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学習について(〜2012) アーカイブ

2008年10月29日

身に付くのは3回目位から

6年生クラスで、夏休みから2学期にかけて扱った問題のうち、正答率が低かったものだけまとめてテスト形式で演習している。予告済みだったが一部出来が悪い。
算数は、一回目に間違えた問題は、解説を聞いたり、解答を見たりしただけで二回目にすぐ出来るということはほとんどない。解答・解説によって一旦わかったつもりになるのだが、いざ自力で最初から最後まで解くとなると大変なのだ。とにかく、自力で解けるようにしっかりと解き直すことが大切。
入試が終わった後、問題をもって生徒たちがロジムに戻ってきますが、「やったことがある問題ばかりだった」と驚きの声が多い。新傾向の問題など手詰まりの状況だからあたりまえなのだが、いざ採点すると細かいミスが多いことがある。これが合否を分けるのだ。
卒業後、参考書を寄付してくれる生徒は多いが、「繰り返していないので綺麗なものが多い」脇見運転タイプはあまり結果が良くない。
良い話としては、宿題や個別の課題を一番頑張って来た生徒が一気に伸びてきた。学問に王道なし。

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2008年10月20日

成功体験

苅野です。現在、午前5時10分。先日の午後8時30分頃に教室にふらっとやってきて、数学の問題を解いていました。調子が出て来た時に、まとめて一気にやってしまうのが私の勉強法です。
というわけで、「勉強法」のお話。
ちまたに溢れる様々な勉強法。書店にも受験に限らず成功者の語るノウハウ本が数多く並んでいますね。様々な勝利の方程式とやらが掲載されています。
こんなに成功のノウハウが溢れているのに、なぜ成功者が再生産されていないのでしょうか。受験に限って言えば、なぜ合格者の真似をしても合格できないのでしょうか。なぜ、合格者の真似をさせても合格させられないのでしょうか。
私は、塾の講師になって初めて受け持ったクラスの生徒に、1年間私が受験の時に使った教材、スケジュールをそっくりそのままなぞらせました。結果、東大専門塾の御三家+有名国立高の生徒が全員落ちました。本郷の掲示板の前で気絶しそうになったのを覚えていますが、それ以上にテストの出来にショックを受けたことが印象に残っています。やったはずのことが出来ていない、身に付いていなかったのです。
プレイヤーとしての成功体験は、必ずしも他人を成功に導くためのノウハウの元にはならないのです。
なぜか。それは簡単です。プレーしている人間が違うからです。
記憶力、モチベーションの源泉など学力を構成する様々な要素が異なっているからです。
塾には、「これが出来れば受かる」というデータはあります。これに関して言えばほとんどの塾が大差ないものを持っているのが現状でしょう。更に踏み込んで、「以前、あなたに似たこんなタイプの生徒がこのような勉強法で成功した」というデータを持っている塾や講師もいます。これは、生徒の状況を勉強法まで含め、ある程度の期間管理することが出来る規模、体制の塾にしかないものですが、それでも取り扱い注意の情報です。週に25時間以上きっちりついているロジムの講師ですら、生徒の能力の新たな面に日々驚かされている位ですから、「似ている」の精度はまちまちです。鵜呑みにせず、効果をしっかりと検証する必要があります。
「これが出来れば受かる」というものを、どのようにして身につけるのか。細かく言えば、「これを覚えれば受かる」というものを、どのようにして覚えるのか。これは、自分で見つけるしかないのです。少なくとも、数多くの成功体験から、どの例が自分に合っているのかについて、自ら試して、検証し、修正して採用しなくてはいけないのです。
自分で勉強法を決定するのはとても勇気がいることなのですが、それが一番効率的です。
自分は、漢字を何回書かなくては覚えられないのか。どれくらいの間隔で復習しないと忘れてしまうのか。常に課題を持って、方法を選び、そして検証する。その繰り返しだけが、自分に最も合った、最も効率的な勉強法を見つける道なのです。

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2008年10月08日

日々変化する「社会」

算数、国語、理科は既にすべての内容を終了し、演習期に入っていますが、社会はまだまだ新しい内容を学んでいます。
2学期はここまで
(1)中国の地理
北京、南京、柳条湖、長安、上海、香港、四川、チベットなど地名は知っていても場所がわからないことが多いようです。オリンピックもあったので、重点的に確認しました。
(2)日本・世界の有名政治家
G8の首脳だけでなく、中東などの重要な政治家の顔と名前・地位を確認。首相・大統領・国家主席など結構複雑な名称。ブッシュが2期も務めたおかげで、クリントンがかなり昔の人になってしまいました。あわせて、最近よく出題される有名知事についても確認。東国原・石原・橋下以外はほとんど知らないようです。
(3)海外紛争と自衛隊
意外とわかっていないのが、PKO派遣、後方支援、難民救援、災害派遣の区別。例えば、アフガニスタンで何が起きて、何のために、どのような根拠で派遣されたのか。などを整理しました。

11月からは時事問題のまとめも始まります。さらに、細かい統計資料のまとめなど。直前までぎっしり続いていきます。
ノベール賞の発表で新たな日本人受賞者が。久しぶりだったので、子どもたちは覚えることがまた増えたという感じかな。

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2008年10月01日

「読んで分かる」と「解ける」の差

数学の問題集を解いています。面倒くさくなると、例題などは読むだけで飛ばしたくなりますね。
しかし、実際演習問題に取組んでみると、細かいところで「あれ、この先はどうするんだっけ?」と理解の甘さが露呈されます。
これは、授業にもいえることで、とても分かりやすい説明を聞くとそれだけでわかった気になりがちです。
添削のコメントも同じです。必ず、自分で紙にきちんと解答を作れるようになるまで、油断せずに!面倒くさがらずに取組みましょう。
保護者の皆さんは、お子さんが授業からかえってきたら、一つでも良いのでその授業の内容について説明してもらって下さい。良い復習になりますし、授業の理解度がはかれます。
更に一歩進んで、問題を作ってみるのも良いでしょう。優秀な生徒は必ず一度はやっている作業です。
私も講師としてテキスト作成や問題作成をするようになり、算数・数学が格段に出来るようになりました。

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2008年09月15日

÷という記号

日本の教科書以外ではあまり見ない記号だと思うのですが、実際はどうなのでしょう。
世界的に非常に多いのは / という記号でしょうか。1÷2を1/2と書く感じです。
分数に見えるのですが、そもそも割り算と分数との強い関連性を考えると納得しやすいと思いますね。
しかもこちらの方が、どちらが分母でどちらが分子かも間違えにくい。
/ で統一してもらえないだろうか。3、4年生に割り算、分数を教える時期になると強く思います。
ちなみに÷という記号も、よく見ると分数に見えますね。

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2008年09月10日

誤診・誤処方

「計算ミスが多くて」「図形が苦手で」・・・
などご相談を受けることがありますが、実際にテストの問題用紙に書き込まれているものを精査してみると違った診断結果となることは多いです。
本当のミスなのか、実は全く理解出来ていないのか、そもそも問題自体が高度なひらめきを要求するもので対策がとりにくいものなのか。
誤処方までされていると、時間的にも体力的にも大きなロスです。通常のカリキュラムと宿題以外にご自宅で何らかの課題を設定して取り組む場合、是非一度ご相談を。

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2008年09月08日

さあ新学期

4年生も含めて、とても大変なカリキュラムになってきます。
とにかく休まないこと!休んだ人は休まなかった人に遅れをとります。その部分が苦手になります。
休んでも誰かがなんとかしてくれて、追いつける。この考えは甘い。休まない人の立場になってみればわかりますよね。単純な話です。

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2008年09月07日

効率的に

5年生ももうすぐ全ての勉強内容が終わります。6年生はいよいよ試験が身近に感じられる時期です。
さて、問題演習は効率的に行いたいですよね。つまり、最小の力で最大の効果。このために意識しなくてはいけないことは、「同じ問題に取組むことを嫌がらない」ということです。
小学生学習範囲で出題できる内容には限りがあります。中学入試に関わっている人間なら誰もが気づいていることですが、「新傾向」の問題というのは、実はほとんど見当たりません。灘、開成、筑駒にしても、焼き直しがかなりの部分で見受けられます。
このような状況ですから、どの塾のカリキュラムも通常のテキストでほぼすべての必要項目を網羅しています。ですから、一度取組んで出来なかった問題に取組んで穴をつぶしていくことが最も効率的なのです。さらっと見た過去問に驚いたり、噂を聞いたりしただけで、通常テキストに穴がある状態で~中に特化したテキストなどに取組むのは実はかなり非効率。学校対策としては、ボリュームと時間のバランスに慣れる程度のことしかなく、それぞれの問題は通常テキストの問題で合格点を確保できますし、基礎の弱さを、その学校特有の難問で挽回しようなどというのは愚の骨頂です。
出来ない問題を出来るようにするなら、まずは一度は取組んだ問題から。効率を考えれば当然なのです。

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2008年09月03日

知識と応用力

全国学力テストの結果によると、最近の小学生は知識はあるが応用力がないらしい。
あたりまえだ。知識レベルと応用力レベルが同じであるはずがない。まずは知識を覚え、その覚えた知識を元に運用力が養われるのだから。

この知識と応用力について算数に絞って少しお話を。
「算数の力」は大きく2つに分けられるだろう。
1つはアルゴリズムを知っているかどうか。アルゴリズムとは、「こうすれば、・・・が算出できる」というルールのこと。証明の要らない公理(一周は360度など)だけでなく、証明なしで運用しても差し支えのない公式などを「覚える」力が求められる部分。先人達が非常にシンプルな形に落とし込んでいるので、我々は結論だけ覚えておけば最低限の問題には対応できる。
もう1つは、ごく一般的な事象の中にアルゴリズムを見つけ出す力。1+1=2というのはアルゴリズムとして「覚える」範疇にあるが、「アメ1つとりんご1つで合わせていくつ?」などという極めて一般的な問題を解くには、使用するアルゴリズムを覚えるのとは次元の違う「抽象化の能力」が求められる。

どちらが大切なのかという話はあまり意味がないのでここではせず、最近頻繁に寄せられる質問と関連付けて考えてみる。

「算数の勉強は・・・年生まで終わっているのだが、その学年に入れてもらうことは可能ですか?」

ロジムだけでなく、多くの塾で受ける質問だ。
実は、この「・・・年の勉強が終わっている」という意識は、非常に危険なものである。
この「・・・年の勉強」とは、その学年のテキストに書いてあるアルゴリズムを知っているに過ぎないことがほとんどである。面積の求め方を知っている1年生や因数分解の仕方を知っている1年生もいるが、これは「覚える」力があることを証明するものであって、総合的な算数の力、とくに2番目のアルゴリズムを発見するという所謂応用力があることを証明するものではない。
しかし覚える力を発揮し、一般的に学年ごとに設計されているカリキュラムで実際の学年を飛び越えていると本人も保護者も「算数が出来る」という意識が高まっている。特に低学年時は、1ヶ月も集中して取り組めば1年分の先取りは可能で、低学年時の1年分は大きな差に見えるのでなおさらである。実際、割り算を知っている子と知らない子を同じ教室に入れて、割り算の問題を解かせれば前者は天才児に見えるだろう。3年生の勉強をしている2年生の多くは、世の中の2年生の勉強をしている2年生全員より「頭が良い」と勘違いしやすい。
この高揚感は、後に大きな負担を親子に強いる場合がある。

5年生以上になってくると、算数の勉強から「アルゴリズムの習得」という部分が少なくなってくる。すでに知っている事実を、速さや容積など一般的な事象に応用する問題が主体になってくる。上記でいう2番目の能力が問われるようになるのだが、このことは子供にとって非常に酷なことである。
まず、個人個人で非常に大きな差がある。この差を埋めるのには非常に時間がかかるし、小学生の確保できる勉強時間では埋まらないことも多い。割り算を知らない子供が知っている子供に追いつくには1日で足りるが、「0、3、8、15、24・・・」という数列を見て規則に気付けない子供が気付けるようになるには相当に時間がかかる。

さらに注意すべきは、1番目の力は2番目の力を保証していないという点である。覚える力を発揮して、トップを走っていたレースとは、違う能力で突然順位付けがなされるのである。
それで抜かれてしまったのであれば、そこからがんばればよいという考えもある。しかし、実際に抜かれていく現実に対して、幼い子供も保護者も精神的に耐えられない場合がほとんどである。
「前は算数が出来たのに」「低学年から一生懸命頑張ったのに」
様々な思いが、親子を追い詰める。

私は、小学生特に低学年が勉強に関して「競争」の意識を持つのは非常に危険だと考える。「競争」をうまく活用できたときの効用よりも、悪く作用したときの損失のほうが数倍も大きいからである。子供が好奇心から希望する先取り学習は奨励されるべきものだが、保護者は、子供に先取り=追い抜きではないことを強く意識しなくてはいけない。(ただ、最近は保護者が、先取り=追い抜きだと勘違いしていて、子供に大きなプレッシャーを与えていることも多い。)

そして低学年時でも、さらには受験が目前に迫っても、「自ら試行錯誤して考える」という発見的学習にじっくり取り組むことで2番目の能力を鍛えることが大切である。アルゴリズムの先取りよりも、何倍も忍耐力が必要で時間もかかるし、目に見える効果は得にくいがそれしかないのである。

算数はスポーツに近いとよく言われる。サッカーにたとえてみると、1番目の力は「ルール」「パス・ドリブルなどの基本動作」「基本戦術」を覚える力。2番目は「実際の試合の場面場面を打開する力」である。
ルールを覚えるのがはやかった選手が良い選手かというとまったく違う。1番目の力がそれなりの時期でも、やはり試合をして2番目の力を同時に養うことは重要なのである。

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2008年09月01日

ミスの原因を探る

テストが終わりましたね。今回も、悔しいミスが沢山あったと思います。実はこのミスというもの、つまらないものほどなかなかなくなりません。問題では15と書いてあるのをいつのまにか50にしていたなど。こういったものは、あまりに下らなく思えて、次に試験を受けるときには忘れていますね。見直しのときに、自分の計算式だけでなく、問題の数字と適合しているかをチェックするように心がけるなど具体的なアクションに結びつけましょう。テストは受けた後が大切です!

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karino

プロフィール

東京大学卒業後、大手人事・経営コンサルティング会社で社会人向けのロジカルシンキング研修、指導を担当。その中で、英語教育などと同様小さい頃から考え方の基礎に親しむ必要性を痛感し、2004年に退社、ロジムを設立。現在、都内2教室で小学生を対象に、教科授業と並行してロジカルシンキングの初歩をかみ砕いて指導。 執筆・講演の依頼はこちら

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