東邦大東邦中。今年度入試から速報第一弾。公式の構造を見抜く力が問われます。
下の図のように直角三角形ABCとCDEが頂点B、C、Dが同一直線上になるように並んでいます。このとき、三角形BCEの面積を求めなさい。
(東邦大東邦中)
底辺と高さがそれぞれわからなくても面積は求めることができます。
求める三角形BCEの底辺を辺BCと考えると高さは辺EDとすることができる。
よって、求める面積は辺BC×辺ED÷2で求めることができる。
ここで三角形ABCとEDCが相似であることに着目する。すると
辺AB:辺BC=辺ED:辺DCが成り立つ。
つまり
7:辺BC=辺ED:4
ゆえに
7×4=辺BC×辺ED=28
求める三角形の面積は
辺BC×辺ED÷2なので
28÷2=14
答え:14平方センチメートル
円に内接する正方形の面積を与えて円の面積を求めさせる問題
(半径はわからないが、半径×半径の値はわかるというタイプ)の類題です。
本問も、同様に明らかにわからないであろう底辺と高さを個別にとらえずに、
まとめて考えてみるという視点が大切です。
これは、どの教科書、参考書にものっている円の問題に取り組んだ後に、
一般化された解法として習得しておかなければ対応できない問題です。
~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
公式の構成要素の意味を吟味することが大切
本問で取り扱ったもの以外にも一般的に知られている公式の中で、
いくつかの項目をまとめて考えると見通しが立つというものがいくつか存在します。
例えば、扇形の面積を「半径×弧÷2」と変形できたり、
半径/母線で円錐の中心角を求めることができるものもその例です。
無味乾燥な数式も見方を変えると図形的な意味をとらえることができることがよくあります。
面積図はその代表例です。
面積図というと、小学生用の受験のテクニックのように思われがちですが、
数式の図形的性質に着目して解くというのは中学生以降では常套手段です。
遠回りだとか、本質的でないといって避けることなく、
数式に含まれているそれらの性質を楽しむ姿勢が大切です。
本問はその姿勢が問われる良問です。