
隠れた制限を考えましょう【対象学年:4年生以上】

太郎君、次郎君、三郎君、四郎君の4人は携帯電話を持っています。
5月に4人の中で電話で会話をした回数を尋ねたところ、
太郎君:35回
次郎君:28回
三郎君:29回
四郎君:41回
と答えました。
誰かが回数を間違えて答えていることを説明してください。
誰が間違えているのかはわかりません。
全員の会話の回数の合計は
35+28+29+41=133回
133は奇数なのでありえない。つまり、誰かが回数を間違えていると言える。
さて、なぜ全員の会話の回数の合計が奇数にはなりえないのでしょうか。
それは、1回の会話について、2人がカウントするので会話の回数の合計は2ずつ増えていくからです。
つまり、太郎君と次郎君が会話を1回すると、太郎君と次郎君がそれぞれ1回カウントするということです。
計算で説明してみましょう。
太郎君と次郎君の会話の回数をA
太郎君と三郎君の会話の回数をB
太郎君と四郎君の会話の回数をC
次郎君と三郎君の会話の回数をD
次郎君と四郎君の会話の回数をE
三郎君と四郎君の会話の回数をF
とすると
太郎君は35回会話をしたというので
A+B+C=35
といえます。
同様に次郎君は28回会話をしたというので
A+D+E=28
となります。
三郎君については
B+D+F=29
四郎君については
C+E+F=41
がいえます。
まとめると
A+B+C=35
A+D+E=28
B+D+F=29
C+E+F=41
です。
すべて足し合せると
A+A+B+B+C+C+D+D+E+F=133
つまり
2×(A+B+C+D+E+F)=133
です。
=の左側は2をかけているので偶数で右側の133は奇数ですね。
これは合計133がおかしい、つまり誰かが回数を間違えて答えているということです。
「考える算数」の「隠れた制限を考える」の授業などで取り上げられる問題ですね。偶・奇の制限は問われることも多いので必ずチェックする項目として覚えておきましょう。
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