2008年07月09日

年々大変

ある大学の先生とお話しました。
中学受験問題は常に難易度が上がってきているのだが、それによって大学生の学力は上がったのかと。
先生曰く、下位が少し下がったかなという感じはするけれど、あまり変わらない気がするそうです。ただ、学力という点で重要な視点があるということ。
「ただ、学問も技術も最先端は一握りの天才達がすさまじいスピードでレベルを引き上げている。社会・そして世界に出て戦えるのかという視点で考えると、大学生の平均レベルは大きくかけ離れてしまっている。一部の本当に出来る人間以外は、社会に出た時点では全く戦力外なのが現状。大学院、社会人教育で追いつかせようとしているのが現実だが、初等教育ももっと充実させないと、世界で戦える人材は育てきれないんじゃないかな。」
実際に働いていらっしゃる方々は、新人から戦力になるまでにかかる時間が年々長くなっているという実感はあるのでしょう。そして、それを長い徒弟期間を受け入れることの出来る新人も企業も少ないのが現状です。
「20年前に東大に入るのにも、今東大に入るのにも必要な知識に大して差はないけれど、技術の世界では20年前の一部の天才によって開拓された最先端を、今の人間は戦力になる最低限として身につけていなくてはいけない。「戦力」として認められる難易度は相当上がっている。」
そういえば、昔は英検1級ぐらいで「英語が堪能」として認められたけれど、今はネイティブレベルでないと「英語できます」って言えないムードが・・・。レベルは違うけれど、同じような感じでしょうか。要求されるレベルはあがったけど、近道はないんだよな。大変だ。



2008年07月08日

考え中

こんばんは。

さて、たいていの時間をロジムですごしている私ですが、先日久々に「お勉強会」なるものに参加してまいりました。

「勉強会」とはいっても、友人たちと持ち回りで、各自の仕事関係のテーマで発表し、ディスカッションする場なのですが。これがまた、いろいろな業種の人が集まっていると毎回違うねたに触れられつつ、結構楽しく物事を考えられる場になっていて面白いんですよね。

 今回のテーマは税制についてでございました。最近の日本の債務残高やらガソリンの値段の高騰やらについて、国際的な比較をしつつ、国の対処の方法などなど、広く浅く知ることができ、個人的にはとても有意義な時間をすごせました。

 まあ、社会保障関係費なんかは中学入試でもかなり熱い分野ですので、それについての多少の知恵をつけて戻ってきた次第です。

 やはりグラフ等で見せられると、日本の最近の社会保障関係の生産年齢負担はかなり大きくなっているのだな、というのが実感です。社会保険料負担は実は消費税と所得税合わせたくらいの大きさがあります。普段少子高齢化と騒がれつつも、いまいち実感がわきづらかったのですが、それに真剣に向き合ってみると、大変な問題なんだなあと実感したわけです。
 加えて、老齢人口比率も他の国の追随の余地のないくらい日本が図抜けて高い!本当に近い将来の社会保障制度が心配になりました。

  ほかには、最近のガソリンや債務超過の問題も気になりましたね。ガソリンの高騰について、日常ではつい文句のひとつも出てきてしまうところですが、日本は他国に比べると、それでも税負担額が低く抑えられている(他の国民はもっとヒーヒー言っている状態)こと、さらに国債による日本の債務超過は、国民一人当たりの税負担額の小ささの裏返しであること、など文句ばかり言っていられないなぁなどと思ったり。

と、こんな話を延々として帰ってきたわけですが、人間は意識しないと自分の都合で物を考えがちになってしまうことを改めて感じるとともに、現場で動いている人間が感じるものは、他の立場の人間に対し、予想以上に大きな声となって届き、影響を与えるものだと思いました。

受験生にとっては(もちろん他の学年のお子様にとっても)非常に大切な夏です。それを迎える前に、もう一度自分なりにお子様の現状を見つめなおし、こっちの都合の押し付けになっていないか、自分のことばがどんなふうに届くのかを考え、いい夏だったといえる場を提供していきたいと思う今日この頃です。                                 む



2008年07月07日

小学生達の真剣勝負!

NYの小学校では情操教育の一環として社交ダンスが取り入れられているそうです。日本と違うなーと思うのが、地域予選から始まる一大コンテストとなっているところ。いくつかの小学校を追ったドキュメンタリーです。才能溢れる子供から苦手そうな子供まで、初めての「勝負」に挑む小さな姿を見ていると色々と考えさせられます。指導する先生達の姿勢もしかり。映画館で3回見ました。DVDで是非。保護者の方向け。
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ステップ!ステップ!ステップ!2006年公開作品



2008年07月06日

爺のひとりごと006

爺じゃ。

さぁ、明日は待ちに待った(?)七夕じゃ。
皆は、短冊に願い事を記したかのぅ?

さて、今日はこの七夕にちなんだ伝説を一つ。
皆、七夕伝説は知っておるじゃろうか?
そう、織姫星と彦星の伝説じゃ。

こと座の1等星ベガ(織姫星)は天帝の娘で、はた織りの上手な働き者の娘じゃった。
また、わし座の1等星アルタイル(彦星)も働き者であり、天帝は二人の結婚を認めたんじゃ。
めでたく夫婦となった2人じゃが、夫婦生活が楽しいせいか、
織姫ははたを織らなくなり、彦星は牛を追わなくなってしまったそうな。
これを知った天帝は怒り、2人を天の川を隔てて引き離してしまったんじゃな
しかし、天帝もさすがにあわれに思い、年にたった1度だけ、7月7日に会うことを許したんじゃ。
ところが、その7月7日に雨が降ってしまえば、天の川の水かさが増し、
織姫は渡ることができず、彦星も彼女に会うことができないんじゃ。
そこで、そんな2人をさらに哀れんだ無数のカササギがどこからかやってきて、
天の川に自分の体で橋を架けてくれたんじゃな。
このことから、はくちょう座の1等星デネブが、七夕伝説のカササギにあてられらわけじゃ。
こと、わし、はくちょうのうち、水の中に入れるのは水鳥である白鳥だけじゃからな。
現に、空を眺めてみても、デネブだけが天の川の中にあるんじゃよ。
もちろん、川を隔ててベガとアルタイルが向き合っておる。

星にはたくさんの伝説があるんじゃ。
面白いのぅ。

おやすみじゃ。
皆の願いが叶うことを祈って…。(爺)



2008年07月05日

万歩計に見る ちょっとの気配り おおきな満足 

最近運動不足だなあと反省し、なぜかカロリー計算機能付き万歩計を購入。

万歩計を買うと運動不足が解消されるかかどうかという因果関係の検証はさておき、amazonにて注文してみました。

検索→注文→購入確認 

恐ろしく早いですよね。流れるようです。まさに。

そして翌日すぐ届く。ホントすごいですよね、amazonドットコム。

で、さあ、つけるぞ、測るぞ、と意気揚々と開封
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が・・・・・・・。しかし。

まだ使用にいたってないんです。

これがなぜかと言えば、電池をいれるのにドライバーでカバーをあけるという動作が必要で、もちろんドライバーなんてものは手のとどくところになく。みごとにこれがボトルネックとなりました。
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ドライバーで開けるくらいやりなさいよ、というのももっともなのですが、野村としては
「なんでそこで、ドライバー!?!」なのですよ。

そんなに激しく扱われるわけでもなかろうに、
カチャっと開け閉めできる電池カバーでよかろうに、、、
なんで、ここで・・・・。

家に届くまでは、驚愕のスムーズさだっただけに。

ほんのちょっと、「ここでドライバーはないよね、やっぱり」「やっぱめんどくさいよね、ドライバー」とこちらのことを考えてくれるだけで随分満足度がちがうと思うんですが、どうなんでしょう。

で、何が言いたいかと言えば、ロジムのサービスにもきっとこういうところあるんでしょうね。いや、あるんでしょうかね・・・・。

「ほんのちょっと、本当にほんのちょっとだけ、生徒や保護者の皆様の身になってこうすれば満足度数倍なのに」という「ちょっとの配慮不足、大きな残念」みたいなことが、あったとしたら大変大変いたたまれないです。

言いにくいこともあるかと思いますが、是非是非「(大した手間じゃなかろうに)こうしてくれたらいいのに」って指摘してくださいね。 もちろん我々が自分達で気をつけるべきことですが。




2008年07月04日

ロジカルシンキング 2学期クラス と 雑記

ロジカルシンキング 2学期クラス(9月~1月)
の一括申込(まとめて14回分予約する申込)を7月10日から受け付けます。

このブログ上で御案内します。

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そういえば、以前から読んでみたいなと思って気になっていた論文があったのです。
「家庭の年収と生徒の進学先」みたいなもので、詳しいタイトルはわすれましたが、
御茶ノ水大学のどこかの研究室のものでした。

日経新聞で引用されりしていたのでチェックしていたのですが、先日ロジカルシンキングクラスを担当させてもらってる日本女子大の事務(?)の方がこの論文の著者であることがわかり、なかなか世のなかせまいなあと驚きました。
(しかもその方の旦那さんと野村は一時職場が一緒だったそうです。いやはや世間ってせまいですね。悪いことは出来ません。)




2008年07月03日

めざせガウス!!

こんばんは。竹村です。ついこの間、本棚の片づけをしていたら
ずっと昔に使ったらしい心理学の教科書が出てきました。
結構思ったよりも内容を忘れているものでなかなかおもしろく
ここ数日ちょっとずつ読み返していました。

そして今、今日の日記に書く内容のヒントを探そうと思って
ロジムブログのほかの先生方の記事を読んでいたのですが、
6月30日苅野先生の「私は話せるようになる前から計算していた」というタイトル
を見て、一つ思い出したコラムがあったので紹介してみます。

テーマはずばり、「人間は話せるようになる前から計算が可能なのか?」

赤ちゃんはとても好奇心が強く、変わった刺激を積極的に求める傾向があります。けれども
、おなじ刺激が何度も繰り返されると、飽きてしまってほとんど反応しなくなってしまいます
そんな時またちょっと違う刺激を加えると、また興味を取り戻します。

具体的には、なにか物を見せたときにじーっと見つめる時間の長さで
どのくらい興味を持っているか調べるわけです。

そしてここは少し説明を省いてしまうのですが(ごめんなさい)、その延長で赤ちゃんは予想していた
結果と違う結果が出ると、びっくりしてじーっと見つめる傾向があります。

さてさて、そこで1992年、ウィンさんという学者さんがこういった傾向を
利用して赤ちゃん(0歳5ヶ月)の計算能力を調べようとしました。

まず、赤ちゃんの前にちっちゃな箱の劇場が出てきます。
次にそのステージに人形をひとつ、置きます。
すると、舞台下からスクリーンが立ち上がってきて赤ちゃんから
人形が見えないようにしてしまいます。
最後に舞台の横からにゅるっと手が出てきてまたもう一個人形が
スクリーンの裏に差し込まれます(この人形が差し込まれるところは
赤ちゃんからちゃんと見えます)。

ここから、実験は二通りのルートをたどります。

(正しい答え)のルートではスクリーンを外すと、裏から人形が二体出てきます。
(間違った答え)のルートでは、スクリーンを外すと、裏から一体しか人形が出てきません。

つまり(正しい答え)では1+1=2、(間違った答え)では1+1=1
の状況を赤ちゃんの前に出したことになります。

さて、赤ちゃんはどう反応するでしょうか?

実は、(間違った答え)のほうがより見つめる時間が長いのです。
ということは、(間違った答え)の方が「予想外」だったことになり、裏を返せば
(正しい答え)を予想していたことになりますね。

この結果から、ウィンさんは5ヶ月の赤ちゃんでもすごく簡単な
足し算や引き算がなんらかの形で可能なのではないか、と考えました。

びっくりな結論ですが、もしかしたらみなさんでも
「私は話せるようになる前から計算していた」といって
嘘ではないかもしれないです。

そういう意味では、実はみんなガウスを同じ才能を持っているのかも!?
なんて考えると、ちょっとうれしい気分になりますね。



2008年07月02日

数学者の物語

数学の内容が分からなくても、とてもエキサイティングな物語の紹介です。普通の読み物として面白いですから食わず嫌いせず是非!

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「ペトロス伯父とゴールドバッハの予想」
ギリシャのある村に住む少年には、親戚一同から疎まれている伯父がいた。かつて数学者だったという伯父に魅力を感じ、近づいていく少年。数学が好きで、数学者になりたいという少年に、伯父は「2より大きいすべての偶数は、二つの素数の和で表せることを証明できたら数学者になってもよい。そうでなかったら数学者はあきらめて欲しい。」安請け合いをした少年だったが・・・。


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「天才の栄光と挫折」
「国家の品格」を書いた藤原正彦さんは実は数学者。ニュートン、関孝和など9人の数学者の伝記です。うーん、上手い説明が思いつきません。偉大な数学者たちの苦悩の日々です。数学の美しさに魅了された人々の不思議な人生がとても魅力的に描かれています。

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「フェルマーの最終定理」
17世紀、フランスの数学者フェルマーがノートの端に謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」その命題とは「3 以上の自然数 nで、xのn乗 + yのn乗 = zのn乗を満たすものはない」ピタゴラスの定理の3乗以上の形です。そして360年後、1994年10才の時にこの命題に出会ったというワイルズがついに 証明に成功する。数学がわからなくても興奮するドキュメント。




2008年07月01日

こんな勉強法は?

 こんばんは。今日もひとしきり夜の遅い私でございます。先週のあいつの話をしようかと思いましたが、何だか身内の恥をさらしまくるようで気がひけたので、今週は勉強のやり方ねたで一つ。

私の六年生のときにやっていた社会の勉強法です。

 切り口でいうと、単なる県別の暗記(というより自分なりのチェック)です。でもってやり方はというと、とにかくその県で思い出せることをひたすら書きだし、関連知識もそのまま書き出すというものでした。かなり荒っぽいやり方ですが、いろいろな知識を関連させるという意味では結構有効な方法だと思うので、ご紹介しておきます。

 と思って静岡県でやってみたところ、ねたが多すぎてたいへんでしたので、群馬県あたりで行きますね。一応順番はそれなりにあるのですが、なんせ途中で思い出すものもあるので、あしからずです。では呼吸を整えて…

前橋・高崎・関越自動車道・上越新幹線・越後山脈・からっかぜ・屋敷森・浅間山・嬬恋村(高原野菜)・キャベツ(愛知1位)・コンニャクイモ・太田の自動車(豊田・横浜・広島府中町・浜松オートバイ)・桐生の織物・関東内陸工業地域(機械50%くらいで化学が少ない)・岩宿遺跡(黒曜石・相沢忠洋・野尻湖・ナウマン像・大森貝塚・三内丸山・登呂・吉野ヶ里)うーんと…
富岡製糸場(ここまで飛ぶかなあ?・殖産興業・富国強兵・そういえば五か条のご誓文・五傍の掲示・文明開化、中身は四民平等・版籍奉還・廃藩置県・徴兵令・地租改正・郵便制度・教育勅語・新橋横浜の鉄道・官営工場)・最近はブラジル移民多し(自動車工場関連・同静岡)

 とこんな感じです。ときに歴史に出てくる回数が少ないようですが、本当でしょうか?と思ったらちょっと調べてみるなどしていました。所用時間は寝る前10分くらいですかね。誰か群馬県がらみでこんなのあったじゃないですか!!という人がいたら教えてください。

 まあ、20-30個出てくれば、まあいいかという感じで寝ていましたが、作業のコツとしては、地理・歴史の箱に分けて、地理は交通・地形・農業・工業・資源、歴史は時代ごとの事件であてはまりそうなのをなぞる、という形でした。
 5年生は地理に関しては、実はもうできますし、6年生は同じことができる時期です。もちろん、これより前に基本の定着が大事ですが、ちょっと自信のある県で試してみてはいかがですか。やってみたら、是非見せてくださいね。    む



2008年06月30日

私は話せるようになる前から計算をしていた

といったのは、18世紀から19世紀に活躍した数学者ドイツ人数学者のガウスです。
物理学や天文学など多岐にわたって様々な貢献をし、これが有名!と彼の功績を挙げるのは難しいですが、小学生にも分かる彼の発見を1つ。

「曲面の曲がり具合は、「高さ」という基準を考えなくても測定できる。」

通称「ガウスの驚愕(驚異)の定理」。発見したガウス自身が非常に驚いた定理です。
みなさんも直感的に、ある平面が平らか曲がっているかというのは、その平面上である部分とある部分の高さが違うことではないかという感覚はお持ちだと思います。証明は省略(大学2,3年レベル)しますが、ガウスはこの「高さ」を考える必要はないことを示しました。「高さ」とは、その曲面を外から見ないとわかりませんよね?ビルの中にいる人は、自分が何階にいるかを把握できないのと同じです。ガウスは、ビルの中にいたまま自分の地上からの高さがわかるということを証明したようなものです。これは確かに驚愕です。

この定理の応用として様々な本に紹介されている事実を最後に紹介します。小学生の多くが知っていますね。

「球面上の地図は、その距離を保ったまま平面の地図に変形することができない。」

つまり地球儀上で測定できる距離を、すべて正確に再現した紙の地図は作れないということです。
身近なことを数学的に考えることができると、楽しくなります。