|
2010年度入試シリーズ (5)雙葉中学校【理科】より
1959年9月26日に和歌山県潮岬付近に上陸した15号では、図5の矢印のような進路をとったため、伊勢湾沿岸の広い範囲で高潮による大きな被害が出ました。
このことから考えて、台風が関東地方に上陸したとき、東京で被害が大きくなると考えられるのはどのような進路をとったときですか。
解答用紙の地図に書き入れなさい。
ありません。
2010年度入試では、皆既日食に関する出題が多く見られました。理科や社会では、時事問題が狙われやすいだけに、対策をして臨んだ受験生が多かったことでしょう。
2009年は、ガリレオの天体観測から400年という節目の年で世界天文年とよばれ、日本では一部の地域で46年ぶりに皆既日食が観測されました。
また、最大震度7を観測し、多くの死者を出した阪神淡路大震災からも丸15年にあたり、近いうちに東海でも巨大な地震が起こるであろうと言われ、対策が進んでいます。
さらには、毎年活動を続けていた桜島が大きな噴煙をあげる噴火が起こり、加えて浅間山も噴火し、農作物などにも大きな被害が出ました。
そして、50年前に死者・行方不明者5000人以上を出した超大型の台風(伊勢湾台風)とほぼ同等の台風が日本に上陸し、直接的な被害はなかったものの交通機関に大きな影響を与えました。
さて、今回の今週の一問は、その中でも伊勢湾台風が取り上げられた問題です。問題自体は台風の基本的な問題ですが、対策してあった内容が出題されるだけで、思わず笑みがこぼれますよね。
まず、台風は低気圧であるために風が中心に向かって吹きこみます。そのとき、主に地球の自転がもとであるコリオリの力の影響で風は右に曲げられてしまいます。これにより、反時計回りに風が吹きこむように見えるのです。
また、台風はまわりの強い風により流されて進んでいきます。この台風を押し進める風と、台風に吹き込む風が同じ向きになると、より一層風が強くなり、大きな被害をおよぼしやすくなるのです。
これから、下の図のとおり、進行方向の右側で風が強くなります。ここに、南に向いた湾などがあると、高潮によって大きな被害が出やすくなってしまうのです。問題の図では、それがまさに伊勢湾です。
さて、これと同じように関東地方には南に向いた東京湾があります。台風が、この左側を通ると、伊勢湾のときと同じように大きな被害が出ると考えられます。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
~2箇所でブログランキングに参加しています~
1.
2.
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
ところで、こんなのはじめました。
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー