慶応 普通部より。数を整理する力を測定します。
3を1以上の整数の和で表すと1+2、1+1+1の2通りになります。5をおなじように1以上の整数の和で表す方法は何通りありますか。
(慶應普通部)
こういった数え上げのポイントは、最も大きな数を固定して整 理することです。
以 下の表の6通り
正確に数え上げるポイントは、
「間違えにくい手法で数える」ことに尽きます。
今回でいえば、1+4,2+3,1+1+3,1+2+2,・・・・
といった書き出し方は間違いやすいものです。
「500円を100円玉と50円玉と10円玉で支払う支払い方は何通り?」
といったタイプのものが代表的ですが、
何か1つのもの(大きなものが一般的です)を固定して、
残りを考えるという手法は一度経験しておくべきです。
また、50円玉が1つ減れば、
10円は5枚増えるというそれぞれの数の関係を
しっかりととらえることも数え間違いや数え忘れを避けるには有効です。
本問は、普通部の問題としては標準です。
受験生のレベルを考えればかなり簡易な問題で
間違える生徒は皆無といえる問題です。
上記のような数え上げの意識を確認するということに加え、
次のような面白い問題の元となるので取り上げ問1
9を3以下の整数の和で表す方法は何通りありますか。
問2
12を1+1+10のように3つの整数の和で表す方法は何通りありますか。
ともに大学入試での超有名問題ですが、
小学生でも正答率はほとんど変わらないでしょう。
ともに答えは12通りです。
まずは間違えずに書き出すことに注力してみましょう。
12通り書き出せたらまず合格です。
この問題の面白いところ、
それはこの2つの問題の答えは必然的に同じになっているのです。
その理由を考えて見ましょう。
~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
数を整理する力が大切
数 をその場で必要な形で整理する能力は、
数の規則性、対称性などに対する感覚を必要とするものです。
九九の表や、倍数・約数の関係など数多くの問題に触れ、
答えを探し出すだけでなく、
数の性質に絡めてなぜそのような手法で答えをだすことができるのか
について考えてみる習慣をつけておきましょう。
パスカルの三角形などわかりやすいものを取っ掛かりに、
小学生の算数の中でもっとも奥深い「数の性質」に興味を持ち、
掘り下げる視点をもつことが良いかもしれません。