独協埼玉中より。「求めるもの」を言い換える力が問われます。
1から10までの整数が1つずつ書かれた10枚のカードがあります。この中から2枚以上のカードをとりだし、そのカードに書かれている数の合計を考えます。
(1)3枚のカードをとりだすとき、合計が10になる場合は何通りありますか。
(2)3枚のカードをとりだすとき、合計として考えられる数は何通りありますか。
(3)何枚かのカードをとりだすとき、合計が48になる場合は何通りありますか。
(4)省略
(独協埼玉 抜粋)
「取出し方」は、「残し方」ともいえます。
(1)
左に最小値を持ってくるように整理する書き出しによって
(1、2、7)(1、3、6)(1、4、5)(2、3、5)の4通りがわかります。
答え:4通り
(2)
最小は(1、2、3)の時で6、最大は(8、9、10)の時で27である。
この間の値については、(1、2、3)の「3を10まで1ずつ増やす」 「2を9まで1ずつ増やす」「1を8まで1ずつ増やす」ことによってすべてをつくることができる。
よって27-6+1=22通り
答え:22通り
(3)
カードは1から10までの10枚であり、その合計は(1+10)×10÷2=55である。
今回、取り出したカードの和は48なのでこの10枚から55-48=7より合計で7になるように残せばよい。
残る7の作り方はの5通りある。
よって取り出す48の作り方も5通りになる。
答え:5通り
(1)と(2)は取り出し方に着目、
(3)は残し方に着目させるという構成が対応力を要求する問題です。
場合の数の鉄則ではありますが、選ばれないものに着目することは近年頻出です。
類題には、や、リレーの選手の選び方で選ばれない生徒の場合の数に着目させるものや、
ふたのある容器へ水を入れる問題で水の入っている部分ではなく、
水の入っていない部分に着目させるものなどがあります。
本問のようにその値が一対一対応する残りに着目する思考は中学生以降にとても重要になってくるものです。
答えを出せれればよいというものではありません。
良い機会ですから解説を熟読してその意味を確認することが必要です。