ラサール中より。パターンを生み出す基本原理を見つけ出す力が問われます。
1もしくは2を小さい順に左から並べて、ある整数を1と2のみの和として表すことを考えます。例えば、5という整数については1+1+1+1+1、1+1+1+2、1+2+2の3通り考えられます。このようにして2006を1と2のみの和として表すとき、その表し方は何通りありますか。
(ラ・サール中)
順序は自動的に決まりますので、それ以外の部分にのみ着目すればよい問題です。
小さい順に並べるので、場合分けされるのは1と2の個数によってのみであることに着目する。
2の個数は最大でも2006÷2=1003より
2+2+・・・・・・+2という形で1003個。
つまり2の個数は0から1003個までの1004通り考えられる。
よって、2006を1と2の和で表す表し方は1004通り。
答え:1004通り
問題に例示されている5の表し方は、
2の個数を1つずつ増やすことでパターンを考えていけるというヒントです。
1の数に着目しても、5個、3個、1個という形で見分けにくくなりますが、場合の数は求まります。
あるものを様々な形で表させる問題のポイントは、
それぞれの表し方の間にある関係性に注目することです。
本問では2つの「1」が1つの「2」に変換されますので、
それぞれの個数に着目しながらパターンを考えます。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
パターンを生み出す原理に着目することが大切
場合の数の基本は、「もれなくだぶりなく」です。
「広い視野」が必要になりますが、そもそもなるべく「広く」考えるのは当然の姿勢ですから、
具体的に身につけられる着眼点が必要になります。
それは、漠然と数えるのではなく、パターンを生み出す原理を見つけることに集中することです。
やみくもに見つけようとするのではなく、スタート地点と基本原理を見つけ、
あとは機械的にパターンを作り出していくことが大切なのです。
本問はある程度の書き出しや問題文での例示から、
基本原理である「2つの1と1つの2の交換」を見つけ出すことではじめて「1004通り」という膨大な数にたどり着けるのです。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
知識をストックすると同時に、思考の基本フレームを意識する。
個々の知識をストックする機会は多いのですが、思考のフレームをストックすることがなにかと少ないのが、
中学受験という現場です。
丸暗記学習を悪者扱いするあまり、思考フレームのストックまでもおろそかにされてはいませんか。
十把一からげに「暗記は悪!」といっていては脳が成長しませんよ。
おそらく開成中学の受験生は全員「二酸化炭素は水に溶けやすい」ということを知っています。
「二酸化炭素は水に溶けやすい」という知識と、
「大気の二酸化炭素は意外に増えていない」という事実・現象を結びつけるものが、
選択肢の洗い出し→仮説検証という思考技術です。
理科に限らず全科目において、そしてなんだかの問題・課題を解決するために不可欠のテクニックです。
未知の問題に出会ったとき、とりあえず、登場する事象の構成要素を書き出し、そのそれぞれを検証するという方法を身につけるよう意識してみてください。