酸性雨 【対象学年:3年生以上】
空に浮かぶ雲は、主に海水などが蒸発することでできた水や氷の粒の集まりです。よって、雲は純粋な水でできています。この雲をつくる水の粒が合わさって地上に落ちてきたものが雨です。本来ならば純粋な水ですが、実際には酸性の性質をもった「酸性雨」が降ってきます。多くはとても弱い酸性なので害はありませんが、時に土壌などに害を及ぼすほどの酸性雨が降ることもあります。この酸性雨について、次のア~エから誤っているものを選びなさい。
ア.雨の降り始めよりも、雨が降り出してしばらくした頃の方が酸性が強いことが多い。
イ.大きい雨粒よりも、小さい雨粒の方が酸性が強いことが多い。
ウ.夕立ちのような土砂降りの雨よりも、しとしと降る雨の方が酸性が強いことが多い。
エ.火山の噴火などが起こったあとに降る雨は、酸性が強いことが多い。
雨がどのようにして酸性を帯びるのか考えてみましょう。
ア
雲は純粋な水であるのに対し、降り注ぐ雨が酸性を帯びるということから、空気中のさまざまな物質(二酸化炭素や二酸化硫黄など)が水に溶け込んで酸性を帯びると考えられます。ということは、溶け込みやすい条件を考えれば、自然と答えは決まるはずです。それをもとに、それぞれの選択肢を見てみましょう。
ア.雨の降り始めると、空気中の物質がわずかながら溶け込んでいきます。しばらくすれば、自然と空気中の物質は減りますから、だんだん酸性が弱まっていくと考えられます。
イ.同じ量の雨が降ったと考えると、小さい雨粒の方が表面積が大きくなりますから、より空気中の物質と触れ合って溶け込みやすくなると考えられます。
ウ.土砂降りのような雨では、雨粒が大きく、さらに地上に落ちるまでの時間が短くなるので、空気中の物質は溶け込みにくくなると考えられます。
エ.火山の噴火で出る火山ガスには、二酸化炭素や二酸化硫黄がたくさん含まれています。よって、そのあとに降る雨は酸性が強くなると考えられます。
--------------------------------------------------------------------------------
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー