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慶応普通部より。正確さと大雑把さのバランスが問われます。 2006-11-06



慶応普通部より。正確さと大雑把さのバランスが問われます。

次のようにある規則で数が並んでいます。

(1)1段目で左から10番目の数はいくつですか。
(2)32は何段目で左から何番目ですか。

                             (慶應普通部)


全部書き出せば確実に正解ですが、答えの周辺までざっくり計算することで時間を短縮できます。


(1)
規則は、左下から右上にむけて単調に増加するというものです。
図のように三角形の中に入る数字の個数を考えれば、
「一番左の~段目」や「1段目の~番目」を見つけることができます。

1段目の左から10番目の数は、
一辺に10個の数が置かれた直角二等辺三角形に使う数字の数と同じです。
これは1+2+3+・・・・・・+10=55
答え:55

(2)
(1)の考え方を使うと1段目の左から9番目は45、8番目は36であることがわかる。7番目は28であるから、32は、8段目の1番左から始まり1段目 の左から8番目で終わる周期の中にあることがわかる。
8段目の1番左は29であるから、ここを含め4つ左上にすすんだ5段目の左から4段目が32となる。
答え:5段 目の左から4番目


規則性のポイントは、迅速性と確実性のバランスをとることです。
最悪すべて書き出せばよいのですが、
それでは時間が足りないような出題構成になっています。

本問でも見つけた規則性を使って

「~段目の一番左はいくつだろう」

という形で一気に進めてしまい、
その結果から微調整していくという姿勢が必要です。

超えても、足りなくてもとりあえず概算をして正答との距離を縮めるという技術は、
単調な計算練習による成果の何倍ものスピードを身につけることになります。

~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
概算によるよい意味での大雑 把な見当づけが大切

上位校の中には、明らかに試験時間に対して問題数の多い
「処理能力が問われる」と呼ばれる試験を行う学校があります。

本校をはじめとして慶応中等部、女子学院、灘などです。

これらの学校の求める「処理能力」とは単純に
ひらめきが速い、計算が速い、字を書くのが速い
といったものではありません。

必要とされているのは、雑多な情報の中から、
重要なポイントにのみ着手する取捨選択の能力です。

「ここまでは大雑把な計算でも間違いなく近づける。ここからは丁寧に。」

という境目をきちんと見つけ出すこ とです。

前者が過剰になれば誤答となり、
後者が過剰になれば時間が足りなくなるのです。

これには、普段からすべてを書き出した場合と、
最短距離をかなえてくれる計算技術を見比べて
その仕組みをしっかりと理解しておくことが大切です。

普段の勉強で~通りを書き出して正解して満足するのではなく、
数の性質の見地から計算で解ける部分を見つけ出すことが大切です。


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