灘中より。問題文に明記されていない隠れた条件を使います。
2桁の整数が4つある。この4つの数のうちの2つの和と差を全部調べたら、和のうち最も大きいものは187で、最も小さいものは137であり、差のうちで最も大きいものは40で、最も小さいものは10である。4つの数のうち小さい方から2番目の数を答えよ。 (灘)
偶数と奇数をたすと奇数になります。
54つの2桁の整数を大きい順にA、B、C、Dとします。
問題文の条件は
A+B=187
C+D=137
AーD=40
という式で表せます。
ここでAとBの和が187という奇数であることから、AとBのいずれかが奇数であることがわかります。
よってAとBの差も奇数です。
同様に考えるとCとDの差も奇数です。
最小の差というのは、大きい順に並べたときのとなりとの差であるから(例えばAーCが最小になることはない)4つの数のうちの2つの差の組み合わせで10となる候補はBーCのみ。
よって、AとBの差は11以上になるが、和が187でともに2桁の数という制約で考えると、Aが99でBが88という組み合わせしかない。
よって2番目に小さい数Cは88-10=78
答え78
いくつかの整数の和と差のヒントから元の数を考えるという問題です。
条件の与えられ方や題材(おもり、体重、テストの点)などは表面的に色々なバリエーションがありますが、ポイントは隠れた制限を見つけ出すことです。その主たるものが今回の偶奇と桁数の制限です。これらをつかってA+DとB+Cのどちらが大きいのかを判断したり、最大、最初の数を確定させたりします。
偶奇の性質の活用は、非常にシンプルなだけに思考から外れてしまいがちな難しい技術です。
「和や差から元の数を求める」という問題に出会ったときは、必ずチェックする項目として覚えておきたいものです。