vol.1
ロジム塾長
苅野先生
前編
後編
vol.2
ロジム
事務局長兼講師
野村先生
前編
後編
vol.3
ロジム講師
向井先生
前編
後編
vol.4
ロジム講師
坂原先生
   
番外編
ロジム
野村先生&
ぐんぐん英会話社長
谷口さん

   
   
 
  vol.2 <前 編>    <後編>はこちら  
学習塾ロジム 事務局長兼講師 野村先生 
 
野村 竜一。県立千葉高校、東京大学理科Ⅱ類入学、教養学部卒。大学在学時米国へ交換留学。放送局、通信会社、コンサルティング会社を経てロジム設立。共同代表者。<詳しくはページ下に
野村先生は、小学生のころどんな子どもでしたか?
野村  ミーハーな子供でした。流行りにはとりあえず飛びつくというか、踊らされるというか・・・。ファミコン、ラジコン、ビックリマン、少年ジャンプ、コロコロコミックの世代です。特に覚えているのは「キン肉マン」への熱中ですね。

 当時はキン肉マンの世界観の中で生きていました(笑)。世の中の流行っているものに、すぐに飛びつく子どもでした。キャプテン翼が流行ればサッカーをしたり、ビックリマンチョコが流行ればシールを集めたり、ミニ四駆が流行れば部屋中工具だらけになっていたりしました。

 学習については、「勉強って面白い!」と思ったことはなかったと思います。ただ、「テコの計算ができると面白い」「電車がすれ違う時に汽笛が聞こえる時間を計算するのは面白い」「壁新聞を作るために歴史の調べ物をするのは面白い」というようにかなり具体的に「解って面白い」という体験はしていました。

 自分が面白いと思う分野は、「勉強」という範疇として考えていなかったのだと思います。「勉強」ではなかったから面白い。やはり学習し始めの小学生にとっては、限られた分野でもいいので、いかにしてそれを「勉強」ではなく「趣味」や「遊び」にシフトさせられるかが鍵だと思います。

  低学年時は、優等生ではなかったと思います。ただ、当時退任間際のお婆ちゃん先生が僕に優等生レッテルを張ったんですよ。僕に何かとリーダー的な役割を任せてくれたり、先生が「野村君ならわかるよね」と指名したり。

 最初は、「ついにこの先生ボケたか。だれか他の生徒と自分を間違えている」と思いました。しかし、不思議なもので、自分は勉強ができるのだ、みんなをまとめることができるという暗示にかかり、その評判を失わないよう頑張りました。プラス方向の勘違いですね。ポジティブ方向の思い込み。今思うとあれはその先生が生徒の能力を伸ばす方法として実践したのではないかと思います。

 それ以来、今に至るまでポジティブな自己暗示が人を伸ばすということを意識しています。本来、結果が出てから自信がつくものですが、自信が先で、結果がついてくることも多々あります。自信と結果の因果関係をポジティブに取り違えるのですね。これは、実際ロジムの指導の中でも応用しています。

学校の授業以外で何かしていましたか?
野村  水泳、剣道、そろばん、を習っていました。俗にいう学習塾は通っていませんでした。中学受験は全く予定していませんでした。中学受験をする生徒は学年に一人いるかいないかというような環境でした。ですから、学校から家に帰って、また学校に行ってサッカーやら野球やら泥警をするという毎日でした。

 4~5年生になって「遊びの会」という遊びサークルを立ち上げました。例えば毎週火・水・金曜日は、そのサークルで放課後に遊ぶということをしたのです。  最初は4~5人だったのが、先生に相談してクラス公認になり、帰りの学級会で「今日は校庭でサッカーやります」と告知機会をもらえる活動になっていきました。それがクラスから、学年横断組織になっていきました。その発起人兼取りまとめ役をやっていました。それが楽しくて仕方がなかったですね。

 ただ、その後「いじめ問題」が出てきました。昨今テレビで取り上げられているような陰湿なものではありませんが、誰が意図的に会に呼ばれていないといった問題でした。各クラスで学級会が持たれ、僕は発起人として設立主旨や存続への思いを証言するはめになりました・・。その後、学校の意向で遊びの会は無くなってしまい、小さな組織として細々と続きました。そこで組織を運営する楽しさと難しさを同時に学びました。「人がいっぱいいるといろんなことを人は言うんだな、大変だな」と思った強烈な記憶があります。人はそれぞれ自分の立場や気分に基づいて主張をします。一方の主張だけに立って物事を解こうとせず、互いの主張の因果と構造に意識を向けないと物事は解決に向かわないと子供ながらに感じたのを覚えています。

中学ではどうでしたか?
野村  高校受験があるので勉強はしましたね。中学校の成績が高校受験に大きく影響するという先生の言葉を真に受けていたので、学校の勉強も大事にしました。特に記憶に残っているのは、理科の先生に、高校分野以降の内容をしつこく質問していました。授業後に根気よく指導してくれた先生にはとても感謝しています。中学の勉強ってどうしても中途半端になります。本当はとても奥行きがある分野でも、「中学生ではここまでしかやる必要ない」と指導要綱で決められており、生徒の興味と関係なく学習する天井が決められています。例えば、原子の中に「原子核」があるというのは習えば、その原子核はどういう振る舞いをしているのか疑問に思うのが当たり前です。しかし、それは高校に入ってから習うからということで、原子核という名前のみが教えられます。どこまでを勉強すればいいと勝手に決められるのがどうにも納得行かなくて、理解のある先生のところへ「なぜ?なぜ?」をぶつけに日参していました。

 塾も中2の終わりぐらいから行き出しました。塾は行ってよかったと思います。世の中賢い人がたくさんいるのだなと知りました。塾でできた友達もとても好きでした。小さいころからいろんな場所、世界を持つことが好きでした。学校の自分があって、塾の自分があってと。結果的に希望の高校へ進学できました。

 
高校ではどうでしたでしょうか?
野村  「自由とはなんぞや」という問をたえず浴びせられた3年間でした。変わった高校でした。入学式の日に校長先生が、「うちは浪人時代も含めて4年制の学校です。学校は生徒の受験には一切関与しません。生徒の範疇です。」と言い放つような学校でした。「高校3年間は受験なんてものを意識せずに思いっきり好きな事を学び、浪人して受験勉強を広く浅くやりなさい」と先生が本気で言っていました。

 本当に学校の授業も変わったものが多くて、生物の先生は最初の授業で「人はどこから来て、どこにいくのか」と板書し、生物学が抱える使命という話を延々していました。高校1年の最初の生物の中間テストが、京大後期入試の過去問1問だけといった具合でした。先生も生徒の居眠りを注意するようなことはありませんでした。生徒が眠くなるような授業をする先生が悪いと言っていました。今思うとすごいことですよね。

 「興味のあることにだけ突き詰めなさい」という教育方針は徹底していました。また、教師が生徒の意思を尊重するということも徹底していました。生徒を育てるのは制約でなく、自由であり、広大な自由を与えられて人は初めて権利と義務に思いを巡らせるのだと思います。生徒の意思を徹底的に尊重しながら、生徒の自立心を育むという方法は僕が全面的に真似たい教育方針です。

大学進学は、いつ、どのように考えていましたか?
野村  学校全体として皆がなんとなく東大を受けるという雰囲気だったので、僕もその雰囲気に乗っかりました。通える範囲にあるし、国立で学費も安いし、受けない理由がないなと。

 塾は高校3年生のときに、予備校に単科講座だけ行きました。とはいえ高校3年生の頃は楽しいことが他に多すぎて勉強まで手がまわりませんでした。バンドやバイトや、友人づきあいや、恋愛や、本を読んだり。東大しか受けなかったので、その時点で高校時代4年目を覚悟していましたね。結果はもちろん不合格でしたが、「そら落ちるわな」と納得していました。

受験のための勉強はどのようにしたのですか?
野村  浪人の1年間は正直、本当によく勉強しました。東大入学後、みんな自分の勉強を過少に語るのですが、僕は自信を持って「すごく勉強した」と言えますね。起きている時間は、ずっと勉強していましたから。食事中もしていました。

 受験勉強の方法としては、問題をやさしい順から答えて、解らなかったら調べ直すという、愚直な勉強法を繰り返していました。なんだかんだ結局基礎部分をしっかりやらないとダメだなとこの時期に人生で初めて実感しました。ついつい楽をして、総合問題を解くことで一気に分野横断して多くを学ぼうとしてしまうのですが、これはダメですね。学力がふわふわしたものになります。基礎にこそ物事の本質がある、基礎は本質に触れるためのパーツであると思っています。

 
野村 竜一  
出身地 品川⇒横浜(小学校)⇒千葉(中学高校)⇒東京(大学以降)
出身大学 東京大学 (UCSB交換留学)
現在のロジムの立場 事務統括、運営管理
教えている科目/役割 3年生全般、4年生国語・理科・社会、高学年ロジカルシンキング
最近読んだ好きな本 「進化と人間行動」長谷川寿一・長谷川眞理子、「(日本人)」橘玲
「H2」あだち充
小学生に読んでほしい本 「オオカミ王ロボ」「伝記 源義経」 自分が小学生の時に読んで強烈に印象に残ったので。どの本というのはありませんが、本はたくさん読んで欲しいです。漫画も含めて。本を読むことで人の1年間は730日にも1000日にもなると思います。それが読書の価値です。
尊敬する人物 村上龍(作家) 理由は、彼の絶えず新しいことに挑戦する姿勢や、本質を貪欲にみようとする視点、弱いことへの痛々しいほどの危機感など挙げればきりがないですが、単純に彼の小説を読んでいる時、時間を忘れて楽しめるからです。ページを読み進めるごとに「話が終わりに近づく。もったいない。でも読まずにいられない」と思える作品は彼のものだけです。
いま熱中していること サーフィン(始めたばかりです)、フルマラソン(今4時間ランナーです。次でサブフォー入り予定です)、プログラミング(PHPです。ゆっくりやってます)、ゴルフ(次で100切る予定です)
先生のインタビューに関して、あなたのご意見・ご感想をお聞かせ下さい

*ご質問の際には連絡先アドレスの記載をお願いします。