

杉岡さん:私はフランス語選択だったのですが、語学は受験レベルに対応していました。数学は塾のほうがレベルが高かったと思います。社会や国語は塾も学校も同じようなレベルでしたが、塾が少し詳しかったと記憶してます。

L:学校内での勉強の競争はあるんですか。

杉岡さん:そんなにありません。勉強至上主義の雰囲気はありませんから。まあ、外見も勉強もスポーツもできると尊敬を集めますが、やはり競争意識は強くなくゆったりとしています。

L:卒業後もつながりは強いのですか。

杉岡さん:やはり昔からの自分を知っていてくれる人とはつながりが強くなりますよね。とても大切に感じています。他の学校ももちろんそうなんでしょうけど、社会にでて仕事で出会った方が雙葉の卒業生だったりするとそれだけで意気投合します。これは大学が一緒というきずなよりも格段に強いものだと思います。

L:雙葉はどのような子供に向いている学校だと思いますか。

杉岡さん:おとなしくても積極的でもだいたいどんな子供でも対応可能だとおもいますが、あまり騒がしい子供は敬遠されるので向かないのではないかなと思います。

L:自分の子供も雙葉に入れたいと思いますか。

杉岡さん:入れたいと思います。雙葉で学んだことで自分が幸せになっているという意識があるますから。

L:お忙しい中ありがとうございました。


次回は慶應中等部、湘南藤沢高校出身の川野辺裕道さんです。お楽しみに。



2007年11月12日

【今週の1問】(有名問題!)作業の過程にとらわれすぎず、結果の意味を考えましょう。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

11月12日号の問題です。まさに一度はやっておかないとという問題です。

(問題)
2つのコップに同じ量のミルクとコーヒーが入っています。大さじ4はい分のミルクをすくって、コーヒーの入っているコップに入れてよくかきまぜます。
つぎに、このコーヒーの入っていたコップから大さじ4はい分をすくって、ミルクの入っているコップに入れて、よくかきまぜます。
この作業の後、ミルクのコップの中のコーヒーの割合とコーヒーのコップの中のミルクの割合とでは、どちらが大きいでしょうか。

(解答)
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(解説)
作業を直感的にとらえると、コーヒーのコップの中のミルクの割合の方が大きく感じます。

コーヒーの中に入れたミルクは純度100%のもので、ミルクの中にかえってくる同じ量の液体はコーヒーとミルクが混ざったものだからです。

直感と実際の差は、計算によって確認することが出来ますが、本問のポイントは作業の流れをきちんとイメージすることです。混ぜ終わった液体をきちんとイメージできれば簡単な問題です。

細かい点としては、液体の混合の問題では、「混合液」のイメージを下の図1のように考える子供が多いのですが、図2のようにとらえると「割合」として扱いやすくなります。

2.gif



2007年11月11日

休講クラスのお知らせ(11/12~11/18)

来週、11月12日~11月18日は休講クラスが多いのでご注意ください。

再度お知らせします。

下記の土日設置講座は、門前仲町、駒場ともに全クラスお休みです。

考える算数(低)
考える算数(1年 駒場)
考える算数(2年 駒場)
考える算数(中)
考える算数(高)
書く国語(中)
書く国語(高)
低学年作文講座 
ロジカルシンキング(低)
ロジカルシンキング(中)
ロジカルシンキング(高)
5年理科
5年社会
6年理科
6年社会
理社入門

これにともなって、
12日月曜駒場の ロジカルシンキング(中) 低学年作文教室
15日木曜門前仲町の ロジカルシンキング(中)

も休講となります。

お間違いのないよう御確認下さい。

(5年生本科生は
18日日曜に丸一日つかって理社補習があります。)



2007年11月06日

2008年度時間割 (準備中)

2008年度(2008年2月~)の時間割は、

2007年12月上旬の告知を目処に現在設計しております。

今しばらくお待ちください。

また、
http://www.lojim.jp/curriculum08.html
にて、来年度時間割ページの準備ページを公開します。

現状見ていただいても、デザインも未完成ですし、カリキュラム特徴(①ロジカルシンキングを4教科に応用 ②添削スタイルの新宿題システム(new!))のお知らせしか掲載されておりませんが、順次時間割確定した学年に関してはこの準備ページにてお知らせいたします。

*12月初旬の正式お知らせまでは、一度この準備ページに掲載された時間割が変更されることもございます。あくまで「準備ページ」の公開ですので、その点ご了承の上御確認ください。



【今週の1問】数量変化に対して、正比例なのか反比例なのかをイメージします。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

11月5日号の問題です。

(問題)
電熱器を使って20℃の水300gを1分間加熱したら、23.2℃になりました。更に、20℃の水300gの中に、20℃の金属球1個を入れて1分間加熱したら、水と金属は23℃になりました。

(問)20℃の水300gの中に、同じ金属球を何個か入れて1分間加熱したら、22.4℃になりました。このとき、水の中に入れた金属球は何個ですか。

ただし、電熱器はいつも同じように発熱して、熱は水と金属球を熱することだけに使われるとします。  


(解答)
メールマガジンバックナンバーへ

(解説)

鉄球1個が水何gに相当するのかを考えるということも大事ですが、それ以上に

「数量変化に対して、正比例なのか反比例なのかをイメージする。」

これがこの問題の肝です。



普段から、公式暗記の算術処理ばかりしていてはこういった能力は身につきません。

「ってことは」を繰り返し、おきていることをイメージする力を身につけます。



この電熱器は1分間で、300gの水の温度を3.2℃上げます。ここで単純に

「じゃあ、水が倍の600gだったら、水は6.4℃あがるの?それとも半分の1.6℃?」と考えてみることで、頭の中に熱量に関するイメージが出来上がります。常識的に水が多ければ、上がる温度は小さいですよね。

この問題で、鉄球1個と水300g が 水281.25 g    (300:?=3.2:3) に相当する と計算してしまった生徒は、勉強の仕方を変えるべきです。そのまま勉強をつづけても絶対に成績は伸びません。




2007年11月04日

ロジカルシンキング第10回、第11回、第12回 の受付

ロジカルシンキング第10回 (11/19、11/22、11/24, 11/25)
ロジカルシンキング第11回 (12/10、12/13、12/15, 12/16)
ロジカルシンキング第12回 (12/17、12/20、12/22, 12/23)
の受付を開始しました。
申込ページ

受講ご検討下さい。

講座内容(第10回)

■「つまり何を言っている」 ~文章、表、グラフから分かること~

グラフに限らず、図表・文章から作者の伝えたいことを抽出する訓練をします。そもそもなぜ、その文章・図・グラフが表現方法として選ばれたのかを考え、情報の構造化によりメインメッセージをあぶりだします。国語でいう「要約」の土台となる考え方を、広く応用できるかたちで紹介します。

(第11回、第12回は2学期のまとめとなる演習回)



2007年10月30日

「卒業生が語る我が母校」第1回開成学園:堤天心さん

苅野です。予告はしたもののスタートが非常に遅れてしまいましたが、インタビュー企画「卒業生が語る我が母校」第1回です。卒業生の皆さんに率直に語ってもらいます。

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堤天心さん
(経歴)
開成中学・高校、東京大学工学部卒。情報サービス会社の営業、経営企画を経て、現在は大手通信会社の新規事業の担当部長。


LOJIM(以下L):よろしくお願いします。堤さんの現在のお仕事の内容について教えてください。

堤さん:通信会社の新規事業として、「テレビとネットがつながって動画が見れたら」を考えてカタチにする仕事です。テレビ向けIP動画配信新サービスの企画・立上げて未曾有の大成功させろというミッションです。

L:今日は堤さんの母校である開成学園のことについてお話を伺いたいと思います。開成にはいつ入学されたのですか。

堤さん:中学校からです。

L:やはり中学入試のための勉強はかなりされたのですか?

堤さん:現在のように親主導で中学受験が過熱していたような時代でもないので、好きにやっていたという記憶しかないですよ。塾には行っていましたが、特に厳しく管理されていたこともないので、勉強したな、がんばったなという感じはあまりないです。

L:それは良くできるお子さんだったんですね。世の中のお母さん方がうらやましがりますね。

堤さん:いや、当時はやりたい奴がやるというだけだったんではないですか。私の地元がそうだったのかもしれませんが。

L:確かに、最近は半ば義務のように中学入試がありますからね。当時の方が趣味の世界に近かった。

堤さん:そうですね。

L:開成の同級生を見渡しても、いわゆるガリ勉みたいな感じはないんですか。

堤さん:勉強だけみたいな生徒は少ないんですよ。勉強も運動もみたいな優等生タイプが多い。

L:イメージと違いますね。そんな中で尊敬を集める生徒はどんな生徒なんですか。

堤さん:どこかしか足りない点があるとゆるやかに指摘し合う雰囲気があるため、尊敬を集めにくい雰囲気があるかな。運動も出来て・アタマも良くて・女の子からもモテモテで・リーダーシップもあって・夢もある奴が尊敬を集めますが、そんな奴はそうそういません。

L:それぞれの家庭、塾、学校で「すごい」と言われてきた子供たちだけが集められるとやはり大変な部分がありますか。

堤さん:勉強は基本的にみんなできますからね。勉強だけしかないとアイデンティティーを保つのも大変なんですよ。特に、特定の分野に対する興味とかがなく、単純に競争が好きみたいな感じだと。

L:逆立ちしても勝てないような同級生が沢山いるということですか。

堤さん:おかげで、いわゆる頭が良いとか優秀と言われている人を見たり・聞いたりしても一切驚かずに済むようになりました。でも、その状況にうまく対応出来ない人も多いんですよ。

L:「競争意識のみで来ると・・。」ということですか。

堤さん:やはり、一応各学校、各塾でトップクラスだった子供があつまって、序列が出来きてしまうわけです。早くからナマナマしい競争社会の原理を味わうので、人によってはナイーブになってしまう傾向があるとおもいます。

L:まあ、だれかはビリになるわけですから、大変ですよね。

堤さん:そうですね。そうなると子供ですから自己防衛が働くわけです。不安さからか、とにかく落ちたくない、安定したいという気持ちを強くして、必要以上に自分のポジションを決めてしまって可能性を閉ざしている感じがあります。特に、地方の公立高校なんかと比べると伸び伸び感が足りませんよ。医者・弁護士・会計士志望が多すぎです。

L:トップ層の中にいると、普通の子供も引き上げられるという期待も多いと思うのですが、やはりそれなりに大変さもあるんですね。

堤さん:まあ、その伸び伸び感のなさ、手堅さをよしとする人もいるので、人それぞれでは。世間から言われるようにナイーブで覇気があまりない傾向は認めます。結構妄想癖のあるタイプが多くて、現実感を卒業後に取り戻そうとするキライも(笑)

L:やはり東大・医学部至上主義って強いんですか。落ちると落ちこぼれ扱いとか。

堤さん:それは塾と保護者の作ったイメージです。もちろん東大・医学部志望者は多いですが、受からなかった同級生に対してどうこう思うなんてことはないですよ。普通そうでしょう。

L:それはそうですね。

堤さん:だた、その周りからの視線を強く感じすぎるナイーブな子供は必要以上にそう思ってしまうことはあるようです。

L:世間からの高い注目度は繊細な中・高生には重い部分がありますね。しかし学校側からは運動会などのイベントで結構強く育てようという意識が見られるのですが。

堤さん:その点は、良い器だと思います。勉強ガリガリ・学校の授業が厳しいというのは全くのウソ。授業は殆ど教師のマイ・ワールドな空間で、受験対策なんて一切なかったです。漢文に有名なおじいちゃん先生がいて、非常に含蓄に富んでてハマリました。ただ、もうその先生はいないと思うなぁ。

L:同級生はおとなしいようですが、反面マニアックな生徒もいるのでは?

堤さん:はい。先程お話したような受験競争社会の申し子のような弱い子もいますが、つきぬけた我が道を行くタイプもいます。そのレベルは、他の学校ではなかなか会えないほど高いので貴重です。今でも、ちょっとだけ弱々しかったけど親が教授で学者肌だったI君にはかなり感謝しています。(彼はおぼえていないと思いますが・・・)しょうもない質問から素朴だけどちょっとだけ高度な質問まで、時には大学の専門書みたいのを引き合いに出して全力でウラ技を色々伝授してくれて、かなりレベルアップしました。

L:塾には通われていたのですか。

堤さん:通っていませんでした。周りに優秀な奴がゴロゴロしているので彼らに色々と日夜質問をしたりしていると気がつけば学力がつきます。持つべきはどこまでもトコトン議論しつくせる良質な「ディスカッションパートナー」です。ピュアな知的好奇心さえあれば、非常に高いレベルで相手をしてくれる「ディスカッションパートナー」に必ず巡り合える環境だと思います。

L:学外との交流などはあるのですか?

堤さん:男の子も女の子もアルイバイトで知り合う・同級生の紹介で知り合う。飲み会で知り合う。いたって普通です。遊びも当時はボーリング・カラオケ等々、こちらもいたって普通です。

L:このインタビューは中学からの入学を考えている方が多くご覧になっているのですが、堤さんから見てどのような子供に向いている学校で、どのような子供に向いていない学校だと思いますか。

堤さん:校風自体は非常に自由で頭ごなしな所は一切ないので(今は分かりませんが・・)、多様性に対する学校自体のキャパシティは広いんです。知的好奇心が旺盛で、自分の興味に集中できるピュアさがある子供には向いているとおもいます。一方で、相対的な評価にとらわれるナイーブな性格だと、子供の早い内から現実的な自分のポジションニングを考えすぎてしまうと思います。低学年時から非常に現実的な将来設計をする子供が多いので。

L:ご自身のお子さんを開成に入れたいと思いますか。

堤さん:先程お話したとおり、知的好奇心へのピュアな探求がちゃんと育っていれば、開成は悪くないと思います。同じようなピュアな同級生が少なからずいるはずなので、刺激を受けられればいいなと。ピュアさが不十分だと、小さくまとまってしまうリスクがあるので避けるかな。

L:卒業生でよかったと思う機会はありましたか。

堤さん:良くも悪くも働きますが、ブランドはそれなりにあります。先入観ともいえるその評価をうまく活用するか否かは自分次第だと思います。ただ受験生の保護者だけは無条件にほめてくれます(笑)。

L:ありがとうございました。

(終わり)

次回第2回は雙葉学園の卒業生杉岡由梨さんです。インタビューは終わっているので近々アップします。第3回、第4回は慶応義塾中等部・慶応義塾湘南藤沢高校の卒業生(男性)と普連土学園の卒業生の方を予定しています。このお二人へのご質問を受付けております。karino@lojim.jpまで件名は「~中学の卒業生の方への質問」としてください。