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巣鴨中より。超基本問題であることを見抜く力が問われます。 2007-08-06



巣鴨中より。超基本問題であることを見抜く力が問われます。


400以下のすべての8の倍数について百の位の数の和を求めなさい。

(巣鴨中)


そもそも百の位の数字とはどのようなものがあるのでしょうか。


400以下の数が対象ですから、そもそも百の位の数は1、2、3、4が対象です。
これはつまり
「100から199まで」「200から299まで」「300から399まで」「400」
のそれぞれの範囲の中にある8の倍数の数を明らかにすればよいことになります。

「100から199まで」の8の倍数の個数を求める。
まず1から199までに8の倍数は
199÷8=24あまり7 より24個ある。

そして1から99までに8の倍数は
99÷8=12あまり3  より12個ある。
よって「100から199まで」の8の倍数は
24-12=12個ある。

また、
「200から299まで」の8の倍数の個数を求める。
まず1から299までの8の倍数は
299÷8=37あまり3 より37個ある。

そして1から199までの8の倍数は上で求めた24個。
よって「200から299まで」の8の倍数は
37-24=13個ある。

さらに
「300から399まで」の8の倍数の個数を求める。
「1から399まで」の8の倍数は
399÷8=49あまり7 より49個ある。

そして1から299までの8の倍数は上で求めた37個。
よって「300から399まで」の8の倍数は
49-37=12個ある。

そして
「400」は8の倍数なので「400」も数えいれる対象となる。

問われているのは百の位の数の和であるから
「100から199まで」は百の位の数は「1」で12個あるので和は1×12=12
「200から299まで」は百の位の数は「2」で13個あるので和は2×13=26
「300から399まで」は百の位の数は「3」で12個あるので和は3×12=36
「400」の百の位の数は「4」で1個あるので和は4×1=4
よってこれらの和は
12+26+36+4=78

答え:78


あまり見かけない形で表現されていますが、
内容は「100から199までの8の倍数の個数を求めなさい」という問題と同じです。

個数を数えているうちに「百の位の数の和」を求めよと問われていることを忘れ、
個数の合計を答えてしまわないようにすることが少々の注意点といえる問題です。

しかし、入試という緊張感のある状況ではこの「あまり見かけない形」への対応力によって大きく差がでます。
本問は大問の1問目です。1行計算問題と比較するとやはり骨のある問題です。
典型問題を様々な角度から検討し、類題にあたっておくことが大切です。

~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
普段からの基本問題の本質を検討する姿勢が大切

本質的には非常に簡単な問題に対し、本問のようなレベルの
「見かけの装飾」を施された位で対応できなくなるということでは、
勉強が「パターン暗記」になっていると言わざるをえないでしょう。

指導する人間はよく「このようなタイプの問題は・・・」という言葉を使いがちですが、
子供たちにとって大きな障壁は「このようなタイプ」を判別することです。

「このようなタイプ」とはいったい何を指しているのか。見分ける指標は何か。そしてどのような類題がありえるのか。

これらのことを子供たちに考えさせ、見抜く力を養わなくては、
算数重視の難関校にはまったく歯が立たなくなります。

6年生後半の応用期に突然算数の得点が下がってくるのは
このような勉強をしてこなかったことに大きな原因があります。

1つ1つの基本問題に対して、「この問題はなぜこのようにとくのか」について検討しましょう。

本問は、高いレベルの理系教育を受け続ける上で必須の、
このような勉強姿勢を1問目からしっかり測定しようとしている良問でした。


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