武蔵中より。比較説明問題の必勝法をここで得てください。
袋の中に,下の表の(1)~(3)の形をした3つのピンとゴム栓が入っ ています。ゴム栓の平らな面に,それぞれのピンを1つずつ,指で奥まで刺したり扱いたりしてみなさい。刺し方と抜き方について,気づいたことを下の表にま とめなさい。図を用いてはいけません。
(武蔵中)
極端に言えば、「彼の好きなものは、りんごとみかんとイチゴとニンテンドーDSです」という説明に違和感を感じるか、そしてその違和感の原因を理解している かどうかを試されています。
「比べる視点」がそれぞれ刺し方、抜き方でそろっていることがポイントです。
上記解答例では、
刺し方
・真直ぐ指すことができるのか
・どのくらいの力が必要なのか
抜き方
・どのくらいの力が必要なのか
という視点に着目してまとめました。
つい、いろいろ気付いたことを羅列したくなってしまうものですが、
そこをぐっとこらえる忍耐力と、
「この問題は結局、比較の視点についての問題だ」
と判断できる論理的説明問題への慣れも必要ですね。
一 見、何を書いてもよく、そして何を書いていいかよくわからない自由記述のように
思えますが、こういう問題だからこそきちんとした採点基準があってしかるべきなのです。
その基準が「比較の視点がそろっているかどうか」なのです。
(日本語として文章が成立しているか。過不足ない字数を使って説明できるか。
といったことは、本問出題校を受ける受験生ならば最低条件としてクリアしているだろう
ことなのであえてここで言うことではありません。)
この問題のポイントは、
「どれだけ多くのことに気付くことができるか」
ではなく、
「どれだけ工夫して説明できるか」
です。
その際に、説明の基本である「比べる視点をそろえる」ということを
今ここで再確認してください。
~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
比べる時は視点をそろえる
他者の説明を読み聞きしているとき、
切り口がそろっていないとその説明はとたん説得力を失います。
わかりにくいからです。
説明をするときは、何を比べるのか、比べるものがそろっているか
ということを徹底的に意識するだけでも、その人の説明力は飛躍的に向上します。
「モレとダブりに注意してものごとを並べる」
ロジカルシンキングの基礎中の基礎ですが、
結局論理的に話したり考えたりすることのエッセンス(本質)がこれなのだと
改めて実感させられた1問でした。