
灘中より。割り算の筆算ができますか?
整数(A)を整数(B)で割ると、商が32で余りが10であった。さらに割り算をつづけて小数第3位まで求めると商は32.322となり、余りが出た。(A)(B)に入る数を求めなさい。
(灘中)
「割り算を続ける」という作業を筆算で確認してみてください。
商が32、余りが10の状態からさらに割り算を続けるというのは、
余りの10を整数(B)で割るということです。
その商が32に続く小数部分となります。
つまり
10÷B=0.322・・・である。
よってB=31.05・・・・からB=31
ゆえにA=32×31+10=1002
答え:A:1002 B:31
計算や筆算の仕組みを理解し、きちんとイメージできるかどうかが問われています。
50分で15問ですから、本問に割くことのできる時間はだいたい2分程度です。
普段から定石問題についても深い考察をしていくことが大切です。
本問は割り算の筆算の手順についてイメージできればとても簡単な問題です。
「割り算を続ける」とは、「余りを割り続ける」という作業なのです。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
計算技術の仕組みと意味の理解が大切
灘中ではよく出題されるポイントとして、 筆算や各種の法則などを
使うことには慣れていてもその仕組みや意味をきちんと説明すること
が難しい知識を必要とされるものがあります。
かつては壮大な虫食い算などが主流でしたが、最近は本問のような
計算の経過を文章で与えるという形式が好まれています。
本問も普通の割り算を文章化しただけなのですが、とたんに混乱して
しまう生徒も少なくありません。
一度低学年にするような形で説明する機会を持たせると、高学年
でも様々な計算技術の中に気付きを得られると思います。
それらの気付きなしでは、本校の1日目を高得点で乗り切ることは
不可能です。当たり前の知識に関しても表面的な理解に留まらず、
きちんと検討する。 1日目の問題はそういった付け焼刃では身に
付かない勉強への基本姿勢を測定する問題だといえるでしょう。 。