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今週の1問 アーカイブ

2007年12月11日

【今週の1問】周期がうまれる仕組みを考えます。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

12月10日号の問題です。保護者の皆さんも是非。

(問題)
1,1,2,3,5,8,13,21,・・・・・・
上記の数列を1000番目まで並べたとき、一の位が7である数は全部でいくつあるでしょうか。

(解答)
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(解説)
本問のような長大な周期はここ数年の流行です。
周期が数十ともなると、自分の書き出しに不安を覚えますし、見落としがちにもなります。

ポイントは周期を生み出す仕組みを考えることです。

本問では周期を
1,1,2,3,5,8,3,1,4,5,9,4,3,7,0
7,7,4,1,5,6,1,7,8,5,3,8,1,9,0
9,9,8,7,5,2,7,9,6,5,1,6,7,3,0
3,3,6,9,5,4,9,3,2,5,7,2,9,1,0
と整理して考えます。

実は11から始まった数列の途中に77が出てきた時点で周期が計算可能となります。
この数列ははじめの2つの数によって全体が決まります。

つまり1行目の最初の2つの11が7倍の77となった2行目の数列は1行目の7倍の数がならぶのです。
このように考えると3行目は77を7倍して99(7×7=49の一の位の9です。)
4行目はさらにその99を7倍して33、そして5行目は33を7倍して11となり、周期が判明します。

このように周期を書き出しによって視認するだけでなく、
数の並びの仕組みに注目して計算するという姿勢は長大な周期を判定するのに重要なのです。



2007年11月20日

【今週の1問】直感では解けそうにないのですが、解けます。そこから類推します。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

11月19日号の問題です。保護者の皆さんも是非。

(問題)
田中くんは、よしこちゃんに誕生日プレゼントを送ろうとおもいます。郵便局に行って送料をたずねましたが、40円切手と70円切手しかもっておらず、どのように組み合わせてもその送料をぴったりつくることはできませんでした。結局、10円余計に貼って送りました。送料は10円単位で140円以上だとすると、正しい送料はいくらでしたか。


(解答)
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(解説)
180円、190円、200円、210円という4連続で数を作ることが確認できると、それらに40円を足していくことで10円単位はすべてつくることができます。

小学生レベルでは、題意を読み取り、上限があることを類推できれば、数の組み合わせの試行錯誤で比較的容易に上限を発見できます。

(参考)
支払うことのできない上限の「170円」の発見方法は以下の通り。
大学入試における有名問題です。
10円単位なので、4円と7円の組み合わせでつくることが出来ない金額の上限を求める。
まずは、ともに1枚以上使うことを考える。

4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6はすべて4×7以下の数で、
これらの数を7で割った余りはすべて異なる。
なぜなら4×□と4×○を7で割った余りが等しければ、
両者の差4×(□-○)が7で割り切れることになるが、
□-○は7未満なので、4×(□-○)が7で割り切れることはないからである。

よって、 4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6を7で割った余りは
1、2、3、4、5、6のいずれかになる。

以上より、4×7より大きなどのような整数も
4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6
のいずれかに7を足せば表すことができる。
よって1枚以上使うとき、作ることのできない金額は4×7=28円となり、
答えは10倍して280円となる。

本問はどちらも使わない場合も含まれるが、これまでの話を延長して考えればよい。

4×□+7×○で表せない数(□、○は1以上の整数)についての議論を、
4×■+7×●で表せない数(■、●は0以上の整数)に延長するには、
■=□-1、●=○-1と考えればよい。

4×■+7×●= 4×(□-1)+7×(○-1)=4×□+7×○-11
下線部の上限は28であることを確認しているので、 4×□+7×○-11の上限は28-11=17となる。
よってともに0枚がありえる場合は支払うことのできない上限は170円。


2007年11月12日

【今週の1問】(有名問題!)作業の過程にとらわれすぎず、結果の意味を考えましょう。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

11月12日号の問題です。まさに一度はやっておかないとという問題です。

(問題)
2つのコップに同じ量のミルクとコーヒーが入っています。大さじ4はい分のミルクをすくって、コーヒーの入っているコップに入れてよくかきまぜます。
つぎに、このコーヒーの入っていたコップから大さじ4はい分をすくって、ミルクの入っているコップに入れて、よくかきまぜます。
この作業の後、ミルクのコップの中のコーヒーの割合とコーヒーのコップの中のミルクの割合とでは、どちらが大きいでしょうか。

(解答)
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(解説)
作業を直感的にとらえると、コーヒーのコップの中のミルクの割合の方が大きく感じます。

コーヒーの中に入れたミルクは純度100%のもので、ミルクの中にかえってくる同じ量の液体はコーヒーとミルクが混ざったものだからです。

直感と実際の差は、計算によって確認することが出来ますが、本問のポイントは作業の流れをきちんとイメージすることです。混ぜ終わった液体をきちんとイメージできれば簡単な問題です。

細かい点としては、液体の混合の問題では、「混合液」のイメージを下の図1のように考える子供が多いのですが、図2のようにとらえると「割合」として扱いやすくなります。

2.gif


2007年11月06日

【今週の1問】数量変化に対して、正比例なのか反比例なのかをイメージします。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
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11月5日号の問題です。

(問題)
電熱器を使って20℃の水300gを1分間加熱したら、23.2℃になりました。更に、20℃の水300gの中に、20℃の金属球1個を入れて1分間加熱したら、水と金属は23℃になりました。

(問)20℃の水300gの中に、同じ金属球を何個か入れて1分間加熱したら、22.4℃になりました。このとき、水の中に入れた金属球は何個ですか。

ただし、電熱器はいつも同じように発熱して、熱は水と金属球を熱することだけに使われるとします。  


(解答)
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(解説)

鉄球1個が水何gに相当するのかを考えるということも大事ですが、それ以上に

「数量変化に対して、正比例なのか反比例なのかをイメージする。」

これがこの問題の肝です。



普段から、公式暗記の算術処理ばかりしていてはこういった能力は身につきません。

「ってことは」を繰り返し、おきていることをイメージする力を身につけます。



この電熱器は1分間で、300gの水の温度を3.2℃上げます。ここで単純に

「じゃあ、水が倍の600gだったら、水は6.4℃あがるの?それとも半分の1.6℃?」と考えてみることで、頭の中に熱量に関するイメージが出来上がります。常識的に水が多ければ、上がる温度は小さいですよね。

この問題で、鉄球1個と水300g が 水281.25 g    (300:?=3.2:3) に相当する と計算してしまった生徒は、勉強の仕方を変えるべきです。そのまま勉強をつづけても絶対に成績は伸びません。



2007年10月29日

【今週の1問】濃さには食塩の濃さと水の濃さの2つの見方があります。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
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10月29日号の問題です。

(問題)
10%の濃さの食塩水が100グラムあります。この食塩水を70%の濃さにするためには食塩をどれだけ加えればよいですか。 


(解答)
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(解説)
食塩の濃さに関する解法は様々なものがありますが、「濃さ」のイメージをしっかりと持たせることと、
食塩の濃さだけでなく、「水の濃さ」という視点を持つことが大切です。

食塩の濃さに限らず、全体を構成する要素の中で見落としがちなものは何かということを考える姿勢は大切です。

ふたのある容器に水を入れる問題で、水の体積だけでなく、水の入っていない部分の体積に注目するといった考え方です。
補集合に着目するということですね。


2007年10月23日

【今週の1問】極端な場合を考えて見通しをよくします。

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
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10月22日号は概算、和や単位あたりを考える感覚など、普段体系化することなく平坦に学習してしまう内容をもう一度考え直すのにとても適した問題です。

(問題)
箱の中に3と書かれたカードと5と書かれたカードがそれぞれたくさん入っています。この箱からカードを何枚か取り出し、書いてある数の合計を調べます。たとえば、合計9になるのは3のカードが3枚取り出される場合のみの1通りです。このとき合計2003になる取り出し方は何通りありますか。


(解答)
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(解説)
様々な組み合わせを考える問題はまず極端な場合を考えて、どれくらいの範囲にあるのか、概算をすると見通しがよくなります。つるかめ算と同じ考え方です。本問はなるべく多くの5のカードを使う場合からスタートしても解くことができます。
また、次に取組むことになる「和を一定に保つ」ための作業は、いろいろな形に姿を変え出題されます。当然、増やした分を減らす、掛けた分を割るという還元作業をすればよいのですが、そう単純にはいきません。本問は減らすときには3が単位となり、増やすときには5が単位となります。このように、還元するときに単位が変わる(水を捨てるときと入れるときの単位時間当たりの水量が違うなど)のが常套なので、両者を丁寧にそろえる作業から手をつけていきましょう。


2007年10月09日

【今週の1問】月の裏側みたことありますか

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

10月08日号は既に有名になりすぎて多くの小学生が答えを暗記してしまっている問題。「そもそもなんで?」も含めいい機会ですので考えて見ましょう。


(問題)
地球から見ると、月は自転をしているのに、月の裏側の模様が絶えず見えない理由を述べなさい。


(解答)
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(解説)
あまりに有名な問題ですが、一度はやはり出会っておくべき問題ですのでこの機会に。

月が自ら一回転してるうちに、地球の周りを一回転しています。

これは、文字で言われても理解しづらいので、下の図を参考に自分でノートに絵を書いてみてください。
(こういった、頭の中で物体を動かさなくてはいけない分野では教科書をじっとにらんでいても理解できた気になるだけで、身にはつきません。自分の手を動かし、紙の上で再現できて初めて理解できているとするべきです。)

また、ここで疑問に思ってほしいこととして、
「なぜ、月の自転周期と公転周期がいっしょなの?もともとそうなの?それは偶然?」ということです。

これは、実は偶然ではなく、地球の重力により月はわずかですが楕円形になります。下の図を見ると分かりますが、楕円形の状態で、公転周期よりも自転周期がすこしでも遅くなったり早くなったりすると、楕円の月はわずかに斜めになり、月の重力とのバランスが悪くなります。

月が斜めになった瞬間に地球の重力によりまたバランスのいい状態に戻されます。これにより、自転周期と公転周期が同じになるように、いわば「調整」されます。

他にも、木星の衛星たちも自転周期と木星に対する公転周期が同じになっていたり、多くの衛星の自転周期と公転周期は1対1または、簡単な整数比になっているとのことです。

余談ですが、こういった理科の知識は、過去に一度でも「なんでだろう」と思ったことがあると、それを学習したときに深くそして長く記憶にとどめておくことが出来ます。どんな分野でもそうですが、普段から「なんでだろう」と思えるようになりたいものです。

また保護者の皆さんは、生徒に「なんでだろうね」と問いかけ、少しでも一緒に考えることが大切です。何か疑問をもったときそれを楽しそうに調べる親を見る生徒はやはり、疑問をもつことに対して前向きです。しかし、「わからないから塾の先生にきいといで」とあしらい、普段疑問をもつことに楽しそうにしない両親から「普段から疑問を持つことが大切だよ。なんでなんでと思いなさい。」と言われても、そんなの習慣になるわけはありません。

塾講師の言うことではないかもしれませんが、生徒の習慣は確実に親の習慣と似ます。何でうちの子は・・・ という前に、まず保護者の皆様がご自身の「知に対する姿勢」を考え直してみてください。



2007年10月02日

【今週の1問】 算数オリンピックより

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
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10月01日号は算数オリンピックからの1問。


(問題)
のぼるくんは、1から順番に1、2、3、4、5・・・・とある数字まで黒板に書きました。のぼるくんがその中の1個の数字を消してしまいました。すると残りの数の平均は590/17になりました。のぼるくんの消した数を求めなさい。  


(解答)
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(解説)
算数オリンピックからの出題です。

条件2についてきちんと把握することが鍵となる問題でした。

1から連続する整数をならべてみてください。
平均は、最初の数1と最後の数を足して2で割ったものになることがわかるはずです。

最後の数をAとすると
(1+A)÷2で平均が求まります。

ここで1を消すと平均はもっとも高くなりますが、その値は
(2+A)÷2です。

先程の(1+A)÷2  は  1÷2+A÷2  と変形できるので、
(2+A)÷2  つまり  2÷2+A÷2  との差は  1÷2  と  2÷2  の差の 0. 5ということになります。

同様にAを消すときのことを考えるとその差は
A÷2  と  (A-1)÷2  つまり  A÷2-1÷2  との差となり、これも0.5となります。


問題文に明記されている数字や式などでは式を立ててとくには明らかに足りないとき、
問題文の裏に隠された条件を読み解くことが鍵になります。

上記の平均の増減幅に関しては、平均算でよく使われる面積図を使っても理解は可能です。

是非試みて確認しておいてください。


2007年09月18日

【今週の1問】 典型的なむしくい算を論理的に解く

【今週の1問】 典型的な虫食い算を論理的に解く

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
ロジムメールマガジン「今週の1問」。

9月17日号では、よく目にする問題ですが、こういう問題こそ、
一度は論理的に考えて込んでみて欲しい1問を紹介します。

ロジムでは小学校2年生向け教材として採用しています。

(問題)
次のア、イ、ウに入る数字を答えなさい。

1.gif


(解答)
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(解説)
今週の2年生クラスの問題でした。

説明まで出来た生徒は少なかったのですが、当てはめで偶然に出来たというレベルから一歩進んで説明ができるようになると、数の持つ性質、規則への配慮が行き届くようになります。

虫食い算の説明を書くというのは四則演算のそれぞれの仕組みについて考えるのには絶好の教材です。数学の女王「整数」の入り口として、是非活用してください。



2007年09月11日

【今週の1問】 割り算の本質への意識

ロジムが「これは!」「一度はやっておかないと」と思った1問を紹介する、
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9月10日号では、「約数」「割り算」に関する1問を紹介しました。
そもそも割り算とは何かという基本事項さえ身について入れば、
小学校3年、4年生でも解答できます。

(問題)
656をある整数で割ると、いくらか余り、859を割ると余りが1減り、1198を割ると余りがさらに1減る。
ある整数をすべて答えなさい。

(解答)
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(解説)
「3つの整数を割った余りが同じ」というタイプの問題です。出題されるときは、小問としてテキストに載っているものとほぼ同じ形です。線分図で余りを左側によせてそろえる点が難しく、必ず一度は取組んでおかないと初見で解くのというのは非現実的なものです。あまり変形の余地のない問題ですので、本問はかなり手が加えられている部類に入ります。
また割る数や余りを算出する問題では、「余りは割る数より小さい」という割り算の重要な制限を必ず意識しなくてはいけません。そうすれば、本問のような複雑な問題文の中からでも、「余りは2以上」と「割る数は3以上」という条件を抽出することが出来るでしょう


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