専大松戸中より。 使用する特殊算の判断能力が問われます。
直角三角形ABCと直角三角形DBEを下の図のように重ねました。
(1)三角形ABCと三角形DBFの面積の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。
(2)(3)省略
(専大松戸中)
線分比にだけとらわれると行き詰まります。
AD:DB=1:1より、三角形ADFの面積:三角形DBFの面積=1:1
BC:CE=2:3より、三角形FBCの面積:三角形FCEの面積=2:3
ここで、三角形ABCの面積は6×(6+6)÷2=36、
三角形DBEの面積は6×(6+9)÷2=45より
三角形DBFの面積は=11.25なのでもとめる三角形ABCと三角形DBFの面積の比は
36:11.25=16:5
答え:16:5
図形が典型的な「線分比と面積比」のものなので、単純な戦略に固執してしまいがちな問題です。
AF:FCを求めることができれば三角形DBFの面積は簡単に求まるのですが、この方針はすぐに行き詰ってしまいます。
このような典型的な図形から、すぐに「線分比と面積比」を思い浮かべることができるのは、きちんと練習を積み重ねてきた証拠です。
本問では、そこで行き詰った上での思考力が問われます。
未知数と与えられた式の数が同じか、式の数の方が多い場合、消去算、鶴亀算は当然考えなくてはいけない方針なのです。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
特殊算を使える場面を正確に判断する力が大切
テキストでは消去算はたいてい「りんごと○個とみかん○個を買うと・・・円」といった問題が並んでおり、
鶴亀算では「50円切手○枚と80円切手○枚を買うと・・・円」といった問題が並んでいます。
特珠算は、その作業自体は単純で方程式のように機械的に答えを算出することができます。
しかし、特珠算が本当に難しいのは、初めてみる問題文の状況設定の中において、
その条件をしっかり読み取り使いこなすことです。
つまり特殊算は「どのような状況なら使えるのか。」ということについてきちんと一般化されて理解しておくことが大切なのです。
本問のように、違った分野の典型問題を解いている最中には、「見たことがある!」という気持ちに引きずられて、
既知の方針に固執してしまいがちです。
本問は、そのような状況下でも、冷静に他の方針を検討するという姿勢が問われている良問です。