
規則性の発見と誘導の利用 【対象学年:4年生以上】

1、2、3、・・・と番号がかいてあるカードが、上から番号の小さい順に重ねてあります。『一番上のカードを捨てて、その次に一番上になったカードを残りのカードの一番下に入れる』という操作を繰り返すとする。次の問いに答えなさい。
(1)カードの枚数が32枚の時、最後まで残るカードの番号はいくつですか。
(2)カードの枚数が1100枚の時、最後まで残るカードの番号はいくつですか。
(慶応義塾湘南藤沢中・改題)
(2)に関しては、(1)をうまく利用できないかどうか考えてみましょう。
(1) 32 (2)152
(1)操作の手順にしたがってやってみましょう。
(1.2.3.4.・・・29.30.31.32)と並んでいる中で、1が取られて、2がうしろに、3が取られて4がうしろに・・・となるので、カードが一周したときを考えると、偶数が16枚残ります。
次に、(2.4.6.8.・・・26.28.30.32)と並んでいる中から、2が取られて4がうしろに、6が取られて8がうしろに・・・となるので、再度カードが一周したとき を考えると、 4の倍数が8枚残ります。
よってこの時点で(4.8.12.16.20.24.28.32)が残っています。
ですから、同様の操作を繰り返すと(8.16.24.32)→(16.32)→32となり、最後に32が残りますね。
(2)(1)より、32枚の時には、32が残ります。
では、64枚(32×2)のときを考えてみましょう。64枚のカードをこの操作で一周させたときには(2.4.6.・・・60.62.64)の32枚のカードが残ります。
ここで、32枚のカードがある時には、その最後の1枚が残るわけですから、64が残る、すなわち64枚のカードがある時には64が最後に残ることにな ります。
同様に、128枚、256枚、512枚、1024枚の時にも、それぞれその最後の数字のカードが残ることがわかります。
よって1100枚から76枚取り除き、残りが1024枚になったときに、最後にある数字が求める答えとなります。
76枚取り除いたときに、いちばんうしろに来る数字は76×2=152ですから、152が最後に残る数字となります。
もちろん、この問題を書き出しによって求めることも可能ですが、(1)で少ない数での実験をやらせた後に、法則を発見させ、(2)でそれを使って考えさせるという問題は数多く出てきます。何とか(1)をうまく使えるような法則がないかどうか、考えてみることが大切です。
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