フェリス女学院中より。普段使っている数の仕組みの理解が問われます。
1から2000までの整数のうち、数字の7を使っていない数はいくつありますか。
(フェリス女学院中)
7が抜けるということは数字の種類が9つになってしまうということです。
7以外の9つの数字を使って1から順に表現することは、9進法を意味します。
十の位は9の位になり、百の位は81(9×9)の位になり、千の位は729(9×9×9)の位になります。
この場合、2000は2×1000ではなく、2×729を表すことになります。
これは1から順に9つの数のみを使って数を並べていった場合、2000は2×729=1458番目ということを意味します。
つまり、7以外の9つの数を使ったものは1~2000までの間に1458個あることになります。
答え:1458個
10進法の意味を深く理解していることが問われています。
10進法とは、「数字が0から9までの10種類しかないから、
9の次の数を2つの数字をつかって10と表す。」ことです。
普段わたし達は、1から10までを一括りにしてとらえる傾向がありますが、
「0から9までの10種類」という感覚を持つことが大切です。
N進法の問題は無意味に思われ、クイズのようにとらえられてしまうことの多い分野ですが、
この分野の勉強を、普段なじみ深い10進法や日時における
60進法、7進法、24進法などについて再考する機会にしてほしいものです。
~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
基本的な数の仕組みに対する理解が大切
算数を勉強する目的として様々なものが挙げられますが、もっとも現実的な問題は、
「ものの数をただしく数え、表すことができるようになる。」なのではないでしょうか。
すべての数を10個の数字で表現する。
数字を書く位置によって表している単位が違う。
など高学年になり当たり前になった時期にこそ、
もう一度振り返ってその仕組みをおさらいすることで新たに発見することもあるのではないでしょうか。
計算の正確さ、速さは繰り返しの練習以上に数の仕組みの理解が高めてくれます。
10進法の意味をきちんと考えるきっかけになる良問でした。