城北中より。「身の回りの算数」に向き合う姿勢が大切です。
ある月の月曜日の日にちの数字の和が66のとき、この月の2日は何曜日でしょうか。
(城北中)
同じ曜日の日付には、大きな制限が存在します。
同じ曜日の日付は、前の週+7日となっています。
つまり
1週目をX日とすると
2週目:X+7
3週目:X+7+7
4週目:X+7+7+7
5週目:X+7+7+7+7
となっているのです。
ここで、Xが何日であれ、5週目まであるとすると、そこに含まれる「7」の数は10個となり、
日付の和は「X×5+70」、つまりXが1日でも日付の合計は75日になるのです。
今回、考える月曜日の日付の和は66なので、この月に月曜日は4日しかなかったことがわかります。
よって4週目までの日付の合計の式より
X×4+7×6=66
となり、Xつまり1週目の日付は6日です。
6日が月曜日の月では、2日は木曜日となります。
答え:木曜日
今週の一問でも何度か取り上げた
「問題文では明記されていないあたりまえの制限を活用する。」
問題です。
今回の「日付」は、その中でもよく出題される題材です。
初見の場合、「日付の合計だけで曜日が決まってくるのか。」という壁にぶつかります。
通常の塾のカリキュラムでは、連続する整数の和など類題も数多く学ぶことになりますが
このタイプの制限は、見た目を変えて出題しやすくまた、問題文の中に埋もれて見にくくなっています。
整数倍や人数と比などの形で抽象化してまとめておかなければ、
なかなか気づけるほどの認識力は身につきません。
解答を読むと、「気づかなかった」というレベルで済ましてしまいがちですが、
日ごろのまとめる作法が問われる問題です。
~今回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
「身の回りの算数」に向き合う姿勢が大切
本問に一度取り組んでおけば、類題は問題なく解けることになります。
しかし、本問を通して学ばなければならないのは、
「問題文の日本語に隠された数学的な意味を探りながら読む習慣」
の大切さです。
算数や数学を使ってとくべき問題は、身の回りにたくさんあります。
しかし、その問題は数式によっては与えられていません。
「算数として考えると・・・、数学的に考えると・・・」という普段からの問いかけだけが、
日本語として与えられる条件と数式を行ったりきたりする能力を育みます。
カレンダーという身近なものに含まれる算数を探求させる本問は、
問題を離れた世界で数学的思考の適用力を測る良問です。