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「卒業生が語る我が母校」第4回普連土学園中・高:高久葉子さん

インタビュー企画「卒業生が語る我が母校」第4回です。卒業生の皆さんに率直に語ってもらいます。

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高久葉子さん
(経歴)
普連土学園中学・高校、慶応義塾大学理工学部、同大学院を経
て現在外資系証券会社のロンドン支店のIT債券部でシステムア
ナリストとして勤務。


ロジム(以下L):よろしくお願いします。現在ロンドンにお住まいとのことですが、お仕事の内容について教えてください。

高久さん:金融資産分析・管理システムの設計/構築をしています。 同じ仕事をロンドン NY 東京のチームで太陽の動きと共に仕事をまわしてます。自分の同僚が世界にいるのは楽しいですよ。

L:今日は、高久さんの母校である普連土学園についてお話を伺いたいと思います。普連土学園中の受験、進学を決めた理由などは覚えていらっしゃいますか?

高久さん:あまり理想的な話ではないのですが、風邪を引いて受験目玉の1、2日 ついでに4,5日を休まざる終えなかったからです。
なので、普連土には6日の2次受験で入学しました。そのため3日目の学校と普連土しか選択肢はなかったのですが、その中で選んだ理由は学校説明会などで以前から母がいい印象を持っていたのと、前日の面接がしっかりしていて、そこで受けた印象が良かったのだと思います。ですから 中学受験は余りいい思い出ではなかったのですが、結果的に普連土に満足しているので、今では中学受験の惨劇は私の笑えるもちネタになっています。

L:それは一生の思い出ですね。(笑)実際に入学してみないとわからない様々な特色があるとおもうのですが、社会人として振り返ってみて役に立ったなと思える、普連土ならではのイベント・授業はありましたか。

高久さん:Englishの授業ですね。英語だけではなく英会話の授業があったり、毎年交換留学生が来ていたり国際的な感覚に自然になじめたと思います。

L:そのEnglishという授業は普通の「英語」のほかに設置されている授業なのですか?

高久さん: はい、英語とは別の授業です。特に教科書もなく、英語でゲームをしたり、文法などお構い無しで英語を使って何かしてみようという趣旨でした。ですのでもちろん先生は外国人のネイティブの先生で、挨拶から説明すべてが英語です。手振り身振りに頼っていた部分は大きいですが、楽しかったです。

L:なるほどそのような授業の設定はあまり他では聞かないですね。

高久さん:他にもう1つ挙げるとするとコンサートですね。講堂の音響が良いと有名でプロの演奏を聞く機会がよくありました。役立ったというより教養になりました。

L:社会に出てみてご自身もしくは同級生を、他の学校の生徒と比べて違うなと思う点はありましたか。

高久さん:のんびりしているところ。好きなところですが、周りの人はいらいらするかもしれません。卒業生同士だと全く気にならないのですが。

L:そうなんですか。では学校の姿勢としてはいかがですか。文化祭などで先生たちが結構きちんと見回りをしていたのを覚えていて、生活指導などは厳しいのかと。

高久さん:厳しくないほうだと思います。確か校則が1つか2つかぐらいしかなくて、教育方針も強制的に生徒に指導するのではなく、自分で気づくように促すという形でした。

L:やはり実際はわからないものなのですね。外部からの普連土の様々な評価の中で、実際にそうだ と思う点、違うと思う点をあげてください。

高久さん:外部の評価をあまりしらないので教えてください。

L:保護者の方の間では、少人数で生活指導も学習指導も厳しめでしっかりしているという感じでしょうか。そして質素。

高久さん:生徒の雰囲気としてはやはり質素だと思います。学校としてのカラーもとてもゆったりとしていてまじめで堅実です。私は在学中は制服が嫌いでした。現在は変わったみたいで、あの時の学校のこだわりはどこにいったのかとちょっと残念です。


L:現在通っている生徒からは勉強がとても大変だという声が聞かれます。やはり大変なのですか。

高久さん:大変というよりも、体制が整っているという感じです。大きい方なのか 小さいほうなのかは比較できないので分かりませんが 受験校なのでそれなりに差ができる位の量がしっかりと与えられます。

L:勉強する生徒もしない生徒もごちゃまぜで放っておくという学校もありますが、そうではないんですね。

高久さん:英語や数学はレベル別に2つのクラスに分かれていましたし、授業より先に勉強を進めたい人にも個別に対応していました。

L:あの少人数から、さらにクラスが分かれるんですか。そう いえば私が学校見学に行ったとき、7,8人しかいない教室があったのですが、そのような感じなのですか。

高久さん:7,8人しかいないクラスは物理/生物か授業以外に行われる補習だと思います。英語数学の授業は、学年全体を2つのレベルに分けているだけです。なので普段の授業と人数は結果変わりません。 ただ私は塾にも行きましたが、学校の学習指導体制は塾に遜色ないレベルだと思います。

L:塾に通われた方がそのように評価するというのは相当しっかりとしているのですね。

高久さん:英語は塾に通いませんでした。実際授業や学校のカリキュラムだけで内容レベル共に十分でした。夏期講習を受けたことはありますが、英語は日頃の積み重ねが大切だと思うので普連土の英語教育には満足しています。理系の受験者は英語をおろそかにする人が多いのですが実際はほとんどの大学が数学と同じ配点なので、受験用の勉強をしなくても英語学力がついていたのはとても助けになりました。

L:私の学校では文法書を頭から読んでいくような英語の授業があったのですが、とてもうらやましいですね。実際、イギリスで仕事をして生活できていらっしゃいますし。高久さんは理系ですが、理系の割合は多いのですか。

高久さん:それほど多くありません。やはり女子校なので 理系よりは文系の教育が充実しています。数学以外の理系科目( 物理 化学 生物)などはやはり塾で補った方がいいと思いました。

L:数学もきちんと指導しているのですか。

高久さん:塾に通いましたが、通っていない人も多かったです。特に通ってる人と通っていない人でレベルの差があったとは思わないので やはりこれも塾なしで大丈夫だと思います。数学の場合は最終的に数学的センスで差が出てくるので、それぞれのレベルによって学校も課題を用意してくれたり、レベル別の丁寧な対応ができていたと思います。

L:そのような少人数で細やかな対応が窮屈に感じられたりすることはありませんでしたか。

高久さん:授業以外で行われるものは全て自主選択でしたので窮屈に感じることはありませんでした。自分に合った補習があれば受ければいいし、数学を人より進めて勉強したければ先生に相談すれば課題を与えてもらえるという感じです。学校を主体に補習を取る人もいれば、塾に行っているからということで行かない人もいました。先生は大変だと思いますが、カリキュラムは臨機応変に組まれていました。

L:生徒同士はいかがですか。女性ばかり、しかも少人数がずっと一緒にすごすとなると色々と大変な面もあるのではという想像が勝手に働くのですが。

高久さん:そう思いますよね。でも全くそんなことはなかったです。3クラスしかないので知らない人はもちろんいませんし、あまりクラスという垣根を感じませんでした。喧嘩や言い争いさえした覚えがありません。かなり贔屓になるかもしれませんが、みんな優しくて穏やかな人が多かったと思います。大学に入って、気が強い人や意地悪な人に会ってショッキングでした。

L:外から思われているほど厳格な校風や雰囲気というわけでもないのですね。

高久さん:そうですね。どのような子供に向いている学校で、どのような子供に向いていない学校かというイメージも特に思いつきません。生徒の理想像としてある決まった方向あったり、特別に誰かを尊敬したとかされたとか覚えはあまりありません。 特別な人がいたというイメージよりは、一人一人の個性が大切にされていたと思います。

L:ご自身のお子さんを普連土に入れたいとおもいますか。

高久さん:入りたいか入りたくないかは自分の子供が決めればいいと思うので、入れたいという表現は少し強いかな? ただ 、自分が生まれ変わったら是非普連土に入りたいですし子供が入学したら安心できる学校です。
同級生に会ったとき、みんな女性として素敵な生き方をしている人が多いし、自分と同じ空気を持っているので卒業生で良かったと感じます。

L:なるほど。最後に、母校を一言で表すと?

高久さん:「ひだまり」普連土を思い出すと暖かい気持ちになるからです。

L:ありがとうございました。


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