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「卒業生が語る我が母校」第6回豊島岡女子学園:孫康子さん

インタビュー企画「卒業生が語る我が母校」第6回です。卒業生の皆さんに率直に語ってもらいます。
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孫康子さん

豊島岡女子学園中学・高校、慶応義塾大学経済学部を経て、現在総 合商社で財務を担当。

Lojim(以下L):今日は、孫さんの母校の豊島岡女子学園
中・高についてのお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

孫さん:よろしくお願いします。

L:まず、現在のお仕事について教えて頂けますか。

孫さん:新卒で就職した総合商社で財務を担当しています。具体的には、社内の稟議等決裁に対する意見を出したり、決算に関して財務的な視点から分析したり、会社の財務戦略に関する資料作りをしたりしています。

毎日細々としたことを地味にやっています(笑)。


L:豊島岡を志望した理由・入学を決めた理由を覚えていらっしゃい
ますか。

孫さん:実は受験をする直前まで豊島岡の存在を知りませんでした。小学校の塾がおもしろすぎて、その仲間たちとみんなで同じ学校に行くつもりだったので、みんなで目指していた第一志望以外はほとんど眼中になかったような記憶があります。


L:受験校は親御さんが決めたという感じですか。

孫さん:親や塾の先生とも話し合って、それで受験を決めた気がします。直前まで知りませんでしたが、いざ受験の計画を立てる時には私も色々と考えました。

豊島岡は入試が2日で即日発表ということで、ちょうど抑えによいということで受けました。周りの友人もそういう子が多かったです。今ほど、難易度も高くなかったですしね(笑)。

 3日に行きたい国立があったのですが、抽選の時点で行きたかった国立ははずれてしまったこともあり、2日で受験をやめました。いま振り返ると、小学校3年から塾に通っていたのに、2日で受験終了っていうのはかなりあっさりしてたなと思います。

L:難関校を目指していて、受験勉強は大変だった?

孫さん:いや全然。先生の授業がとても魅力的で特に算数が好きになりましたし、友達とも仲が良かったので遊びの延長でした。社会や理科などもチーム戦形式で授業をしたり、本当に塾に行くのが楽しかったです。小学校の時の塾友だちは今でも定期的に会っていてとっても仲が良いです。

L:孫さんが受験をした頃には、現在のようなシステムで結構勉強が大変な学校という評価があったと思うのですが、入学してみていかがでしたか。

孫さん:確かに、まじめな子が多いという評判はその通りでした。しかし、「厳しい固い学校」という評価は実際とは違いました。私の仲良しの子たちだけかもしれませんが、本当に先生たちとも仲が良く、学校では好き勝手にのびのびしてました。

いたずらばかりして先生にはしょっちゅう怒られたりしてましたが、毎日学校 に行くのが楽しかったです。

L:生活指導などが厳しかったりはしないのですね?

孫さん:そうですね。特に厳しい先生が1人、2人いるかなというところです。

自分が髪を染めたりピアスをしたりとかそういうのがなかったせいか、生活指導面で厳しいと感じたことがありませんでした。

ただ、学校の行き帰りに寄り道はもちろんのこと、隣にあるコンビニに寄ってはいけない、指定された鞄以外は持ってはいけないなど、そういう面で厳しかったかもしれません。学校のすぐ横にローソンがあっ
たので、みんな寄り道してましたけどね。


L:やはり勉強は大変でしたか。

孫さん;私は中学の時からずっと塾に行っていましたが、学校も勉強のシステムは塾並みですね。ただ、先生の姿勢が厳しい訳ではないので、学校に行くのが嫌になるなどということはありません。


L:あの課題の量に加えて、塾にも通われていたのですか。

孫さん:私は英語は中1から高3まで、数学と化学は高1から高3まで塾に通っていました。塾は友達に会いにいくものと思っていたので、ノートすら取らず、ひたすら他校の友達とおしゃべりしていて、親には申し訳なかったと思っています。


L:東京の進学校の生徒のよくあるパターンですね(笑)。

孫さん:そうですね(笑)。塾と学校の授業内容にあまり差はなかったです。数学の塾なんかマニアックな授業がおおかったのですが、分からない問題とかを学校の先生に聞いても、親身になって教えてくれたりしました。

私の同級生で東大に入った子たちはほとんど、特に塾に通っていない学校の勉強のみで頑張っていた子たちでしたね。
 

数学、英語は高3になるとレベル別に分かれるのですが、数学など、難しい問題を解く上のクラスは、塾より難しい問題を解いたりしてました。

高2からは文系、理系にも分かれ、理系は生物・物理選択に分かれたり、歴史も世界史・日本史選択に分かれたりしていて、受験用という面では良かったと思います。

塾に通わずとも、いろいろと補習をしたり、個人的にも先生が添削をしてくれたりしてくれるので、塾なしでも十分受験に対応できる学校だと思います。

L:あの膨大な量をこなさせる雰囲気作りは出来ているのですね。


孫さん:かなりきついカリキュラムですが、その他のイベントやそもそも先生たちの立ち位置が勉強一辺倒にならないようになっているんです。先生たちは本当にきつい課題を出してきますが、仲は良かったです。いまはどうか分からないですが。

L:豊島岡のイベントで印象に残っているもの、役立ったものはあり
ますか。


孫さん:今でも思い出に残っているのは中学3年生の時に1か月間くらい行ったカナダでのホームステイですね。

 もともと英語が好きだったのですが、早いうちに長い期間英語に触れあうことで、より英語が大好きになりました。

 

 社会にでて役に立った(?)ことは、朝の5分間運針です。 さすがに6年間毎日5分間縫い続けてたおかげで、裁縫は得意になりました。

 前に会社で後輩のズボンが破けた時に、縫ってあげたら、「普段がさつなのにできるんだ!」と驚かれました(笑)。

L:いざ、社会に出てみて、自分もしくは同級生を、他の学校の生徒と比べて違うなと思う点はありますか。

孫さん: 良いところ(?)は、みんな自立していて、我がの道を行くタイプの子が多いところでしょうか。悪い点はあまり見つかりません・・。

あえて言うならば、逆に良いところの裏返しで、我が道を行くタイプの子が多いところですかねぇ。

L:結構個性的な生徒も多いのですか。

孫さん:よくこんなに面白い、いい子たちが集まったなと思えるくらい私たちの学年は個性的な子たちでいっぱいでした。6年間本当に毎日楽しかったです。

いろんなジャンルの子たちがいて(ギャル、映画スターオタク、宝塚オタク、歴史オタク、マンガオタク、いたずらっこ などなど) それぞれがみんなタイプは違うけれど仲が良くて、最高におもしろかったです。

L:意外ですね。

孫さん:厳しいカリキュラムの中でも、飄々とやっていける子が多かったと思いますし、そうでないと厳しいのだと思います。


L:なぜ?

孫さん: 結構勉強を自らする子が多い学校なので、そんな中でも、「ひとはひと、自分は自分」と割り切って自分を持って、好きなことに色々興味を向けて勉強だけにならない子にとっては、とってもいい学校だと思います。実際私がそんな感じでした。

「言われ たことをそのまま何も考えずにやるいいこちゃん」タイプにとってはあまり向いてないと思います。勉強が大変 だったという印象しか残らないのではないでしょうか。


L:小学生も保護者も全体的にそうなってしまっている傾向があります。

孫さん:今でも先生たちとはお会いする機会が多いのですが、先生たちが口をそろえて言うのが、「昔のあなたたちのころみたいに元気でやんちゃな子たちがいなくなってつまらないわ」ということ。

 おそらく、受験の学校のイメージが強すぎて、そういう目的で入ってくる子たちが多くなって、真面目な固い子たちが多くなってしまったのではないかなと思います。

 学校は自分たちで雰囲気を作っていくものなので、入ってくる子たちの意識が変われば学校も変わってしまうものだと思うので・・。ちょっと悲しいです。

L:OGとして、現在の難関校化の傾向には色々な思いがあるのですね。

孫さん:ちゃんと自分を持っている子に向いてると思います。どんなところでも自ら楽しみを見つけて行けるポジティブな子に向いてるんじゃないかな。難関校になればなるほど、小学校の時の勉強面では成功体験が多いと思うのですが、そのような子供たちだけが集められれば上から下まで順位がついてしまう訳です。せっかく、の中学・高校時代ですから色々な事に目を向けて楽しんで欲しいですね。


L:やはり、学校内では勉強が出来る生徒と出来ない生徒の差は大きいのですか。


孫さん: あまり気にしたことはありませんが、実際には差もあっ
たなぁ。

高校3年生になると、数学、英語は能力別にクラスに分かれたりしていました。やはり、上のクラスと下のクラスでは解く問題なども違っていました。

ただ、勉強が出来る出来ないで尊敬されたり、そうでなかったりという雰囲気はありませんでした。尊敬を集めていたのは、別に先生や周りの目を気にせず、おおらかに過ごしてる生徒でしたね。


L:くだけた感じで学校生活を送ることも可能なんですね。

孫さん:そうですね。評判ほど厳しい学校ではないので、やはり生徒次第です。

質素な子もいれば、派手な子もいます。どこの学校でもそうだと思いますが、生徒の数だけ個性があって、うちの学校でも超ギャルとかいましたよ(笑)。

男子との交流も興味ある子は、中学のうちから、他校の文化祭に制服でいってリボンを変えてルーズソックスをはいていろいろ積極的に活動してました。


L:リボンまで変えるんですか。そうなるとかなり雰囲気がかわりますね。

孫さん:塾に行くのに思春期の頃はリボンを変えて行ったりしていました。私も、制服はあまり好きではなかったですね苦笑。

あとは、 校舎はすばらしいのですが、グランドが狭いことも残念ですね。

私は本当はあれば、走るのが好きだったので、陸上部に入りたかったのですが、実際はグランドが狭いこともあって、陸上部自体ありませんでした・・

L:今振り返って気に入っていた点は?

孫さん:中高6年間を共にした大切な仲間ができたことです。本当に最高の友達です。また、尊敬・信頼できる先生に出会えたことも大きいです。この学校に入ったおかげで出会うことができたので、本当に良かったと思っています。先生たちは、それぞれ個性的で、面白い人がたくさんいました。
 

いまでも、年に1回は学年全体の大規模な同窓会があって、先生や友達に会うと、すごくうれしくて、なんでも相談しています。

 

L:そろそろ寒くなって来て受験が迫ってきます。受験生にメッセー ジをお願いします。

孫さん:最近めっきり寒くなってきていますが、校長先生にいつも言われていたのが、「体が資本」ということ。

風邪を引いてはいままでの努力も泡となってしまうかもしれません。くれぐれも無理はせず、体調管理に気を付けてくださいね。あと、精神的にも追い込みすぎず、これで人生が決まるわけではない
といったように気楽な気持ちでテストに臨めたらいいですね。その方がリラックスできて、頭も良く働くのではないでしょうか。
中学受験は当事者であるお子さんはもちろんのこと、御両親も大変だとおもいますが、家族仲良く、頑張ってください!!!!
応援しています!!

(次回のお知らせ)
次回は、学芸大学付属世田谷中・学芸大学付属高校の卒業生 石井智也さんです。質問を募集しています。


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