vol.1
ロジム塾長
苅野先生
前編
後編
vol.2
ロジム
事務局長兼講師
野村先生
前編
後編
vol.3
ロジム講師
向井先生
前編
後編
vol.4
ロジム講師
坂原先生
   
番外編
ロジム
野村先生&
ぐんぐん英会話社長
谷口さん

   
   
 
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学習塾ロジム 塾長 苅野先生 
 
苅野 進。東京都出身。文学部哲学科卒。小学校5年生、6年生の算数講義、および全体カリキュラムを担当。趣味は、マラソンと数学。著書「小学生からのロジカルシンキング」(ソフトバンククリエイティブ)、「頭のいい子が育つロジカルシンキングの習慣」(共著)(中経出版)。<詳しくはページ下に
苅野先生の小学生時代はどんな子どもでしたか?
苅野 住んでいたのは江戸川区あたりです。あまり勉強熱心な小学生ではなかったですね。 宿題をまったくやらず、今では考えられないかもしれませんが、学校でビンタをされるなど、皆の前でならんで制裁をうけていました。

かといって、叩かれるから宿題をしたかと言われるとまったく変わらず、叩かれ続けていました。各学年の担任の先生の殴り方は覚えています。 人が言っているから、やっているからやろうということは思わない子どもでした。特に哲学があったわけではありませんけど。

塾には行きました。小学校3年生の時、友達の家からの帰り道、「生徒募集中」という塾の看板見て、何気に覗いたら、いろんな説明をうけて通うことになったんです。いざ通い出してみると、講師の話を聞いて、問題を解くこと自体は楽しかったことを覚えています。

小学校でも授業が嫌いということはなく、興味がある授業はよく聞いていました。好奇心を持ったものはしっかりやっていました。

中学、高校と、勉強はされていましたか?
苅野 宿題は、高校3年生の部活引退までとうとう、やっていきませんでしたね。勉強は嫌いではなかったのですが、やりたいタイミングでしか、やりませんでした。(笑)300人中250番以下が定位置でした。
受験を経験されていますが、「これをやっておいたほうが良かった」と今だから思うことはありますか?
苅野 勉強って受験のタイミングで、一生懸命始めることが多いですが、学校の先生も親も、入試に受かることを考えると、苦手の克服に時間を割かせます。

入試の勉強では、得意を伸ばすとすぐ頭打ちになるので、苦手の克服に時間をかけるようになりますから。

ただ、今振り返ると、合格のためにさいた時間によって、得られたわずかな点は、自分の役に立っていないのです。点数は上がりますが、僕の人生が豊かになったかは別の話。得られたのは、合格だけです。

そう考えると僕はやっておけばよかったと思うのは、数学です。数学は、やればやるほど、見える景色が違ってきます。もっと高い風景が見えたかもしれません。

保護者の人たちは、平均ちょっと上ぐらいがみんな好きなんですよ。けれど、僕はその程度のものは武器にはならず、それよりもどこかに偏っている、突き抜けている人や物に興奮する人間なんですね。そのほうが人としても魅力的だと思います。

自分があまり好きではなかったものに、時間にかけても、今に繋がっていないと感じています。まあ、これはあくまで人生哲学です。何事も平均点を取りますって人が活躍できる場所も多いですから。

東大に入って分かったことですか?思った程勉強できるやつばかりではないということです。塾などのフォローがない中で勉強するということができないのでしょうか。大学から始まる科目でつまづいている人が思いのほか多かったです。

 
大学を卒業され社会人になってから、学習塾ロジムを設立するまでに、どのような気づきや、きかっけがありましたか?
苅野 引き金になったのは、コンサルタント時代の時です。これからの社会を背負って立つ大人たちに失望したのです。  

クライアントの社員の多くは、MBAホルダーでいわゆるエリートたちでした。すでに「ロジカルシンキング」という科目も学んでいます。日々この人たちとプロジェクトごとの仕事をしていたのですが、相手目線に立てない人ばかりだということに気づきました。

相手が決めたら、決めたまま。相手が理解できなければ、相手のせいにする。本来の商売で必要なコミュニケーションが何もできないのです。

ロジカルシンキングって、数学を除くとロジカルっていう世界共通の基準があるわけではなく、相手にいかにうまく伝わるのかということを形容して、ロジカルって本来は言っていると思います。  

それを彼らは学んできた絶対的な基準を踏襲すれば正しく、どんな事でも解決できる、伝わると思っている。出来なければ、相手が悪いという発想が根本にあるのですね。 今までの人生は、正解ばかりだったのでしょう。正解しない人は子どものころから切り捨ててこられて育ったのです。

そんな大人の考え方を目の当たりにして、これは身につける根本を子どものころから見直さないとダメだと思い、学習塾ロジムの立ち上げを決めたのです。

「伝わりやすい人」にだけ伝えて、「伝わらない人」は切り捨てる。これでは商売はダメですから。

今の話を伺うと、学習塾ロジムで、伝えよう、大切にしようとしているのは、「思いやり」や「心」かなと思えたのですが。
苅野 ロジカルシンキングに「思いやり」や「心」を伴ってほしいと思っています。だからこそ小学生から始めることに意味があると考えています。「心」って教えにくい部分ですよね。

子どもの世界は、弱いもの勝ちという面があります。子どもだと、伝わらなかったとか、傷つけてしまったとかは、直接自分に跳ね返ってきます。泣いちゃったとか。強者の論理で相手を倒すと、しっぺ返しにあいます。子どものころからいろんなトラブル、多様性を経験して初めて、相手の気持ちをわかるようになれるのです。

社会人になって、正論で相手を倒していった先には誰も相手がいなくなってしまうことがあります。そうなれば、結果として商売はできません。

すると、ロジムでは、仮想トラブルを起こしているのでしょうか。
苅野 そうですね。ある程度の訓練をしながら経験してもらいます。その時々に強者、弱者と立場を変え、学んでいきます。

論理的に正しい正しくないは判断しやすいですよね。ディベートの後、勝った、負けたで険悪なムードになりますが、それを小さなころトラブルとして経験していけば、次第に相手を思いやる心ができるのです。論理的に負けたからといって、その人の評価が下がることもないのです。

 
苅野 進  
出身地 東京都
現在のロジムの立場 塾長
教えている科目/役割 5年生と6年生の算数を担当しています。教材を作成したり、他の先生が作成した教材のチェックをしたりしています。
最近読んだ好きな本 大学のときに哲学科で難しい本をたくさん読みすぎた反動で、わかりやすい物語が最近好きです。というわけで最近は伊坂幸太郎や村上春樹、石田衣良が好きです。数学は数学科修士で学ぶ位のことまではわかるのでその程度の数学の本を読みます。
小学生に読んでほしい本 漫画ですが「スラムダンク」「風が強く吹いている」です。スポ根です。
見に行ってほしいオススメの場所 お薦めの本に共通しますが、何でもよいので一流選手の練習風景。小学生には「自分で歯を食いしばること」の大切さを知ってほしいです。相撲の朝稽古、名門高校の部活など人が本気で何かに取り組んでいる姿を見てほしいです。
尊敬する人物 母親です。昔の人で学は全くないけれど、思いやり、心配り、腰の低さで人に不愉快な思いをさせることがない人です。本人は意識してはいないと思いますが、こういう姿勢は非常に価値のあるものなのだなと思います。
いま熱中していること ランニングと相変わらず数学です。ランニングは今年中になんとか3時間を切りたい。数学は日々の小さいけれど不可欠な楽しみです。
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