正しく「比べる」ことはできますか。
図1の地域の地層のようすを調べるために、3つの地点A~Cで深さ22mまでボーリングを行ったところ、図2のようになりました。~は、下に示すような岩石の層でできています。地層は曲がったりずれたりしていませんが、一定の向きにかたむいています。図1の点線は、5mごとに同じ高さの地点を結んだもので、北の方が高くなっています。
各地点の間のきょりを水平にはかったところ、地点Bは地点Aから南に200mのところにありました。また地点Cは地点Bから東に200mで南に40mのところにありました。
いま、図3のように地層がかたむいている場合、「地層は100mにつき5m、西の方が高くなっている」といいます。3地点のボーリングの結果から、地層は東西方向、南北方向にどのようにかたむいていると考えられますか。次の文のXとYには適する数を入れ、PとQには適する方角を書きなさい。
南北方向には、100mにつきXm、Pの方が高くなっている。
東西方向には、100mにつきYm、Qの方が高くなっている。
比べるには、基準が必要です。
X…2.5、P…北、Y…3.5、Q…東
この問題の場合、図1に5mおきの等高線が引かれているので、例えばB、C地点の標高を100mと設定してみます
(実際に標高を答えるのではなく、あくまで比べるだけなのでとりあえず設定することが有効です)。
すると、A地点の標高は115mとわかります。これらを、それぞれ地質柱状図の地表面に書き込んでいくと、
A、B、Cの層で明らかに同じと考えられるとの境界線を調べると、
南北…AとB→200mで5mだけAが高いことから、100mあたり2.5m北の方が高い。
東西…BとCをこのまま比べるわけにはいかない(南北にもちがいがある!)ので、
上の図1のようにBから南に40m行ったD点を設けると、DとCを比べればよいことになります。
ここで、南北のかたむきからBで標高90mにあるとの境界線は、Dでは89mにあることがわかります。
また、同じ境界線がCでは標高96mにありますから、東に200m行くと地層が7m高くなることがわかります。
よって、100mあたり3.5m東の方が高いことになります。
さて、南北の傾きを調べるにあたって、
AとBを比較する際にただ図2の地質柱状図の傾きからBの方が高いと思い込みませんでしたか?
地質柱状図は、あくまでその地点における地表からの深さを表しているわけですから、
ことなる地点を比べるためには何かをそろえなければなりません。
これは問題の設定によりますが、その問題の中で明らかに同じ高さである層を基準にすればよいのです。
この問題のように、特に同じ高さとわかる層がない場合は、標高を設定して比べることが有効です。
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