« データの分析 2010-10-26 | メイン | 地形図の読み取り【対象学年:4年生以上】 »

【超有名問題】囚人のジレンマ【対象学年:5年生以上】2010-11-02


 【超有名問題】囚人のジレンマ【対象学年:5年生以上】

AとBは共同で犯罪を行ったとされ逮捕されました。2人は別室に隔離されました。警官はこの2人に自白させるために、彼らの牢屋をそれぞれ順に訪れ、以下の取引を持ちかけました。

「もし、おまえらが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。だが、共犯者が黙秘していても、おまえだけが自白したらおまえだけは刑を1年に減刑してやろう。ただし、共犯者の方は懲役15年だ。逆に共犯者だけが自白し、おまえが黙秘したら共犯者は刑が1年になる。ただし、おまえの方は懲役15年だ。おまえらが2人とも自白したら、2人とも懲役10年だ。」

つまり、
・どちらか一方が自白すれば、自分の刑は1年になり、黙っていた方は15年になる。
・両方が自白すると、2人とも懲役は10年
・両方が黙っていると、2人とも懲役2年
という条件(ルール)が提示されました。

(なお、2人は双方に同じ条件が提示されている事を知っているものとする。また、彼らは2人は別室に隔離されていて、2人の間で強制力のある合意を形成できないとする。)

ここで、Aは共犯者のBを裏切って自白すべきか、それとも黙秘すべきか判断しなさい。




















Bが黙秘した場合、裏切って自白した場合、それぞれに分けて、Aの行動を考えます。



















裏切って自白すべき


20101102.png

Bが裏切って自白した場合(上表:赤の部分) 
⇒ Aは自分が黙秘すると15年懲役、自白すると10年懲役。したがって、裏切って自白したほうが懲役年数は少ない。

Bが黙秘した場合 (上表:青の部分)
⇒ Aは自分が黙秘すると2年懲役、自白すると1年懲役。したがって、裏切って自白したほうが懲役年数は少ない。

Bが自白しようが、黙秘しようが、Aにとって懲役年数が少なくなるのは、裏切って自白した場合となる。したがって、Aにとっての最適戦略は「裏切って自白」となる。

(有名な「囚人のジレンマ」です。この問題は一回完結タイプであり、判断が繰り返しになる(繰り返しの回数を知っている)と違った判断が得られます。これもいつか「今週の1問」で取り上げます。)

ゲーム理論という分野の有名初歩問題です。小学生にとってもおなじみの思考パターンですね。「起きる事象を場合分けし、そのそれぞれについて検討する」。論理的な場合分けの力と、丹念に考えを積み上げる力は訓練ですぐに身につきます。

--------------------------------------------------------------------------------
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー

メールで更新を受信

「今週の1問」のメール配信を受け取る場合はこちら:

2014年07月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アーカイブ

lojim_official_blog