女子学院中算数入試より。「数えるものが見えていますか」計算力の前提となる、計算技術への理解を問う問題です。
1から120までの数字が1つずつ書いてある紙があります。
この紙に書かれている「2」「1」「0」それぞれの数字の個数を求めなさい。
(女子学院中)
教科書10ペー ジから20ページまでの宿題は、全部で11ページですよ。
・ 「2」について
一の位にあらわれる「2」は
2、12、22、32、・・・・・112の12個
十の位にあらわれる「2」は
20~29、120の11個
百の位にあらわれる「2」はない
よって合計23個
・「1」について
一の位にあらわれる「1」は
1、11、21、31、・・・・111の12個
十の位にあらわれる「1」は
10~19、110~119の20個
百の位にあらわれる「1」は
100~120の21個
よって合計53個
・「0」について
一の位にあらわれる「0」は
10、20、30、40、・・・・・120の12個
十の位にあらわれる「0」は
100~109の10個
百の位にあらわれる「0」はない
よって合計22個
答え: 「2」23個、「1」53個、「0」22個
単 純な「数える」問題です。
2、12、22、32、・・・、112
が瞬時に「12個」だと判断できるでしょうか。
2、12、22、32、・・・、112
下線部に気をとられて11個と数えてしまう生徒(大人も)多いのではないでしょうか。
日付、ページ数など「○~△まで」を正確に数える技術と確認の癖をつけておきたいものです。
また、「位ごとに数える」という視点も大切です。
上位校で近年頻出の考え方ですので、数の並び方の確認も兼ね、
ぜひ取り組んでおきたい問題です。
~今回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
無意識に使っている技術の深い理解が大切
低学年で学ぶ「大きな数」や、四則演算の筆算などの単元で丁寧に取り扱われる「位」の考え方は、
10進法の仕組みを考える良い機会です。
高学年で学ぶ計算を簡単にするテクニックは、
これらの仕組みに依存しているにも関わらず
しだいに表面的なテクニックのみが頭の中に残ってしまうことになりがちです。
「位ごとに数える」などという単元はありません。しかし、
計算と数えることは似 て非なるものです。
「何を数えるのか」が正確にわかって初めて役に立つのが計算です。
自分の使っている計算技術の仕組みや、
そもそも何を数えているのかについて再度確認しておきたいものです。
たとえば場合の数の「6C2」=6×5÷(2×1)についてきちんと説明が出来るかどうかなど
はいわゆる「応用力」の差となってあらわれてきます。
誰でも知っている(と思いがちな)題材で、仕組みの深い理解を問う良問です。