« 範囲を意識する問題 2010-10-19 | メイン | 【超有名問題】囚人のジレンマ【対象学年:5年生以上】2010-11-02 »

データの分析 2010-10-26




 データの分析【対象学年:5年生以上】





表はある町における男性高齢者人口の比率などを表したものであるが、ア~オのうちこの表から求めることができるものを選びなさい。


101026-1.gif


ア:1991年度と1992年度の高齢者人口全体の大小
イ:1993年度の男女人口の比率
ウ:1990年度における女性高齢者人口の全人口に対する比率
エ:1990年度の女性高齢者人口に対する1991年度の女性高齢者人口の比率
オ:1992年度の男性高齢者人口と1993年度の男性高齢者人口との差
























答えはひとつとは限りません。

























ア、ウ、エ







ア~オのうち読み取れるものを選ぶのであるから、ひとつひとつ丁寧に分析していきましょう。

この際、あるデータが何を表したものかを正確に理解し、そのデータを複数組み合わせることで導き出せるものもある点に注意しながら、ア~オのそれぞれがどのような式で求めうるのかを検討していくようにします。

表に与えられているのは

①ある年の男性高齢者:ある年の全人口

②ある年の男性高齢者:ある年の全高齢者人口

③1990年の日本の全人口:ある年の全人口

という3つの割合としての数値です。ここで、全部が割合としての数値である以上、

実数値(たとえば、実際の総人口数など)は求めることはできないことに気付きましょう。

この観点からまず、オは読み取ることは不可能となります。

ここで

②よりある年の全高齢者を100としたときの男性高齢者の割合が出ているため

100からそれを引くことで、

ある年の男性高齢者:ある年の女性高齢者:ある年全高齢者人口・・・④

また

①②より、

ある年の男性高齢者:ある年の全高齢者人口:ある年の全人口・・・⑤

⑤と④と③より

ある年の男性高齢者:ある年の女性高齢者:ある年の全高齢者人口:ある年の全人口:1990年の全人口・・・⑥

も求めることは可能となります。


以下ア~エについて実際に検討しましょう。

ア:1991年度と1992年度の高齢者人口全体の大小

⑥よりある年の全高齢者人口:1990年度の全人口が出せるので求めることは可能です。

実際の操作としては、以下のように求められます。

1990年の全人口が100、1991年が106、1992年が118 ですから

1991年の男性高齢者は106×0.125(12.5%)

1992年の男性高齢者は118×0.163(16.3%) とあらわせます。

この男性高齢者の数値が、それぞれ高齢者全体の44.9%、49.6%ですから

1991年の高齢者人口:1992年の高齢者人口= 106×0.125÷0.449 :  118×0.163÷0.496 となり、およそ 29.5:38.8となり、1992年のほうが多いことがわかります。

イ: 1993年度の男女人口の比率

①~⑥のいずれにも、男性全体、女性全体を表す事項がないため、求めることは不可能です。

ウ:1990年度における女性高齢者人口の全人口に対する比率

⑥より、 ある年の女性高齢者:ある年の全人口  は求めることが可能です。

実際の操作としては以下のようになります。

1990年の全人口を100としたとき、男性高齢者は12.5となります。

また1990年の男性高齢者:1990年の女性高齢者=45.3:100-45.3=45.3:54.7

よって1990年の女性高齢者:1990年の全人口=12.5×54.7/45.3 : 100

これを計算すると、およそ15 :100 となります。

エ:1990年度の女性高齢者人口に対する1991年度の女性高齢者人口の比率

⑥より1990年度の女性高齢者人口:1990年の全人口

    1991年度の女性高齢者人口:1990年の全人口

が求められるので、この二つを比べれば、エに関しても求めることができます。

実際の操作としては以下のようになります。

ウで求めたように  1990年の女性高齢者:1990年の全人口 =15:100

同様に        1991年の女性高齢者:1990年の全人口 =19:100

となるため、

1990年度の女性高齢者人口に対する1991年度の女性高齢者人口の比率

=15:19 となる。


本問では、このような細かい計算までする必要はありませんが、実際どのような式で求められるかをきちんと考えることは良い学習になるでしょう。

また、ひとつひとつをできるかどうか検討する前に、本解説で述べたように、あらかじめ組み合わせて表せる比などを求めておくと、その後の処理が楽になり、二度手間を省くことにもつながります。











-------------------------------------------------------------------------------------------------------
~2箇所でブログランキングに参加しています~

1.

2.にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
ところで、こんなのはじめました。
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー


メールで更新を受信

「今週の1問」のメール配信を受け取る場合はこちら:

2014年07月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アーカイブ

lojim_official_blog