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ひとりごと・雑談 アーカイブ

2007年04月25日

自分でやって好きになる。

苅野です。
算数、数学の先生をやっていると、保護者の方によく聞かれる質問に「先生はどうやって算数、数学が得意になったのですか」というものがあります。通算100回以上されている質問なのでブログで「苅野の場合」についてお話ししたいと思います。
今回は「小学校編」
正直な話、ロジムの生徒の皆さんほどきちんと勉強した経験は全くありません。小学校時代は地元の塾と四谷大塚に通っていましたが、今のAクラスが定位置。たまにBの下の方に行って戻ってくるという感じです。当時は本当に「予習」シリーズで、家ですべての問題を解いていき、塾ではひたすら解説をしてもらう。という形式でした。半分ぐらいは寝ているか、よそ見をしている生徒でした。
そもそも、興味のないことを1分でも聞かされると眠くなる性格でしたので、1時間以上も解説を聞き続けることなど無理なのです。おかげさまで、「勉強」どころか「いすに座っている」ことすら嫌いになりました。四谷のクラスもAになり、かなり遠くの会場まで足を運んでいました。(当時はクラスが落ちれば校舎もかわっていました。すごい制度ですね。)
で、転機は6年生の夏休みでした。夏休みということで普段と違う先生とクラスでの受講になりました。この先生は、まず問題を配り、解かせて、簡単な解説をした後、なんと3時間自習の時間をとりました。3時間後同じ分野のテストをするから勝手に準備をしろというのです。質問はいつでもどうぞと。面くらいましたが、私の人生でこの時ほど頭がフル回転していたことはないのではないかと思います。基本的な数問しか解説されていませんから、どのような応用問題がありえるのか、基本的な仕組みはなにか。すでにやった問題に重要なヒントはないかなど、ひたすら考えるわけです。そして緊張のテスト。見たことがないのはあたりまえですから、自分が整理した基本概念をひたすら変形させて試すわけです。そして終了。なんと次の日の朝にもまた同じ分野でテストをやるから、がんばってねとのこと。
夏休み3週間、ニュートン算と鶴亀算の2つだけひたすらこのサイクルでした。しかし、「問題から基本原理を探る。」「応用のパターンを自ら検討する。」という作業は翌日のテスト対策ということもあり、ゲーム感覚で毎日集中して楽しめました。この経験以降、イスに座って延々と解説を聞く忍耐力はつきませんでしたが、算数の「基本原理」への探求心と「問題の分析」を楽しむ姿勢は身に付き、今ほど厳しくはない中学入試を乗り切る力はつきました。
私はサッカーが好きですが、この経験を解釈すると、
「サッカーはボールを蹴って初めて楽しくなり、うまくなるもので、名監督の話を何時間も聞かされるだけでは嫌いになるだけで、うまくもならない。」
と思います。
最近は、監督だけでなく保護者の方まで参加してきて、監督と保護者のサッカーをひたすら見ている生徒も見受けられますね。監督の話は不必要ではありませんが、まちがいなくサッカーはプレーするものです。シュートの下手な子に、上手いシュートを見せることも大事ですが、本人に蹴らせることを忘れてはいけません。そして、蹴らないサッカーなどおもしろいはずがありません。算数も然り。
他人の力で得意になったというレベルの解答能力など、好きで自分でやる人間にあっという間に追い抜かれます。急がば回れ。指導する立場としては、目先の点数より、時間をかけてでも本人に良い体験をさせることが重要です。忍耐が必要ですね。しかし、嫌いになったらもう手のほどこしようがありません。
ちなみに上記の先生は、忍耐力のない保護者達の抗議で辞めていきました、、、。
算数の力をつけることのできる先生とは「噛み砕いて解説する力」以前に、「達成感の得られる良い問題と時間を与える力」がある人だと思います。クイズって出来ないから嫌いという人はあまりいませんよね。問題の裏になにかおもしろいトンチや知識などの存在を期待してしまうからだと思います。そして、どきどきしながら考える時間も楽しいことを知っていることもその理由の1つだと思います。
こうして私は、算数がとても好きになり、少しだけ問題も解けるようになり中学生になりました。しかし、その後は暗黒の6年間が続いてしまいました。数学をおもしろいと思っていない人達の数式朗読会に参加させられる日々が始まったのです。(中・高編へつづく。)

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2007年04月16日

国が違えば、、

苅野です。今日から新学期です。新しい学校、クラスで新鮮な毎日を送り始めたことと思います。
さて、私はこの春休みに旅行に行ってきました。おみやげ写真です。

珍しいのは、馴染みのないラベルのデザインだけでなく、そこに表記されている単位です。
150cl。センチリットルと読みます。授業をきちんと聞いていてくれた皆さんは、どれくらいの量を表すのか思いついてくれるでしょう。普段皆さんが使っている単位は、大抵2つの部分から成り立っています。「センチ」などの量を表す部分と「リットル」など表すものの性質を表現している部分です。センチは「0.01倍」を意味しています。つまりセンチリットルは0.01リットル、1リットルの100分の1ですね。

キロキロとヘクトデカけたメートルが、デシに追われてセンチミリミリ

この呪文、私は小学校で習いましたが最近の生徒は教わることがないようです。
キロ:1000倍、ヘクト:100倍、デカ:10倍、デシ:0.1倍、センチ:0.01倍、ミリ:0.001倍
と10倍ごとの量を表す部分の覚え方です。
「キロ」メートルは、1メートルの1000倍。「デシ」リットルは1リットルの0.1倍ですね。
センチリットルは、日本では使われていませんが日本以外のアジア諸国、ヨーロッパではよく見かけます。
国が違えば、単位も違う。お金のお話だけではありませんね。

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2007年01月29日

日ごろの勉強

こんばんは。苅野です。関西、千葉と埼玉の受験がひと段落着いたのもつかの間。2月の東京、神奈川の入試が迫ってきました。相変わらずばたばたとしたロジムです。
印象的な出来事が2つ続いたので投稿します。


ある書店の学習参考書コーナーに親子連れが歩いていました。女の子が、「これ面白そう!」と手に取ったのはこの時期平積みになっている時事問題を特集した参考書です。熱心に立ち読みしていて、お母さんに「これが欲しい」とねだっていました。するとお母さんは「時事問題は来年の受験直前に最新版が出るからそれをやればいいのよ!」

最近、ある中学校の社会の先生とお話をする機会がありました。曰く「2,3年前の出来事を常識として出題すると正答率が一気に下がるんです。」とのこと。

「受験に出るから、出そうな分だけ勉強しよう。」

中学受験を通して、計算高い小さな人間が生み出されているとしたら寂しいものです。

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2007年01月01日

あけましておめでとうございます 2007元旦

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

東京では初日の出がなんとか見られそうだというニュースを見て、明るい新年に期待を膨らませつつこのご挨拶を書いています。

子供達の成長のスピードは、私たちをいつも驚かせてくれます。2006年に生徒の皆さんが見せてくれた大きな成果は、2007年もロジムが活気あふれるすばらしい場所であるための原動力になることでしょう。

ロジムは今年も「自分で考え、自分で決め、結果から自ら学ぶ」子供達をあたたかくサポートしていきます。先頭に立って子供達を成功に導くよりも、転んで怪我ををしても立ち上がれる強い気持ちをもってもらえるように、半歩下がって手を添えて声をかけ続けます。

生徒の皆さん、そして保護者の皆様も思いきり走り出しましょう。

私たちを振り返らずに自分の力で走り出す力強い後ろ姿を多く送り出すことを目指し、私たちも全力を尽くします。

新年、皆さんの元気な姿に会えることを楽しみにしています。笑顔で新年をスタートできるようお体にはお気をつけて。

学習塾ロジム塾長 苅野進 




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  • あけましておめでとうございます
  • 謹賀新年
  • あけましておめでとうございます 2008元旦

  • 2006年10月08日

    簡単な問題をとりきる力

    先日6年生の受験準備が本格化してきた
    と書きましたが、
    まだまだ質・量とも増えそうです。


    今日からさらに理科の「とりきり系問題補習」が追加です。


    思考系の問題に偏ると、ありがちなのが
    基礎の抜け落ち。


    「標準もしくはそれ以下の問題を確実に100点とりきる」


    という訓練を行います。


    簡単な問題を確実にとりきる能力というのは
    世間で認知されてる以上に重要だと考えます。


    優秀といわれる生徒は、
    頭が発想型だろうと、処理型だろうとそれ以前の問題として、
    大問1にあるような基礎問題を落としたりはしません。

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    2006年09月27日

    小数って哲学的ですね

    今週から、大所帯の3年生算数が
    「小数」の単元に入りましたね。


    1「を」100コ「に」「ける」と・・・



    0.2「が」20こあると・・・




    初習段階で小数の意味を考えることがこの分野の重要点です。
    何を分けるのか。何がいくつあるのか。何が、何を、いくつに、何に、・・・・


    助詞を正しく使いこなし、頭の中での作業と発語を連動させることが必要です。




    くれぐれも最初の段階で、「0.001 を100倍するときは、点が2つうごいて・・・」
    なんていう機械的な計算方法の指導をしないようにお願いします。。。
    (教室での忍耐強い作業が台無しになりますので。。。)


    80cmは何メートルですか、という問題を考える場合、
    必ず、1mを100個に分けたうちの1つが1cmであり、それが80こあるから・・・
    という大人にとっては回りくどい思考練習をする必要があります。

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    2006年01月01日

    あけましておめでとうございます 2006元旦

    あけましておめでとうございます。
    本年も宜しくお願い致します。

    学習塾の暦では3学期はあと1ヶ月。
    子供達は1年の勉強を締めくくり、新たなステージへと進んでいきます。

    「自分で決め、自分の力で前進していく子供達を育て、応援する。」

    ロジムの理念は今年も変わることはありません。
    保護者の皆様、そして生徒の皆さんとともに、私達も脳と額に汗をかいて様々な問題にぶつかっていきたいと思います。

    ロジムでは、教えるのは私達教師陣だけではありません。参加している皆さんが、様々な思いを発信することで、お互いに考える機会と情報を提供し合います。
    今年も、昨年の学びを活かしてより高いレベルへと高めあっていければと思っております。

    お互いの力を合わせ、何倍ものエネルギーをもってすばらしい2006年にしていきましょう。


    最後に。
    正しく考える力は、心と身体の健康あってこそ。
    普段の学校・家庭で実りのある安らかな生活を実現するため、「毎日をさわやかで幸せに過ごす力」も身に付けていきましょう!

    それでは、みなさんとの新たな出会いと再会を楽しみにして、新年をスタートさせたいと思います!がんばりましょう!


    塾長 苅野

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  • 2005年11月29日

    受験勉強のスタートの時期は?

    苅野です。さて、6年生は受験シーズン目前のこの時期ですが、低学年のみなさんにとっては受験勉強スタートの時期になります。2月からのスタートですね。毎年、「何年生からのスタートがよいのでしょうか?」というご質問をいただきます。この問題について今回はお話させていただきます。

    このご質問に対する答えはひとつ「興味をもったらすぐに」です。

    最近の入試問題は、ひたすらに詰め込んだだけでは全く通用しない問題が増えています。上位校に関して言えば、大学の試験のように「持ち込み可」にしても、その場で考える力がない生徒は、全く太刀打ちできないものがほとんどです。

    このその場で考える力を身につけるには、「自発的に頭を動かし、試行錯誤した経験の量」を増やすしかありません。

    この「自発的に頭を動かし、試行錯誤する」という行為は、その勉強に興味をもっている生徒と、となりで親に監視され、怒鳴られながら勉強している生徒ではその質・量ともにまったく違ってきます。

    重要なことは、興味を喚起させる環境を整えてあげること。そして、興味をもった瞬間に、毎日でもその興味の対象にのめりこませ、より深い学習が出来る素材を与えてあげることです。
    毎日の言動に注目し、何気ない一言から、彼らが興味を持った瞬間を見逃さないようにすることです。「あれはなに?」「あれはどういう仕組み?」といった発言にしっかりと対応し、情報を与えてあげることが大切なのです。

    その瞬間における効果的な対応が、「自発的に勉強する楽しみを知っている」という何にも代えがたい素質を作り上げます。

    塾での勉強のスタートも同様のことなのです。体験授業を受けたり、教科書を見たりして本人が興味を持ったものからスタートさせることです。「ほかの教科は受験に間に合うの?」「記述対策は?」という瑣末な心配から本人に無理強いするのは全く無駄なことです。そして興味を持った場合は、年長〜3年生ぐらいから遊び感覚でのめりこませるのが良いのではないでしょうか。

    受験勉強のスタートは5年生でも間に合います。しかし、勉強の習慣や好奇心の芽生えに関しては低学年時から配慮することが非常に大切なのです。

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    2005年11月22日

    やっと開設です。

    みなさんこんばんわ。塾長の苅野です。なかなかスタートできなかったロジムブログがやっと開設しました。授業中に気になったことや、ちょっとした勉強方法や受験情報などを発信していきます。ご期待ください!

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    karino

    プロフィール

    東京大学卒業後、大手人事・経営コンサルティング会社で社会人向けのロジカルシンキング研修、指導を担当。その中で、英語教育などと同様小さい頃から考え方の基礎に親しむ必要性を痛感し、2004年に退社、ロジムを設立。現在、都内2教室で小学生を対象に、教科授業と並行してロジカルシンキングの初歩をかみ砕いて指導。 執筆・講演の依頼はこちら

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