普連土学園中より。実験→法則発見→日常生活への応用、実験問題の古典です。
[実験]
手順1 3つの1000mlビーカーに0℃,50℃,100℃の水を入れた。
手順2 冷蔵庫で冷やした500ml入りの炭酸飲料のペットボトル3本のふたをそっと開けた。
各ビーカーにペットボトルを1本ずつ入れて観察した。
問1 [実験B]の結果から,水の温度が上がると,気体の溶け方はどう変化すると考えられますか。
間2 真夏の太陽が照りつけるとき,車の窓を閉め切った状態にしておくと,フロントガラス付近の温度は70℃位まで上がります。このため栓を開けていないコーラなどの缶入り炭酸飲料をフロントガラス付近に置きっぱなしにしておくと,缶が破裂することがあります。[実験]の結果を使ってこの理由を説明しなさい。
(普連土学園中・抜粋)
問1がヒントです。
問1 水の温度が上がると、溶ける気体の量は少なくなる
問2 炭酸飲料の温度が上がり、溶けていられる気体の量が少なくなり、とけ切れなくなった気体が飲料の外にでていき飲料缶中の圧力が高くなるから。
問1 「温度が上がると出てくる泡の量が多くなる」では正解にはなりません。表を読んでいるだけです。表から物事を一般化する思考力・語彙力が求められています。
問2 缶が破裂するのは、「缶中の気体が増えたから」ではなく「缶中の圧力が上がったから」です。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
実験データを一般化し、個別事象に当てはめて考えるという実験→思考→応用の基本中基本を身につける
与えられた事象を一般化して考えることができるといのはまさに知的成長の1ステップです。
複数のデータや事象をただその個別数値・現象と取られるのでなく、そこから全体に当てはめられる法則を導く。
さらに、その法則をつかって他の事象について考える。
まさに科学者と言われる人々が長い歴史の中で繰り返し行ってきたプロセスであり、小学生の皆さんがこれから
学問の道に限らず絶えず求められる思考回路です。
そういった思考ができる生徒を求めるのはもちろん本問出題校だけではありません。
この機会に、実験(具体例) → 一般化 → 他の個別事象への当てはめ
というプロセスを意識してみてください。