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桜蔭中より。教室・実験室での学習を地球規模の視点に応用する目を養います。 2007-02-12



桜蔭中より。教室・実験室での学習を地球規模の視点に応用する目を養います。


問 お風呂の中では両手の親指だけでも体を支えることができます。水などの液体の中に物体を入れると,液体が物体を浮かせる力(浮力)が働くためです。この浮力の大きさは物体がおしのけた量の液体の重さに等しいことがわかっています。水1立法cmの重さを1.0gとして次の問いに答えなさい。


北極の氷山(すべて氷でできています)の海面下の体積は,海面上に出ている体積よりずっと大きいことが知られています。この氷山の海面上の体積は全体の何%ですか。この氷山の氷1立法cmの重さを0.96g,海水1立法cmの重さを1.2gとして計算しなさい。

(桜蔭中 抜粋 改題)


北極の氷も、ビーカーの中の木片も浮力をうけて浮いていることに変わりはありません。


氷山全体の体積を100立方cmとする。すると、氷山の重さは96g。

この重さと、浮力がつりあっているのだから、かかっている浮力は96g。

だから、氷山が押しのけた液体の重さが96g。

氷山が押しのけた体積 × 1.2 = 96 となるため、

氷山が押しのけた体積 = 8 (立法cm) =「氷山の水面下の体積」

氷山全体を100立方cmとしたのだから、8%

答え  8.0%


「液体に浮いている物体にかかる浮力ってどうやってもとめるの?」と聞くと、

「体積!」と答えるとんでもない生徒がいますが、正しくは、まさに問題文にある、

「浮力の大きさは物体がおしのけた量の液体の重さに等しい」

です。

浮力の問題で、単位を考えずに機械的に「重さと、沈んでいる体積がつりあっている」と考えている生徒は

要注意です。


~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
与えられた定理を正しく理解する。

本問はもともとは、海水1立法cmを1gと考えてよい問題でしたが、今回、
浮力の意味を再確認できるように 海水の密度をいじってみました。

定理や公式は、正しく理解できて初めて武器や道具となるのです。
中途半端な理解は、そこを突かれることで大きなハンディキャップとなります。

また、学校や塾、問題集で慣れ親しんだ原理原則でも、ひとたび自然現象や、
地球規模の事象のかたちで問われると硬直してしまう生徒が多いものです。

これは、反復練習に過度に偏り、定理の理解を怠ることが原因です。

足腰を鍛えていない、トップアスリートはいませんよね。
骨太の土台を築くことを忘れないでほしい、という出題校からのメッセージを汲み取ってください。


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