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学習指導・勉強方法 アーカイブ

2008年10月29日

身に付くのは3回目位から

6年生クラスで、夏休みから2学期にかけて扱った問題のうち、正答率が低かったものだけまとめてテスト形式で演習している。予告済みだったが一部出来が悪い。
算数は、一回目に間違えた問題は、解説を聞いたり、解答を見たりしただけで二回目にすぐ出来るということはほとんどない。解答・解説によって一旦わかったつもりになるのだが、いざ自力で最初から最後まで解くとなると大変なのだ。とにかく、自力で解けるようにしっかりと解き直すことが大切。
入試が終わった後、問題をもって生徒たちがロジムに戻ってきますが、「やったことがある問題ばかりだった」と驚きの声が多い。新傾向の問題など手詰まりの状況だからあたりまえなのだが、いざ採点すると細かいミスが多いことがある。これが合否を分けるのだ。
卒業後、参考書を寄付してくれる生徒は多いが、「繰り返していないので綺麗なものが多い」脇見運転タイプはあまり結果が良くない。
良い話としては、宿題や個別の課題を一番頑張って来た生徒が一気に伸びてきた。学問に王道なし。


2008年10月23日

ひたすら速く速く音読してみる

気がつけば10月も終わりに近づいてきましたね。竹村です。

ところで、低学年の文章の読めない子供に個人的におすすめしたいトレーニングがあります。
といっても特に珍しい方法ではなくてただの音読です。
音読なのですが、常日頃言われる「心を込めて」読む音読ではなくて
「ひたすら速く」読んでみる音読。

読みながら意味を考えたり、登場人物の気持ちを想像したり、抑揚をつけて感動的にアレンジ
することは一切しないで、ひたすら速く速く文字を音声化してみる。

やってみると分かりますが、意外とできません。きちんと発音できていなかったり、
同じ行を二回読んでしまったり、きるところをまちがえてしまったり。

竹村の勝手な持論ですが、まだ文字を読む作業に慣れていない低学年の子では、
大体この作業のスピード=本を読めるスピード=文章を理解できる力、だと思います。

ちなみに、この方法を応用して新聞等でやってみると、意外と大人でもトレーニングになります。
外国語(もちろん発音がおかしくならないように注意して)でやったりすると、短い時間でも
なんだか脳みそがざらざらした雑巾になってしまったような疲労感に襲われます。

現代人なら大人になるまでに皆できるようになってしまうので軽視されがちですが、
本来文字を理解する能力は、生来備わっている会話の能力とは全く別の、
訓練によってしか身につけられない高度な技術です。

文章に書かれている内容を理解する、与えられた情報から自分なりに物事を推測
してみる、といったことはそういう技術がきちんと備わった上で初めて可能に
なります。

是非一度試してみてください。競争にして、よーいどん、で始めてみたりするとなかなか
盛り上がります。


2008年10月20日

成功体験

苅野です。現在、午前5時10分。先日の午後8時30分頃に教室にふらっとやってきて、数学の問題を解いていました。調子が出て来た時に、まとめて一気にやってしまうのが私の勉強法です。
というわけで、「勉強法」のお話。
ちまたに溢れる様々な勉強法。書店にも受験に限らず成功者の語るノウハウ本が数多く並んでいますね。様々な勝利の方程式とやらが掲載されています。
こんなに成功のノウハウが溢れているのに、なぜ成功者が再生産されていないのでしょうか。受験に限って言えば、なぜ合格者の真似をしても合格できないのでしょうか。なぜ、合格者の真似をさせても合格させられないのでしょうか。
私は、塾の講師になって初めて受け持ったクラスの生徒に、1年間私が受験の時に使った教材、スケジュールをそっくりそのままなぞらせました。結果、東大専門塾の御三家+有名国立高の生徒が全員落ちました。本郷の掲示板の前で気絶しそうになったのを覚えていますが、それ以上にテストの出来にショックを受けたことが印象に残っています。やったはずのことが出来ていない、身に付いていなかったのです。
プレイヤーとしての成功体験は、必ずしも他人を成功に導くためのノウハウの元にはならないのです。
なぜか。それは簡単です。プレーしている人間が違うからです。
記憶力、モチベーションの源泉など学力を構成する様々な要素が異なっているからです。
塾には、「これが出来れば受かる」というデータはあります。これに関して言えばほとんどの塾が大差ないものを持っているのが現状でしょう。更に踏み込んで、「以前、あなたに似たこんなタイプの生徒がこのような勉強法で成功した」というデータを持っている塾や講師もいます。これは、生徒の状況を勉強法まで含め、ある程度の期間管理することが出来る規模、体制の塾にしかないものですが、それでも取り扱い注意の情報です。週に25時間以上きっちりついているロジムの講師ですら、生徒の能力の新たな面に日々驚かされている位ですから、「似ている」の精度はまちまちです。鵜呑みにせず、効果をしっかりと検証する必要があります。
「これが出来れば受かる」というものを、どのようにして身につけるのか。細かく言えば、「これを覚えれば受かる」というものを、どのようにして覚えるのか。これは、自分で見つけるしかないのです。少なくとも、数多くの成功体験から、どの例が自分に合っているのかについて、自ら試して、検証し、修正して採用しなくてはいけないのです。
自分で勉強法を決定するのはとても勇気がいることなのですが、それが一番効率的です。
自分は、漢字を何回書かなくては覚えられないのか。どれくらいの間隔で復習しないと忘れてしまうのか。常に課題を持って、方法を選び、そして検証する。その繰り返しだけが、自分に最も合った、最も効率的な勉強法を見つける道なのです。


2008年10月01日

「読んで分かる」と「解ける」の差

数学の問題集を解いています。面倒くさくなると、例題などは読むだけで飛ばしたくなりますね。
しかし、実際演習問題に取組んでみると、細かいところで「あれ、この先はどうするんだっけ?」と理解の甘さが露呈されます。
これは、授業にもいえることで、とても分かりやすい説明を聞くとそれだけでわかった気になりがちです。
添削のコメントも同じです。必ず、自分で紙にきちんと解答を作れるようになるまで、油断せずに!面倒くさがらずに取組みましょう。
保護者の皆さんは、お子さんが授業からかえってきたら、一つでも良いのでその授業の内容について説明してもらって下さい。良い復習になりますし、授業の理解度がはかれます。
更に一歩進んで、問題を作ってみるのも良いでしょう。優秀な生徒は必ず一度はやっている作業です。
私も講師としてテキスト作成や問題作成をするようになり、算数・数学が格段に出来るようになりました。


2008年09月18日

「できない」って言わないで

こんにちは。竹村です。今日は普段授業をしていて
気になることをひとつ。

低学年のお子さんに多いのですが、授業中与えられた課題に対して
一目見て"難しそうだな"と判断するとすぐ「できない!」と
取り組むことを放棄してしまうのを時々目にします。
普段どちらかといえば「できる子」でほかの子よりずっと早く問題
を終わらせてしまうようなタイプの子にもこういったケースは多くあります。
「まずはやって。できない問題ならやらせないから。」とよく言うのですが、
こういった態度は本当にもったいないと思います。
授業で吸収できるものが少なくなってしまうし、その子の自尊心を
傷つけてしまうと思うからです。

「わからない」ことを「わかる」ように、「できない」ことを「できる」ように
なってもらうことが授業の目的です。そのため授業中には比較的難解な問題を出すこともあります。
それが解けないこと自体には何の問題もないのですが、解こうとしない場合には
その後の解説を聞いても意味が分からず、結局何も学ばずに帰ってしまうことになります。

確かに難解な問題に向き合うのはあまり楽しいことではありません。「できない」と一度
決めてしまえば、一瞬苦痛から開放されて楽な気分にはなるでしょう。でもその代わり、
その子は自分の中で自分の評価をひとつ下げてしまいます。何度もそれを繰り返すと
どんどん自分に自信が持てなくなっていって、いつのまにか自分は「できない子」だと
思ってしまうでしょう。僕は私は「できない子」だからこの問題はできない。この問題が
できない自分は「できない子」だ。「できない子」だからこの問題は…。悪循環です。

「できない」と口にする前に、まずはとりくんでみる。当たり前のことだけれど、
当たり前のことだからこそ、心がけてほしいと思います。


2008年09月15日

÷という記号

日本の教科書以外ではあまり見ない記号だと思うのですが、実際はどうなのでしょう。
世界的に非常に多いのは / という記号でしょうか。1÷2を1/2と書く感じです。
分数に見えるのですが、そもそも割り算と分数との強い関連性を考えると納得しやすいと思いますね。
しかもこちらの方が、どちらが分母でどちらが分子かも間違えにくい。
/ で統一してもらえないだろうか。3、4年生に割り算、分数を教える時期になると強く思います。
ちなみに÷という記号も、よく見ると分数に見えますね。


2008年09月11日

「ざるそば」式記憶法

竹村です。

ピーターフランクルさんという方がいます。なかなか
有名な方なので知ってる方も多いと思うのですが
ハンガリー出身の数学者で、大道芸人で、またハンガリー語も含めると
12ヶ国語を話すことの出来るすごい人です。
モットーは「頭と心に財産を持つこと」。

いくつか一般人向けの本も書いていらっしゃるのですが、
今回はそのひとつ、岩波ジュニア新書の『ピーター流らくらく学習術』
のなかから気に入っているお話を紹介したいと思います。

記憶法についての一節なのですが、以下に抜粋してみました。

『ぼくは、人間の脳は、ざるそばの「ざる」のようなものだと思います。
つまり、ざるは粒の小さいものを通します。水は流れてしまいます。・・・
一方、長いそばは、ざるの上にとどまって、落ちません。だから、
そばを食べることが出来ます。
 これから言えることは、物事を小さな単位で覚えるのは、なかなか難しいということです。
物事を長く、大きくすればいいということです。ひとつのことを、
いろいろのものと関連させれば覚えやすくなります。
 ・・・・・・ある人の顔を覚えたいという時には、Aさんの顔と似ている、でも
目が少したれ気味だとか、鼻はBさんと同じだとか、関係させるのです。
さらに、会ったときは五月の真ん中で、日差しががひじょうに強かったとか、
どこの道であったとか、とにかくかなり長い話をその人のまわりにつければ、
それは完全に脳から落ちてしまうことはないのです。それで引っ張りだすことが出来るのです。』

このあと、フランクルさんはその逆の例として単語帳を一日10個ずつ覚えようとして
失敗した経験の話を書いています。

物事を記憶するときに既存の知識と関連付けて覚えると覚えやすいよ、とは
昔からよく言われていることですが、それをざるそばに例えて説明する
なんてなんとも面白いですね。難しい専門用語を使われるよりも
よっぽど印象に残りやすい。

そんなわけで竹村は、物事を覚えようとするときはよくざるそばのこと思い出します。
よかったら今度何かを覚えるときにざるそばのことを思い出してみてください。


2008年09月10日

誤診・誤処方

「計算ミスが多くて」「図形が苦手で」・・・
などご相談を受けることがありますが、実際にテストの問題用紙に書き込まれているものを精査してみると違った診断結果となることは多いです。
本当のミスなのか、実は全く理解出来ていないのか、そもそも問題自体が高度なひらめきを要求するもので対策がとりにくいものなのか。
誤処方までされていると、時間的にも体力的にも大きなロスです。通常のカリキュラムと宿題以外にご自宅で何らかの課題を設定して取り組む場合、是非一度ご相談を。


2008年09月08日

さあ新学期

4年生も含めて、とても大変なカリキュラムになってきます。
とにかく休まないこと!休んだ人は休まなかった人に遅れをとります。その部分が苦手になります。
休んでも誰かがなんとかしてくれて、追いつける。この考えは甘い。休まない人の立場になってみればわかりますよね。単純な話です。


2008年09月07日

効率的に

5年生ももうすぐ全ての勉強内容が終わります。6年生はいよいよ試験が身近に感じられる時期です。
さて、問題演習は効率的に行いたいですよね。つまり、最小の力で最大の効果。このために意識しなくてはいけないことは、「同じ問題に取組むことを嫌がらない」ということです。
小学生学習範囲で出題できる内容には限りがあります。中学入試に関わっている人間なら誰もが気づいていることですが、「新傾向」の問題というのは、実はほとんど見当たりません。灘、開成、筑駒にしても、焼き直しがかなりの部分で見受けられます。
このような状況ですから、どの塾のカリキュラムも通常のテキストでほぼすべての必要項目を網羅しています。ですから、一度取組んで出来なかった問題に取組んで穴をつぶしていくことが最も効率的なのです。さらっと見た過去問に驚いたり、噂を聞いたりしただけで、通常テキストに穴がある状態で~中に特化したテキストなどに取組むのは実はかなり非効率。学校対策としては、ボリュームと時間のバランスに慣れる程度のことしかなく、それぞれの問題は通常テキストの問題で合格点を確保できますし、基礎の弱さを、その学校特有の難問で挽回しようなどというのは愚の骨頂です。
出来ない問題を出来るようにするなら、まずは一度は取組んだ問題から。効率を考えれば当然なのです。


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