大分中より。誰もが解いているあの問題の理解度が問われます。
1から200までの番号が書いてあるドアが並んでいます。
また200人の子供がいて、それぞれに1から200までの番号がつけられています。最初、ドアはすべてしまっています。
子供達は1番の子供から順に自分の番号の倍数が書いてあるドアの状態を変化させます。状態を変化させるというのは、開いているドアは閉めて、閉まっているドアは開けるということです。
(1)(2)省略
(3)1番から200番までのドアで開いているドアは全部で何個ありますか。
(大分中)
ドアの状態は、子供が来る回数に従って交互に変化します。
ドアは閉まっている状態からこれらの作業がスタートします。子供が1回やってくると開けられ、2回目にやってきた子供によって閉められます。
このように開いている状態と閉まっている状態は交互に発生するので、子供が来た回数が奇数ならば常に開いているといえ、偶数ならば常に閉まっているといえます。
子供が来る回数が奇数、つまり約数が奇数個ある番号のドアが、すべての作業を終えたとき開いているドアということになります。
約数が奇数個とは、平方数つまり同じ数を掛け合わせた数です。
1×1=1番、2×2=4番、3×3=9番、4×4=16番、5×5=25番・・・14×14=196番
以上の14個の番号が付いているドアが開いていることになります。
答え:14個
「約数が3個ある数とはどのような数か?」ほぼすべての塾のテキストの約数の単元に出てくる問題です。
素数の二乗とだけ覚えているようでは、本文の「約数は奇数個」に対応できなかったでしょう。
本質的にはこちらのほうが理解は簡単なはずなのにです。
ある数の約数は通常2つで1組で捉えられます。
18の約数は(1と18)(2と9)(3と6)などお互いに掛け合わせて18になるものです。
つまり通常は偶数個あると考えられます。
しかし奇数個しかないということはその組の中に同じ数のもの、
たとえば16に対する(4と4)などが存在することを意味します。
つまり約数が奇数個とは、同じ数を掛け合わせたものなのです。
テキストによく出てくる約数が3個のものとは、その中でも特種なものなのです。
約数の個数などは基本問題として扱われますが、単にかけ算を利用して答えを探す作業だけでなく、
個数や種類などについて考察する機会にすることが大切です。
カリキュラムではすぐに、連除法や公式を利用した約数の個数の算出などに重点が移ってしまうからです。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
公式の背景にある数の性質を知ることが大切
「数の性質」はとても幅広く、苦手にしている生徒も多い分野です。
数学の1分野としてとても奥の深いものですから、それは当然です。
しかし、中学入試で扱われるものは、小学生が知ること、発見することが難しいものはほとんどなく、
何気なく使いこなしているものです。
まずは、「偶数と奇数」や「1桁の数の倍数」などについての性質についての確認から始めてみましょう。
テキストや学校の教科書などには丁寧な説明が書かれています。
結局は公式で済んでしまうからといってとばし読みせず、書き出しや実験などに取り組んでしっかりと考察をしてみることが必要です。
公式がどのような仕組みで機能しているのか、具体的なイメージをもっていれば、簡単な応用をすぐに見抜くことができるようになるのです。