
「早い者勝ち」とは本当でしょうか。
ある夏祭りで、兄弟である太郎君と次郎君が、くじ引きに挑戦しました。このくじは、全部で10本のうち当たりが2本含まれているくじで、1人1本だけ引くことができます。そこでの2人の会話をもとに、あとの問いに答えなさい。
太郎「次郎、くじ引きやらない?」
次郎「当たりくじ、まだ残ってるかな?」
太郎「まだ誰もこのくじに挑戦してないみたいだぞ。」
次郎「じゃ、僕、先にくじ引いていい?」
太郎「ズルいぞ。オレの方が年上なんだから、オレが先だよ。」
次郎「え~、お兄ちゃんこそズルいよ。じゃ、僕が引いたら、せ~ので一緒に見ようね。」
さて、先にくじを引く太郎君と、後からくじを引く次郎君ではどちらの方が当たる可能性が高いでしょうか。
先に引けば当たりくじが多い…?
解説参照
説明のために、10本のくじをA~Jとします(当たりくじはAとB)。
太郎君のくじの引き方10通りそれぞれに対し、次郎君には9通りの引き方があるので、組み合わせは全部で90通りあります。
ここで、太郎君が当たりくじを引いているのは、AまたはBを選んでいる9×2=18通りです。
また、次郎君が当たりくじを引いているのは、以下の通りです。
1)太郎君がAを選んでいる場合…Bの1通り
2)太郎君がBを選んでいる場合…Aの1通り
3)太郎君がC~Jを選んでいる場合…それぞれAかBの2通りずつなので、8×2=16通り
よって、次郎君も18通りあります。全90通りのうち、お互い18通りずつの可能性があるので、2人の当たる可能性は五分であることになります。
まとめ
くじの本数が何本であれ、当たりくじが何本であれ、この問題の例のように先に引くことによって当たる可能性(確率といいます)が高くなることはありません。
しかし、もしも先に引いた太郎君がくじの当たりかはずれを確認したあとで次郎君がくじを引くならば話は別です。この問題の例でいえば、太郎君が当たりを引く確率は18/90=1/5で変わりませんが、次郎君は次の場合が考えられるのです。
A)太郎君が当たりくじを引いている場合…残りの9本の中で当たりは1本しかありません。つまり確率は1/9で、太郎君よりも損をしています。
----------------------------------
B)太郎君がはずれくじを引いている場合…残りの9本の中で当たりが2本あるので、確率は2/9となり、太郎君よりも得をしています。
つまり、先にくじを引いた人の結果を聞いた場合では、得するか損するか一か八かの賭けになるわけです。そういう意味では、やはり結果を聞く前の段階ではどちらも損得なしといえませんか?
コメント (2)
僕は中2の男子です.理解に苦しんだのでもう少し教えてください.
「先に引いた太郎君がくじの当たりかはずれを確認したあとで次郎君がくじを引くならば話は別です」と書かれていますが,納得できません.「太郎君が当たりくじを引いている場合…残りの9本の中で当たりは1本しかありません。つまり確率は1/9で、次郎君は太郎君よりも損をしています。」と結論されていますが,太郎君がはずれくじを引いている場合について言及されていません.
もし,太郎君がはずれくじを引いている場合…残りの9本の中で当たりは2本ありますから,次郎君が当たりくじをひく確率は2/9で、次郎君は太郎君よりも得をすることになります.
結局,太郎君のくじの結果を知ったとしても,次郎君がくじをひくならば,両者に損得の差はないと思いますが・・違いますでしょうか?
投稿者: 中2の子を持つ親 | 2009年01月31日 09:47
日時: 2009年01月31日 09:47
解説が途中で切れていました。
-------------以下の解説文が本来ありました。
B)太郎君がはずれくじを引いている場合…残りの9本の中で当たりが2本あるので、確率は2/9となり、太郎君よりも得をしています。
つまり、先にくじを引いた人の結果を聞いた場合では、得するか損するか一か八かの賭けになるわけです。そういう意味では、やはり結果を聞く前の段階ではどちらも損得なしといえませんか?
ご不便ご迷惑おかけしました。
投稿者: ロジム | 2009年02月01日 00:25
日時: 2009年02月01日 00:25