灘中より。非常に短い問題文を整理する国語力が問われます。
ある5桁の整数があります。この整数には、数字0がA個、数字1がB個、数字2がC個、数字3がD個、数字4がE個使われていて、これ以外の数字は使われていません。また、この5桁の整数は一万の位から順にABCDEとなっています。ABCDEの中には同じ数字があってもよく、BCDEは0であってもよいものとします。この5桁の整数を求めてください。
(灘中)
紛らわしいかたちで与えられている2つの条件を整理しましょう。
A、B、C、D、Eは、それぞれ5桁の整数の中で、0、1、2、3、4の数字が使われている個数ですから、
A+B+C+D+E=5です。
また、Aは5桁の数の先頭なので1以上です。
これは、Aは数字0の個数も表しているので、同時に数字0も1個以上あることを意味します。
0が1個以上あるということより、1、2、3、4の数字はあわせて4個以下しか使われていません。
さらに、その使われているA、B、C、D、Eの合計は5と決まっているので5つの数字の組み合わせは、
(0、0、0、1、4)(0、0、0、2、3)(0、0、1、1、3)(0、0、1、2、2)(0、1、1、1、2)
の5通りしかありません。
この中(0、0、0、1、4)は、「4」に着目すると、4つ使われている数字は明らかにないので不適。
同様に(0、0、0、2、3)も「2」に着目すると不適、
(0、0、1、1、3)も「3」に着目して不適、
(0、1、1、1、2)も「2」に着目して不適。
よって(0、0、1、2、2)を問題文の条件どおりに並び替えた21200が求める数になります。
答え:21200
短い問題文ですが、題意を非常にとらえにくくなっています。
「5桁の数ABCDEの各位の数A、B、C、D、Eは、
同時にA、B、C、D、Eの中にある0、1、2、3、4の数字の個数を表している。」
という分割して考えにくい2つの条件を整理して、チェックする姿勢にたどり着けるかどうかが分かれ目になっています。
後半の条件は数式化しやすく(A+B+C+D+E=5)、
それを土台にして前半部分の突破口である「Aは1以上、
同時に0は1個以上」から手をつけていきます。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
日本語で書かれた見にくい条件文をきちんと理解し、整理することが必要です。
灘中の入試では、非常に短い問題文の中に隠されている複数の条件を、「使える形」で瞬時に整理する力が問われます。
コツは、どの日本語を既に使ったかどうかを明確にしておくことです。
本問では、ほとんどの生徒が、まずA+B+C+D+E=5という条件を見つけることになるとおもいます。
ここで問題文を離れ、書き出しや当てはめを始める生徒がよく見られますが、
「問題文の5桁の数は一万の位から順にABCDE」を処理できていないのです。
一つ一つの日本語を精査する読解力。
算数の短問の中においても重要となるのはやはり国語力です。