灘中より。無粋な手法の中にも答えがあります。
下の2つの図は、各面に1から6までの数が書かれた立方体の展開図である。それぞれの立方体の1つの頂点に集まる3つの面に書かれた数の和を考える。この和のうち最大のものは(図1)では15、(図2)ではいくつか。
(灘中)
そもそも頂点の数は・・・。
組み立てた状態を考えると下の図のようになります。
頂点は8こなので、8つの頂点についてすべて調べてみます。
すると
4+2+3=9、
4+2+6=12、
4+1+3=8、
4+6+1=11、
5+1+3=9、
5+3+2=10、
5+2+6=13、
5+6+1=12
となり、最大のものは13。
答え:13
「最大」を生み出すメカニズムについて検討する姿勢はとても大切です。
しかし、場合の数など組み合わせについて考える問題においては、
そもそも検討すべきパターンがいくつぐらいあるのかについて概算してみる姿勢が大切です。
本問では実は8つの頂点についてしらみつぶしに調べればすぐに終わります。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
作業量の見通しを常に検討する姿勢が大切
「しらみつぶし」は、上位の生徒にとって、そして指導者にとってあまり洗練されたものではありません。
しかし、状況に応じて「最善」である場合もあるのです。
例えばさいころ問題では2個のさいころであれば36通りの組み合わせしかありませんから、
すべて調べてもたいした時間はかからない上に、確実です。
反対に4個ですと、1296通りですから、何か法則を見つけなければ太刀打ちできません。
解法を決めてかからず、解いている最中でも常に別の道筋を検討する姿勢は、
本校が生徒に期待する学問に対する姿勢に他ならないといえます。