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学習指導・勉強方法 アーカイブ

2008年09月03日

知識と応用力

全国学力テストの結果によると、最近の小学生は知識はあるが応用力がないらしい。
あたりまえだ。知識レベルと応用力レベルが同じであるはずがない。まずは知識を覚え、その覚えた知識を元に運用力が養われるのだから。

この知識と応用力について算数に絞って少しお話を。
「算数の力」は大きく2つに分けられるだろう。
1つはアルゴリズムを知っているかどうか。アルゴリズムとは、「こうすれば、・・・が算出できる」というルールのこと。証明の要らない公理(一周は360度など)だけでなく、証明なしで運用しても差し支えのない公式などを「覚える」力が求められる部分。先人達が非常にシンプルな形に落とし込んでいるので、我々は結論だけ覚えておけば最低限の問題には対応できる。
もう1つは、ごく一般的な事象の中にアルゴリズムを見つけ出す力。1+1=2というのはアルゴリズムとして「覚える」範疇にあるが、「アメ1つとりんご1つで合わせていくつ?」などという極めて一般的な問題を解くには、使用するアルゴリズムを覚えるのとは次元の違う「抽象化の能力」が求められる。

どちらが大切なのかという話はあまり意味がないのでここではせず、最近頻繁に寄せられる質問と関連付けて考えてみる。

「算数の勉強は・・・年生まで終わっているのだが、その学年に入れてもらうことは可能ですか?」

ロジムだけでなく、多くの塾で受ける質問だ。
実は、この「・・・年の勉強が終わっている」という意識は、非常に危険なものである。
この「・・・年の勉強」とは、その学年のテキストに書いてあるアルゴリズムを知っているに過ぎないことがほとんどである。面積の求め方を知っている1年生や因数分解の仕方を知っている1年生もいるが、これは「覚える」力があることを証明するものであって、総合的な算数の力、とくに2番目のアルゴリズムを発見するという所謂応用力があることを証明するものではない。
しかし覚える力を発揮し、一般的に学年ごとに設計されているカリキュラムで実際の学年を飛び越えていると本人も保護者も「算数が出来る」という意識が高まっている。特に低学年時は、1ヶ月も集中して取り組めば1年分の先取りは可能で、低学年時の1年分は大きな差に見えるのでなおさらである。実際、割り算を知っている子と知らない子を同じ教室に入れて、割り算の問題を解かせれば前者は天才児に見えるだろう。3年生の勉強をしている2年生の多くは、世の中の2年生の勉強をしている2年生全員より「頭が良い」と勘違いしやすい。
この高揚感は、後に大きな負担を親子に強いる場合がある。

5年生以上になってくると、算数の勉強から「アルゴリズムの習得」という部分が少なくなってくる。すでに知っている事実を、速さや容積など一般的な事象に応用する問題が主体になってくる。上記でいう2番目の能力が問われるようになるのだが、このことは子供にとって非常に酷なことである。
まず、個人個人で非常に大きな差がある。この差を埋めるのには非常に時間がかかるし、小学生の確保できる勉強時間では埋まらないことも多い。割り算を知らない子供が知っている子供に追いつくには1日で足りるが、「0、3、8、15、24・・・」という数列を見て規則に気付けない子供が気付けるようになるには相当に時間がかかる。

さらに注意すべきは、1番目の力は2番目の力を保証していないという点である。覚える力を発揮して、トップを走っていたレースとは、違う能力で突然順位付けがなされるのである。
それで抜かれてしまったのであれば、そこからがんばればよいという考えもある。しかし、実際に抜かれていく現実に対して、幼い子供も保護者も精神的に耐えられない場合がほとんどである。
「前は算数が出来たのに」「低学年から一生懸命頑張ったのに」
様々な思いが、親子を追い詰める。

私は、小学生特に低学年が勉強に関して「競争」の意識を持つのは非常に危険だと考える。「競争」をうまく活用できたときの効用よりも、悪く作用したときの損失のほうが数倍も大きいからである。子供が好奇心から希望する先取り学習は奨励されるべきものだが、保護者は、子供に先取り=追い抜きではないことを強く意識しなくてはいけない。(ただ、最近は保護者が、先取り=追い抜きだと勘違いしていて、子供に大きなプレッシャーを与えていることも多い。)

そして低学年時でも、さらには受験が目前に迫っても、「自ら試行錯誤して考える」という発見的学習にじっくり取り組むことで2番目の能力を鍛えることが大切である。アルゴリズムの先取りよりも、何倍も忍耐力が必要で時間もかかるし、目に見える効果は得にくいがそれしかないのである。

算数はスポーツに近いとよく言われる。サッカーにたとえてみると、1番目の力は「ルール」「パス・ドリブルなどの基本動作」「基本戦術」を覚える力。2番目は「実際の試合の場面場面を打開する力」である。
ルールを覚えるのがはやかった選手が良い選手かというとまったく違う。1番目の力がそれなりの時期でも、やはり試合をして2番目の力を同時に養うことは重要なのである。


2008年08月13日

長い長い夜に

このタームには、「立体図形」と「場合の数と規則性」という講座があります。どちらも苦手とする生徒が多いのですが、これに「整数の性質」「平面図形」を加えた4分野は小学生の算数、さらには初等数学において花形分野です。いずれも、自分で手を動かし、試行錯誤をしなくてはいけません。だから苦手とする生徒が多いというのは悲しいことですが、これらにしっかりと取り組むことなくして算数や数学が得意になることは絶対にないと言えるでしょう。せっかくの休みです。1問にじっくり取り組んでみてはいかがでしょうか。
DSCN1125.JPG
立体図形の授業風景。CGを使うと切り口の変化などは、実際に切る以上にわかりやすく観察できます。

プレゼント問題
10を2の2乗で割ると余りは2の1乗
100を2の3乗で割ると余りは2の2乗
1000を2の4乗で割ると余りは2の3乗
10000を2の5乗で割ると余りは2の4乗
(2の〜乗とは2を〜回掛けたもの。2の4乗は2×2×2×2=16)
なぜこのような規則になるのだろう?


2008年08月11日

繰り返し繰り返し

6年生は昼、夜2回の算数の問題演習が行われていますね。すでに小学生として必要な知識はほぼ理解している状態になっているのですが、問題を解く力というのは自分の手を動かして解ききって初めてついてくるものです。解説も同じような内容が繰り返されているのですが、問題を読んで「またあの問題か。いつも先生が、・・・っていってるやつだよな。」とすこしうんざりしてきたら力がついてきた証拠です。小学校の算数としては総まとめの時期ですが、数学まで含めればまだまだ基礎段階。いい機会ですから、集中してトレーニングしましょう。
余談ですが、中学入学後もこういったトレーニングは必要ですよ。受験が終わるととたんに反復トレーニングを馬鹿にする生徒&保護者が多くなりますが、数学でこそこういったトレーニングは必要です。ファインマンさん曰く、大学で壁にぶつかる生徒の多くがこういったトレーニングを怠っているからだということです。学問は修士を終える位まではすべて基礎。しっかり取り組みましょう。


2008年08月09日

夏期雑記

夏期講習も半分くらいが終了しましたね。
生徒の皆さん、保護者の皆さん、お疲れ様です。

来週もてんこ盛りに授業がありますが、暑さに負けず、
そしてクーラーに負けず、勉強をたのしめたらいいなと思います。

さて、

特に3年生以下なのでしょうが、

・音読をするときに読めない漢字を「習っていない!」と開き直らないこと。読めなかったらまず予想してみる。文脈を把握しているかどうかという観点でもこれはとても大事なトレーニングです。
読めない漢字を見つけては「習ってない!」となぜか半切れの生徒がいますが、このクセを直さないと絶対勉強できるようになりません。

低学年の夏期講習で、未習の漢字をめげずにどんどん文脈から予想して読みすすめてくれる生徒に出会いました。彼は伸びるだろうなあと思って、上記書き留めました。

・ほとんどの生徒に当てはまることですが、
国語で問題文本文を読む以上に、設問をじっくり読むクセをつけたいところです。
「なにを聞かれているのか」の把握がまだまだ不十分な生徒が多いかなという印象です。

家庭学習の際にも保護者の皆さんが、安易に問題文で聞かれていることを説明しないようにしてください。


設問を読み違えて、解答を間違い、そして書き直すという(煩雑な)プロセスを繰り返すしか、
設問の読み込みを軽視するクセを直す方法はありません。



2008年07月10日

眠いときの勉強には意味があるのか?

お久しぶりです。竹村です。
今日も前回同様ごそごそと本棚からひっぱてきた本から
アイデアを借用して書かせていただきたいと思います。

情報元は岩波新書で堀忠雄さんという方の書いた「快適睡眠のすすめ」と
いう本です。題名のかるさに比べると中身は結構まじめで学術的な内容が
書いてあるので、高学年でもちょっと飽きてしまうかもしれませんが、
興味のある人には面白いかも。

テーマは
「眠いときの勉強には意味があるのか?」

一日の中には眠くなりやすい時間帯とそうでない時間帯があります。
一般的な人なら午後2時ごろが一日の中でもっとも眠くなりやすい時間帯です。
3時のおやつ休憩とか、スペインのシェスタの習慣などもたぶんその誕生に
このリズムが一役買っているものと思われます。
これに備えてお昼のころに20分程度仮眠を取っておくと、午後の眠気を
かなり軽減することができます。
ちなみに、20分を超えてしまうともう一度目が覚めるのに時間がかかったり、
夜眠れなくなってしまうのであまり良くないとか。

そこで、テーマの眠いときの勉強に意味はあるのか?ですが、
実は計算などの作業において実際の作業効率は眠気の高いときでもそこまで
変わらないそうです。

ところが、眠気の強いグループの人(仮眠なし)と弱いグループの人(仮眠あり)
を比べてみると実際の成績の差以上に自己評価の差が現れます。

つまり、眠気の強い時に作業している人たちは、実際にはそこそこ出来ているときでも
「だめだ。。。。全然問題が解けない。もうだめだ。」っていう
ネガティブな気分になってしまうのですね。

勉強はやっぱり出来る実感がある方が楽しいし、せっかくならいい気分でやりたいですよね。

とは言うものの、そんなこと言ったって、平日に20分仮眠なんて取れるわけないじゃないか、学校なのに。
と思う方が多数だとおもうのですが(正直竹村もそう思います)、家できちんと夜早く
寝れば、少なくとも午前中の眠気についてはかなり予防できます。

高学年にもなると夜更かしの機会も増えてしまうかもしれませんが、睡眠時間は
大切にしてくださいね。

それでは皆さん良い夜を。


2008年07月01日

こんな勉強法は?

 こんばんは。今日もひとしきり夜の遅い私でございます。先週のあいつの話をしようかと思いましたが、何だか身内の恥をさらしまくるようで気がひけたので、今週は勉強のやり方ねたで一つ。

私の六年生のときにやっていた社会の勉強法です。

 切り口でいうと、単なる県別の暗記(というより自分なりのチェック)です。でもってやり方はというと、とにかくその県で思い出せることをひたすら書きだし、関連知識もそのまま書き出すというものでした。かなり荒っぽいやり方ですが、いろいろな知識を関連させるという意味では結構有効な方法だと思うので、ご紹介しておきます。

 と思って静岡県でやってみたところ、ねたが多すぎてたいへんでしたので、群馬県あたりで行きますね。一応順番はそれなりにあるのですが、なんせ途中で思い出すものもあるので、あしからずです。では呼吸を整えて…

前橋・高崎・関越自動車道・上越新幹線・越後山脈・からっかぜ・屋敷森・浅間山・嬬恋村(高原野菜)・キャベツ(愛知1位)・コンニャクイモ・太田の自動車(豊田・横浜・広島府中町・浜松オートバイ)・桐生の織物・関東内陸工業地域(機械50%くらいで化学が少ない)・岩宿遺跡(黒曜石・相沢忠洋・野尻湖・ナウマン像・大森貝塚・三内丸山・登呂・吉野ヶ里)うーんと…
富岡製糸場(ここまで飛ぶかなあ?・殖産興業・富国強兵・そういえば五か条のご誓文・五傍の掲示・文明開化、中身は四民平等・版籍奉還・廃藩置県・徴兵令・地租改正・郵便制度・教育勅語・新橋横浜の鉄道・官営工場)・最近はブラジル移民多し(自動車工場関連・同静岡)

 とこんな感じです。ときに歴史に出てくる回数が少ないようですが、本当でしょうか?と思ったらちょっと調べてみるなどしていました。所用時間は寝る前10分くらいですかね。誰か群馬県がらみでこんなのあったじゃないですか!!という人がいたら教えてください。

 まあ、20-30個出てくれば、まあいいかという感じで寝ていましたが、作業のコツとしては、地理・歴史の箱に分けて、地理は交通・地形・農業・工業・資源、歴史は時代ごとの事件であてはまりそうなのをなぞる、という形でした。
 5年生は地理に関しては、実はもうできますし、6年生は同じことができる時期です。もちろん、これより前に基本の定着が大事ですが、ちょっと自信のある県で試してみてはいかがですか。やってみたら、是非見せてくださいね。    む


2008年06月25日

算数・数学は役に立つのか?

先日、「世の中には1で始まる数が多い」というブログをアップロードして、昼ご飯から戻った所、ホワイトボードに向かって向井先生と野村先生が議論しながらその証明に取り組んでいました。私も説明を求められ多いに時間を消費しました。
「算数・数学は何のために勉強するのか?」という疑問(というか不満)を口にする子供の話をよく聞きますが、現実問題として小学4年生レベルまでの勉強は日常生活で必要ですが、それ以降はなかなか理由が見つかりません。論理的思考力?ビジネスに必要な数的センス?色々な効用が噂されていますが、実際の所はどうなのでしょう。経験則で言えるのは、小学生レベルで「〜のため」という動機付けで渋々勉強したものなど、社会に出て武器になる域まで達することは決してないということです。
必死に説得するより、必死に楽しませる。楽しみを見いだした人間はやはり強いと思います。
今週の一問って大人の購読者も多いんですよね。こういったものにチャレンジしたくなる、つまりチャレンジする楽しさを知っている人は結局優秀と言われるレベルに達するようです。


2008年06月18日

抽象的に考える力

苅野です。現在午前3時13分です。
眠い目をこすりながら、数学の本を読んでいました。
久しぶりに自分の知らないことに腰を据えて取り組んでいます。
で、感じたことをつらつらと。

算数、数学って抽象的というか抽象化の学問です。具体的な実験結果を集めなくても、抽象化された記号をルールに従って扱うことで厳密な結果を得ることができます。アメが5個でも5、チョコが5個でも5、さらにアメ2個とチョコ3個でも5というのは最初に触れる抽象化ですが、具体的な色や名前などは無視することによって、限られた記号に置き換えて考えることが可能になるのです。

ただ、この抽象化というのは、便利ですが、やっかいなものでもあるんですね。上記の数え上げを学んだときに何か違和感を覚えてしまった人も多いでしょう。(当時の記憶はもうないかな?)このやっかいさとは何なのか。それは元となっている具体的なものを取り扱った経験が少なかったり、全くない状況では抽象化された記号を取り扱うのが難しいということです。

500×3/5などという計算の答えを求めることは、3/5という記号によって抽象化された「5つに分けたうちの3つ」という具体的な作業をしっかりと意識出来ていなくても可能ですが、□×3/5=300の□を求めたり、文章題になってくるとやはり3/5という記号と「5つに分けたうちの3つ」という具体的な作業をきちんと結びつけることができないと対応できなくなってきます。なにより、直感的に扱えないのでスピードが遅くなりますね。

どうすれば抽象的な記号に具体的なイメージをしっかりと結びつけて、直感的にスピーディーに扱えるようなるのか。それには、本当に馴染みのある具体的なイメージとの関連性をしっかりと確認しながら学ぶこと。そして、とにかく毎日触れることです。

前者は、子供の人生経験値によるのでどのような事例が良いのか子供の反応を見ながら色々と提示してあげるしかありません。後者は、力業ではありますが毎日触れていると自分なりにその扱い方が分かってきますし、おぼろげだった記号の意味に輪郭が出てきます。

自分の理解のぎりぎりの所にある数学を勉強していると、集中してどっぷりつかってそしてイメージと記号を行ったり来たりしていないとすぐにわからなくなってしまうんです。1日空いてしまうと、もとの状態に戻すのに数時間かかります。

割合や比、数の性質など高学年になると抽象度の高い分野が多くなりますね。とりあえず毎日簡単な問題でよいので取り組んでみましょう。毎日というのがポイントです。簡単な問題を繰りかえすだけで、本質がだんだん分かってきますから。

それでは。フランス対イタリアが始まっているのでこの辺で。あー、リベリが交代。フランスピンチ。


2008年06月10日

学びて時にこれを習う また楽しからずや

こんばんは。またまた、論語から始まってしまいましたが、何でしょう?別に筆者が論語大好きというわけではないのに、なぜかピンとくることばが多いのも事実ですね。

論語に限らす、中国の格言は故事成語も含めて、なぜか親近感がわくものが多いのは、日本が中国の思想を多分に受けてきた歴史があるからかな、などと思ってしまいます。

横文字の格言はいまいち、ピンとこないんですよね。

というわけで、タイトルは今回の5年生のテストを受けての筆者の所感でございます。「何かを学んだあと、時々そのことについて考えてみる、何と楽しいことではないか!!」という意味です。付け加えれば、「学びて一切これを放置す、また苦しからずや」というところでしょうか。

学問を楽しいと思う瞬間の1つが、自分がわかるようになっている実感です。そしてその一番の近道は復習なのでしょう。一度見たことあるのに…という思いは結構辛いものですが、皆さんその落とし穴にはまってしまいがちですね。

実は人間の記憶のメカニズム上、記憶の薄れ具合は、日がたつにつれて、2次曲線的に大きくなっていきます。1日目に100のうち10忘れるとしたら、2日目は40忘れて、3日目には印象に残ったもの以外すべて吐き出してしまうということです。あらら、大変ですね?

それを防ぐには2回目の学習をいかに、早く取り組むか、詳しいデータは忘れましたが、1日以内の反復学習で、1週間で記憶の保持率が50%くらいになるそうですよ。暗記が苦手な皆さんは是非、お試しあれ、です。

それと大事なことをもうひとつ。復習はノートや教科書を調べることではないですよ。ともすれば、ノートを見てわかった気になってしまいますが、大間違いですね。むしろ、ノートを見ずに、何の勉強したかなと思い返すことです。

寝る前に、算数なら出てきた例題の解き方やポイントを頭の中でなぞってみるとか、社会や理科だったら、予習シリーズの内容をどういう順番で話したかなと思い出してみるとか(気になったら調べちゃいますね、それもいいかと思いますよ。)、国語なら新しく知ったことばや、自分のテストの間違えた字を思い出してみるとか、たった10分、これもお試しあれ。                         
                                                  む


2008年06月07日

親は添削プリントを手伝うべきか

こんにちは。野村です。最近いろいろありロジムって何のためにあるんだっけと考えたりします。

で、今日は以前から講師たちで一度ブログに書こうと話していたテーマについてです。

最近、「親は添削プリント手伝ってもいいのですか?」という質問をいただきます。
また、同時に「これはあんまりでしょう」というレベルで大人の「解答」が提出されることもあります。

ヒントをうまくだせる保護者さんもいれば、時間的に忙しくなかなか難しいという方もいらっしゃると思うので一概にお答えするのは難しいのですが・・・・

端的な回答としては、
「解答を教えるようなことはせず、添削プリントの提出の仕方を教えてあげてください。」
というものにつきます。

(添削プリントの提出の仕方というのは、下記QAの3番目です)


Q「添削プリントは親が手伝ってもいいものですか」
A「ヒントをだすというのはかまいません。ご協力ください。」

Q「どこまでヒントをだせばいいかわかりません」
A「それがうまくできれば塾はいらないと思いますので、ヒントはヒントがうまくだせればで結構です。ロジムは保護者様にそれを求めているわけではありません。」

Q「親が手伝わなければまったく添削プリントがすすまない。どうすればいいか。」
A「まず大事なこととして、そもそも添削プリントは一回の往復で終了するものとして設計してはおりません。3回前後の往復を前提として設計しております。
わからない問題については、『ここまではわかるけど、それ以降はわからない』『この知識を使うのはわかるけど、それ以上はわからない』等記入して出してもらえれば講師からヒントが書き込まれます。とにかくためたり、白紙にせずに、何かしらを書いて提出し、講師のヒントを引き出すというのが添削消化のコツです。」

親が解いた問題を再現している解答はわれわれが見れば瞬時にわかります。
生徒が苦労しているのを見て解答を示してしまうのはわからなくもないのですが、添削「往復」という学習機会を親が奪っているという側面も存在します。

「親が子供に勉強を教える方法」はいろいろあるでしょうが、

単に解答を示す、解法を示すというものではなく、

「わからなくてもわかるところまでは書いて提出する」「プリント上で先生とコミュニケーションをとる」
という学習姿勢を是非この機に
お子様に教えていただきたいと思います。

解答を教えてしまい、その場の解決をはかろうというのは、正直親がラクをしているという側面も否定できません。


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