問題文に明記されていない隠れた条件をつかって絞り込みます。
のぼるくんは、1から順番に1、2、3、4、5・・・・とある数字まで黒板に書きました。のぼるくんがその中の1個の数字を消してしまいました。すると残りの数の平均は590/17になりました。のぼるくんの消した数を求めなさい。
1から連続する整数の平均は、数を1つ消してもある範囲内でしか増減しません。
平均が590/17ということは、1つ消してしまった後の数字の個数は17の倍数になります。・・・・・ (条件1)
平均の 590/17=34 と 12/17 です。
ここで1からある数Aまでの連続する整数の平均について考えます。
ここから1つの数字を消すことにします。1を消したときに平均は最も大きく増加します。その増える値は必ず0.5です。
また、Aを消したときに平均は最も大きく減少します。その減る値もまた必ず0.5です。
つまり元々の平均は34と12/17から+-0.5の範囲内にあることになります。・・・・・ (条件2)
さらに、いくつかの連続する整数の平均は必ず整数もしくは小数部分が0.5になります。 ・・・・・(条件3)
条件1から3より、元々の平均は34.5で、1つ消した後の数字の個数は68個、つまり元々の数字の個数は69個になります。
1から69までの合計は(1+69)×69÷2=2415
また、1つ消してしまった後の数の合計は590/17×68=2360
よって消した数字は2415-2360=55
答え:55
算数オリンピックからの出題です。
条件2についてきちんと把握することが鍵となる問題でした。
1から連続する整数をならべてみてください。
平均は、最初の数1と最後の数を足して2で割ったものになることがわかるはずです。
最後の数をAとすると
(1+A)÷2で平均が求まります。
ここで1を消すと平均はもっとも高くなりますが、その値は
(2+A)÷2です。
先程の(1+A)÷2 は 1÷2+A÷2 と変形できるので、
(2+A)÷2 つまり 2÷2+A÷2 との差は 1÷2 と 2÷2 の差の 0. 5ということになります。
同様にAを消すときのことを考えるとその差は
A÷2 と (A-1)÷2 つまり A÷2-1÷2 との差となり、これも0.5となります。
問題文に明記されている数字や式などでは式を立ててとくには明らかに足りないとき、
問題文の裏に隠された条件を読み解くことが鍵になります。
上記の平均の増減幅に関しては、平均算でよく使われる面積図を使っても理解は可能です。
是非試みて確認しておいてください。