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同じ意味のものを見抜く力が問われます。 2006-12-04



同じ意味のものを見抜く力が問われます。


下の式のア、イ、ウ、エの中には、それぞれ1、2、3、4の4 つの数字が1回ずつ入ります。計算した結果の答えは何通り考えられますか。

(東大寺学園中)



「入れ替えても同じ」を排除します。


ア、 イとウ、エはそれぞれ入れ替えても答えは変わらないので、
(ア、イ)側に2つ、(ウ、エ)側に2つの数を振り分ける振り分け方を考えればよい。

(ア、イ:ウ、エ)
=(1、2:3、4)(1、3:2、4)(1、4:2、3)(2、3:1、4)(2、4:1、3)(3、4:1、2)
の6通り考えられる。

ここで

ア×イ+ウ×エ=ウ×エ+ア×イ

が成り立つことを考えると

この6通りは
3組の答えをそのままに入れ替え可能な組み合わせが重複していることがわかる。

つまり
(1、2:3、4)と(3、4:1、2)、 (1、3:2、4)と(2、4:1、3)、 (1、4:2、3)と(2、3:1、4)
はそれぞれ同じ答えを導く組み合わせである。
よって求める場合の数は
6÷2=3
答え3通り


場 合の数のポイントは重複の排除と数え忘れの防止の2点です。
本問は重複の排除に関する少しレベルの高い問題です。
高校生の勉強での有名問題です。

ある集団を2つに分けるとき、
その2つの集団が交換可能かどうかをチェックするというのは
重複を避けるうえで欠かせないプロセスです。

「クラスを2つに分けて野球の試合をする」などが代表的です。

つまりAチーム、Bチームのメンバーはそのままメンバーをそっくり入れ替えても
対戦する意味は変わらないのです。

本問は典型問題ですが、重複の排除は問題文の与えられた条件をかなり深く、
適切に解釈しなくてはいけません。

それを見抜く洞察力は一朝一夕で獲得できるものではありませんが、
必ずチェックするという姿勢だけは見につけたいものです。

~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
同質、異質を見分ける力が大切

本問では、「交換可能なもの」を正確に把握することが一番のポイントです。

交換可能かどうかは本問のように明らかなものばかりだけでなく、
問題文の条件の下、数の性質や論理性を活用して
「言い換えることができる」ことも含まれます。

「同じものはどれか」と探す作業の中に、
「言い換えてみるとどうなるのか」という視点を加えると
同値、同質のものを見つける確率が格段に高まります。

たとえば
「Aは9の倍数」と
「Aは9で割り切れる」と
「A=?×9」と
「Aの各桁の数を合計すると9の倍数」
はそれぞれ同じことを言い換えただけですが、
そうするだけで新たな重複を見つけたり、論理展開の突破口が開かれる可能性が高まります。
同質、異質を見分けようとする姿勢とその力。
本問はその基本中の基本を問う良問でした。


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