灘より。
連続した5つの整数の積が2441880であるとき、これら5つの数のうち最も小さなものを答えなさい。
(灘中)
ある数の約数は、素因数の組み合わせでつくることができます。
2441880を素因数分解すると
2×2×2×3×3×3×5×7×17×19
となる。
並べ替えると
17×(2×3×3)×19×(2×2×5)×(3×7)
=17×18×19×20×21
よって掛け合わせて2441880になる5つの連続した整数は17、18、19、20、21である。
答え:17
「様々な約数が存在する。」は「素因数の組み合わせ方が複数ある。」と同義です。
この考え方が本問の突破口です。
素因数分解をすると素数の17と19が現れるので、その周辺の数から(まずは間の18)検討します。
素因数分解を利用して、「ある数の約数は何通りか。」を求める問題には全員必ず取り組んでいるはずなので、
そこからの類推が求められます。
また指導する側としては、その問題に取り組むときにきちんと理解させておくことが大切です。
~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
数の成り立つ仕組みについての様々な視点が大切
ある数を数詞としてだけでなく、様々な角度から性質を調べ、
成り立ちを考える姿勢が本問のような問題への対応力の源泉です。
九九の成り立ちから始まり、分配の法則など考えるきっかけとなる問題に出会ったときに、
一歩立ち止まって掘り下げることが大切でしょう。
本校の小問群は、解いてきた問題の量ではなく、思考の積み重ねによって身に付けた瞬発力が必要です。
数のしくみを普段から楽しんでみるような姿勢を持つ本校の求める人材像を選別するのにふさわしい良問でしょう。