vol.1
ロジム塾長
苅野先生
前編
後編
vol.2
ロジム
事務局長兼講師
野村先生
前編
後編
vol.3
ロジム講師
向井先生
前編
後編
vol.4
ロジム講師
坂原先生
   
番外編
ロジム
野村先生&
ぐんぐん英会話社長
谷口さん

   
   
 
  vol.1 <後 編>   <前編>はこちら  
学習塾ロジム 塾長 苅野先生 
 
苅野 進。東京都出身。文学部哲学科卒。小学校5年生、6年生の算数講義、および全体カリキュラムを担当。趣味は、マラソンと数学。著書「小学生からのロジカルシンキング」(ソフトバンククリエイティブ)、「頭のいい子が育つロジカルシンキングの習慣」(共著)(中経出版)。<詳しくはページ下に
そういったコミュニケーションの取り方の方法が、「ロジカルシンキング」という言い方になるのでしょうか。
苅野 「ロジカルシンキング」はいわば型です。大人向けの本を見ていただければおわかり頂けると思います。ただ子供たちには「型」と同時に「心」を身につけさせることに徹底的にこだわっています。私の気持ちとしては「心のこもったロジカルシンキング」です。

教えているのは、下図でいうとAにフォーカスしていますが、社会人としてもっと必要なものは、Bにもたくさんあります。愛嬌とか(笑)。Aだけではない、必要なものがいっぱいあります。だからその輪郭をはっきりさせることが大切なのです。

<ロジムで伝えたいもの>

別の言い方でいうと、ロジカルシンキングの「効用」と「限界」を知らないといけないのです。論理的思考を教えている塾ではありますが、その限界はあります。ただ、絶対的にロジカルシンキングの手法が必要なところもあるのです。その両方を知る必要がありますね。

 
いま何か社会で気になることはありますか?
苅野 「リスクと責任をとりたくない」という人で、今この国はあふれていると思います。  

自らが何もしないのに、政治家に「景気をよくしてほしい」と言っている人がどれだけ多いことか。その多さが国をダメにしているんです。

古今東西、政治家だけで、景気がよくなった国はありません。そんなことより、自分は何ができるんだと考えて動く人が増えないといけないのです。  誰かが、救ってくれるとか、助けてくれるのだという期待を持たず、自分で判断する、判断していく人が必要だと思います。

ロジムではある意味「助けない」教育をされている感じがしますが。
苅野 やりたくない子どもに、「やれ!」っていって、出来るようになることはありません。

サッカーのジーコ監督が言っていました。指導者が間違ってはいけないことが1つあると。 「やるかやらないか。主導権は選手にある」と、言うのです。

無理やり嫌がる子どもに力でねじ伏せても意味がありません。よく「宿題だとやるから、出してください」と言われますが、本当に子どものためにはなりません。 やれと言われたからという理由で流れ作業のようにこなしていただけで学力が身についていなかったという上っ面だけのコツコツ派がどれだけ多いか。 

自分で動いて、自分で結果を受け止めて、次に活かす。このサイクルに耐えられる思考力と精神的強さを身につけてもらいたいと思っています。

嫌いなものを好きにする方法ってありますか?
苅野 それって本人の目線では絶対に出てこない夢ですね。親と先にお金をもらってしまった指導者の思考です(笑) 嫌いになってしまったケースとして、「難しい」「解らない」ということが多いと思いますが、だいたい保護者や学校が学ばせようとする教材を見ると、本人にとってオーバースペックな場合が多いですね。9割ぐらいそうですよ。

僕が薦めているのは、子どもが読んだ瞬間、全体の7~8割はすっと入ってくるぐらい、理解できる中身や問題を選ぶこと。そうしないと、残りの2~3割を集中して理解することができないのです。8割ぐらい解かるもの選ぶと、小さい成功体験を積み重ねることで好きになることがありますね。そうすると難しいことへのチャレンジ精神も芽生えてきます。

また、「嫌いになるきっかけ」として、嫌なタイミングで強制する大人の存在も無視できません。「嫌なことでも我慢していればいいことがある」というのは好きなことの中に紛れ込ませなくてはいけません。サッカーが好きなら、つらいトレーニングに耐えることで成功体験を得られる可能性があります。しかし、本人が渋々やっている努力ってほとんどの場合報われません。苦しんでいる程大したことをやっていないからです。しかも報われなかった責任を押し付けた大人に負わせようとします。

学問そのものの輝きに魅了されて引き込まれていくという幸せな出会いは残念ながら少ないでしょう。それだけで相当な才能だといえます。そうではない普通のお子さんの場合は、今申し上げたような成功体験の積み上げによって、やれば前進できるという気持ちと姿勢を身につけることを目標としてほしいですね。

今日はどうもありがとうございました。

苅野先生<前編>はこちら

苅野 進  
出身地 東京都
現在のロジムの立場 塾長
教えている科目/役割 5年生と6年生の算数を担当しています。教材を作成したり、他の先生が作成した教材のチェックをしたりしています。
最近読んだ好きな本 大学のときに哲学科で難しい本をたくさん読みすぎた反動で、わかりやすい物語が最近好きです。というわけで最近は伊坂幸太郎や村上春樹、石田衣良が好きです。数学は数学科修士で学ぶ位のことまではわかるのでその程度の数学の本を読みます。
小学生に読んでほしい本 漫画ですが「スラムダンク」「風が強く吹いている」です。スポ根です。
見に行ってほしいオススメの場所 お薦めの本に共通しますが、何でもよいので一流選手の練習風景。小学生には「自分で歯を食いしばること」の大切さを知ってほしいです。相撲の朝稽古、名門高校の部活など人が本気で何かに取り組んでいる姿を見てほしいです。
尊敬する人物 母親です。昔の人で学は全くないけれど、思いやり、心配り、腰の低さで人に不愉快な思いをさせることがない人です。本人は意識してはいないと思いますが、こういう姿勢は非常に価値のあるものなのだなと思います。
いま熱中していること ランニングと相変わらず数学です。ランニングは今年中になんとか3時間を切りたい。数学は日々の小さいけれど不可欠な楽しみです。
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