「上手な足し算」を設計する力が問われます。
1,2,3,4,5の数字が書かれたカードが1枚ずつあります。これらのカードを使ってつくることのできる5桁の数すべての和を求めなさい。
全部で120通り。足し算をしていくには多すぎます。
5枚のカードを1回ずつ使うので、その並べ方は5×4×3×2×1=120通りある。
これら120通りの5桁の数の各位を構成する数字に着目する。
120通りの一万の位には1,2,3,4,5が同じ回数ずつ使われている。つまり各数字24回ずつである。
千の位、百の位、十の位、一の位も同様。
つまり、すべての数の和は
(1×24+2×24+3×24+4×24+5×24)×10000+
(1×24+2×24+3×24+4×24+5×24)×1000 +
(1×24+2×24+3×24+4×24+5×24)×100+
(1×24+2×24+3×24+4×24+5×24)×10+
(1×24+2×24+3×24+4×24+5×24)
= (1×24+2×24+3×24+4×24+5×24)×11111=3999960
答え:3999960
効率的な数え上げを問う問題はその場での思考力を問わていると思われがちですが、
全く使った経験のない手法をその場で思いつくのはほとんど不可能です。
普段から、様々な問題に取り組み、模範解答で提示されている洗練された手法の仕組みをしっかりと確認していくことで蓄積されていくものです。
多くは、「数字を横ではなく縦に読む」つまり位ごとに整理していくという考えが根底にあるものです。答えがあっていただけで満足せず、様々な別解を探求する姿勢だけがこのような能力を高めることにつながります。