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小問の誘導と対称性の利用(3年生以上)




小問の誘導と対称性の利用(3年生以上)






1辺1cmのサイコロを右図の1辺1cmの正方形が12個ならべられた台紙(下図)のうえを
すべて1回ずつ通るように移動させます。


20110118-1.gif

(1)図の左下(頂点Dをもつ正方形)から始めた場合、転がし方は何通りありますか。
(2)スタートする正方形を自由に選ぶとき、何通りの転がし方がありますか。

                                 2011開智中先端A入試改題
























(1)は自分なりの基準を作って実際にやってみましょう。
(2)(1)の結果を利用できる方法はないか考えてみましょう。



























(1)6通り
(2)64通り









(1)何回か実際に転がしてみましょう。そうすると、横に2マス以上転がしたあと、段をかえてしまうと空白ができてしまうことに気付きます(たとえば下図)。

20110118-2.gif

よって段を変える前に、それより左側のマスをすべて通っておく必要があるため、どこのポイントで横にまっすぐ進むかを基準にルートをえらべばよいことになります。そうすると、以下の6通りの通り方が考えられます。

20110118-3-1.gif
20110118-3-2.gif

(2)スタートの正方形をどこでも選んでよいので、一見とても大変な問題に見えるかもしれません。しかし、4角はひっくり返したり、裏返したりすれば、(1)とまったく同じ状況になる(下図a
☓部分は結局6通りずつである)とわかれば、処理の手間がかなり減ります。

20110118-4.gif

同様に、上図の◯の部分、△の部分も、すべて同じ数ずつ通り方があることになります。

つまり◯からスタートする場合と△からスタートする場合を1つずつ調べてそれを4倍すればいいわけです。

(ⅰ)◯からスタートする場合

最初に上に進んでしまうと、(1)のときと同様、通れないマスができてしまいますから、最初に◯より左側、または右側をすべてうめておかなければいけません。
どちらかをうめたあとは(1)と同様、横にまっすぐ進む前に、その後ろ側をすべてうめておかなければなりませんね。よって最初に左側をうめる場合が4通り、右側をうめる場合が1通りで、合わせて5通りの通り道があります。

20110118-5.gif

(ⅱ)△からスタートする場合も(ⅰ)の場合と同様のルールで数えましょう。

0118-6.gif

この場合、最初に左側に行く場合に3通り、右側に行く場合に2通りの合わせて5通りの通り道があります。


以上より、図aの☓部分からのスタートが6通り、◯部分・△部分からのスタートがそれぞれ5通りあるので、全部で

(6+5+5)×4=64 通り の通り道があることになります。


このように、複雑に見える問題でも、まず手を動かしてルールや基準を発見すれば、正確に数えることができます。そしてそれをうまく使って、より複雑な問題を解けないか、と考える姿勢を持ちましょう。対象学年は3年生以上としましたが、特別な知識も不要な問題という点では、もっと低学年の人でもできる問題ですね。







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