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比較、考察、仮説設定、検証 論理総合問題【対象学5年生以上




比較、考察、仮説設定、検証 論理総合問題【対象学4年生以上】






下記は、ある架空の言語(「言語H」と呼ぶことにする)の文とその日本語訳を対応させたものである。

 (例文1)fluu esa teeko 犬が猫を見る。
 (例文2)fluu esano teeko 私の犬が猫を見る。
 (例文3)zuguu sage jaoo flaqe 子供が多くの豆を食べた。
 (例文4)fluu aa sage esano 二人の子供が私の犬を見る。
 (例文5)fluu een esano teekone 私の一匹の犬があなたの猫を見る。
 (例文6)fluguu esane gubine teeko あなたの白い犬が猫を見た。
 (例文7)zuu een bee flaqe taan 一匹の猿が黒い豆を食べる。
 (例文8)fluu teekono taanno aa beene 私の黒い猫があなたの二匹の猿を見る。
 (例文9)zuu bee gubi jaoo flaqe taan 白い猿が多くの黒い豆を食べる。

 
(1) 上で示された文例から推測できるかぎりで、次の言語Hの文を日本語の文に翻訳した場合、どのような文となるか。最も適当なものを、下のア~コのうちから一つ選べ。
                                       
 「fluguu sage jaoo teeko taan」

 ア 子供が多くの黒い猫を見た。
 イ 子供が多くの白い猫を見た。
 ウ 黒い猫が多くの子供を見た。 
 エ 白い猫が多くの子供を見た。
 オ 多くの子供が黒い猫を見た。
 ガ 多くの子供が白い猫を見た。       
 キ 二人の子供が黒い猫を見た。
 ク 二人の子供が白い猫を見た。
 ケ 黒い猫が二人の子供を見た。      
 コ 白い猫が二人の子供を見た。


(2) 上で示された文例から推測できるかぎりで、次の日本語の文を言語Hの文に翻訳した場合、どのような文となるか。                

 「犬が私の黒い豆を食べる。」

























「違いを1つ」にして比べることを忘れないで下さい。日本語の文法からいかに離れられるか(固定観念を捨てられるか)も鍵です。




























(1)ア
(2)zuu esa flaqeno taanno







まずそれぞれの単語が日本語でいうと何に当たるのかを考えます。

例文1と例文2を比べることで「単語の最後に no」がつくことで、「私の」という意味になることがわかります。

同時に「esa」が犬であることが予想できます。
(さらに同時に、teeko fluu のどちらかが「見る」でありどちらかが「猫」であることも予想できます。)

これと例文4からfluu が 「見る」 であることがわかります。

これと例文3から aa が二人の sage が 子供 を意味することもわかります。

同様にしてまずそれぞれの単語が何を意味するのかを明らかにします。

fluu・・・見る
esa・・・犬
teeko・・・猫
zuu・・・食べる
sage・・・子供
jaoo・・・多くの
flaqe・・・豆
aa・・・2つの
―no・・・「私の―」(所有を表すとき)
enn・・・1つの
―ne・・・「あなたの―」(所有を表すとき)
―guu・・・過去をあらわす
gubi・・・白い
taan・・・黒い
bee・・・猿

またポイントですが、この言語Hでは
動作を表す言葉 ― 主語 ― 「~を」という対象を表す言葉

という語順になっており、色は単語の後ろから、数は、単語の前につくことがわかります。

ここから(1)は

 fluguu(見た) sage(子供が) jaoo(多くの) teeko(猫) taan(黒い)となり、正解はアとなります。

(2)については教室であつかった際に最も多かった誤答が
「犬が私の黒い豆を食べる。」

「zuu(食べる) esa(犬) flaqeno(私の豆) taan(黒い)」 でした。

例文5 例文8をみると、「私の」「あたなの」という所有を表す言葉がつくときは、その物だけではなく、そのものの色を表す言葉にも「―no」「―ne」という文字が付くという言語Hの文法がわかります。(いかに頭を柔らかくし、日本語にない世界を受け入れられるかが大事です)

ですから正解は、taan(黒)にno(私の)がつく必要があり、

zuu esa flaqeno taanno となります。


比較による仮説設定から思考を積み重ねていくという論理力の訓練にとても適した問題です。






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