2009年 麻布中学入試より
体積や、ものの長さや重さをはかるとき、本当に厳密な意味で数値をはかることは非常に困難です。たとえば、最小のけたの表示が1gの電子てんびんXで砂糖の重さをはかったとき、「20g」の表示が出たとします。これは、砂糖の重さが厳密に「20.00000…g」であることを意味しているのではなく、表示できる値の最小のけたの次の位(この場合は小数第1位)を四捨五入して「20g」と表示していると考えることにします。
つまり、この場合、本当の重さは( ア )g以上、( イ )g未満ということになります。
また、別の電子てんびんYは最小のけたの表示が0.01gで、このはかりで砂糖の重さをはかったときに「20.00g」の表示が出たとすると、本当の砂糖の重さは( ウ )g以上、( エ )g未満ということになります。
このとき、「表示された重さ」と「本当の重さ」との値の差を「誤差」といいます。
問5 空欄( ア )~( エ )にあてはまる数値を答えなさい。
問7 H君とT君が、電子てんびんX(2000gまではかれるものとします)を用いて、ちょうど5%の濃さの食塩水をつくる方法を考えました。
(H君の方法)5gの食塩を95gの水に溶かす。
(T君の方法)50gの食塩を950gの水に溶かす。
「H君とT君の方法を比べると、より正確な5%の濃さの食塩水を作りやすいのはどちらですか」と先生にたずねられたS君は、「どちらの方法でも誤差は最大で0.5gなので、どちらの方法でも同じです」と答えました。
あなたが先生に同じ質問をされたら、どのように答えますか。理由を示して書きなさい。
ありません。
問5 ア19.5 イ20.5 ウ19.995 エ20.005
問7
濃さの誤差の最大を求めてみると、H君では0.5g÷100g×100=0.5%になり、T君では0.5g÷1000g×100=0.05%になるので、T君の方がより正確といえます。
重さをはかるための同じ電子てんびんXを使うかぎり、S君の言うとおり誤差は最大で0.5gです。
しかし、濃さを求める際には全体の重さで割ることになるので、できるかぎり大量の食塩水を作るほうが誤差は小さくなるのです。
このように、いろいろな値をはかるときには誤差の影響を考えなければならず、それをできるかぎり小さくするためにさまざまな工夫が行われています。受験理科で頻出なのは「ふり子の周期」を求める際の「10往復の時間をはかり、10で割る」でしょう。
このように、同じテーマでも形や題材をかえて目新しく感じさせる出題は、中学入試理科の近年の傾向といえます。
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ところで、こんなのはじめました。
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