東邦大学付属東邦中より。概算と精査の組み合わせです。
となるように、□の中に1から9までの異なる整数をあてはめます。このとき ア、イ、ウ の合計はいくつになりますか。
ア、イ、ウが同じ数だとしたらいくつになるでしょうか。
ア、イ、ウが同じ数だとしたら3です。
つまりア、イ、ウが異なる場合、すべて3以上の数にすると合計が1に満たないことになります。
(例えば1/3+1/4+1/5は1に満たない。)
よって、ア、イ、ウのうち一番小さい数は2であることがわかります。これをアとします。
よって残りの2つの分数の和は1/2となります。
ここで、先程と同様にイ、ウが同じ数だとすると4となります。
つまりイ、ウが異なる場合、ともに4以上の数にすると合計が1/2に満たないことになります。
(例えば1/4+1/5は1/2に満たない。)
よってイ、ウのうち小さいほうの数は3となります。
これをイとすると、ウは6になります。
3つの数の合計は2+3+6=11
答え:11
初見だとしたらかなりの難問です。
「同じ数だとしたら」すべてが3となること。
3つ異なる数ですから小さい順にア<イ<ウとなること。
そこから最初の2を見つけることが突破口です。
与えられた条件をひとまず無視して計算をして、そこから条件にあわせて微調整していくという手法はつるかめ算などにも共通する技術です。
まずは「概算」で見通しを立てる。
方程式の通用しにくい中学入試ではとても大切なステップです。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
概算と精査のバランスが大切
本問のように一気に答えを算出する方法がない問題は、中学入試では多数出題されています。
ひたすら書き出していくしかなかったりするものもすくなくありません。
そんななかでも、書き出しの量を減らす工夫はとても大切です。
大雑把に答えの周辺にあたりをつけてみることで、明らかに不要な部分を省略することができます。
また、とりあえずの計算をしてみることで、答えが大体どれくらいの範囲におさまりそうなのかということも把握することができます。
「とりあえずやってみる。」
闇雲な第一歩がゴールへ近づく近道となります。