メイン

W1:こんな便利な公式あります アーカイブ

2009年07月28日

地震の問題、解く自信はありますか?2009-07-28



地震の問題、解く自信はありますか?

 ある地震についてP波とS波の到着時刻の情報を集めてみました。下の図は、そのいくつかの地点からのデータをもとに、グラフにしたものです。これについて、次の問いに答えなさい。

(1) この地震が発生した時刻は、何時何分何秒ですか。

(2) ある地点では、P波が届いてからS波が届くまでに1分10秒かかりました。
 この地点の震源からのきょりは何kmですか。  
























 ありません。



(1)2時59分50秒
(2)560km



 地震が起こると、震源から必ずP波とS波という2種類の波が同時に出されます。
このとき、P波の方がS波よりも速いため、観測地点では先にP波が届くことになります。
このP波がもたらすゆれは非常に小さなものなので「初期微動」とよばれ、遅れてやってくるS波がもたらす大きなゆれは「主要動」とよばれます。

 また、P波が届いてからS波が届くまでの時間を、初期微動が続いている時間ということで「初期微動継続時間」といいます。
 では、問題を見ていきます。

(1) 地震が発生した時刻は、P波とS波が同時に出された時刻と言い換えられますから、初期微動継続時間が0秒の地点と考えることができます。
 また、P波やS波が震源からのきょり0kmの地点に到着した時間と考えることもできます。

 いま、図でS波に注目すると、200kmの道のりに50秒かかっていることがわかります。
つまり、震源からのきょりが200km地点にいくまでにも50秒かかりますから、3時0分40秒-50秒=2時59分50秒となります。

(2) P波もS波もそれぞれ一定の速さで進みますから、図のとおり時間と震源からのきょりは比例します。
 よって、P波とS波の差にあたる「初期微動継続時間」も震源からのきょりに比例することがわかります。

 図から、震源からのきょりが400km地点では初期微動継続時間が50秒なので、初期微動継続時間が70秒であれば、400×(70/50)=560kmとわかります。

 ちなみに、震源からのきょりは以下のような式でも求められます。これは、大森公式とよばれ、算数の速さの考え方を使うと証明も可能です。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------
~2箇所でブログランキングに参加しています~

1.

2.にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
ところで、こんなのはじめました。
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー


2009年07月06日

分数倍を使いこなせますか? 2009-07-06



分数倍を使いこなせますか?

図3、図4は、数を矢印についている比に分けていく様子を表しています。たとえば、図3の場合、12が1:5に分かれて、2と10になります。図4のウ、エ、オに入る数はそれぞれいくつですか。(2008サレジオ学院中より一部抜粋)

























ただの比の計算ですが、すべて求める必要はありません。


 ウ63
 エ126
 オ14



 実際に2008年にサレジオ学院中学校で出題された算数の問題(しかも最後の設問)です。

数字を順に比例配分していくだけですし、途中で分数や小数が出てくることもありません。時間さえ気にしなければ、誰も「難しい」とは感じることがないでしょう。

しかし、これが実際の入試問題なのです。日ごろから数の感覚(倍数、比、およその数の見当)が磨かれていないと、無駄に時間を費やしてしまう、もしくはつまらないミスで正答に至れない1問に値し、意外にも受験生の正答率に差が出たことでしょう。


(ちなみに、この問題を書きながらではないと処理できないようでは、比の感覚が弱いと言わざるを得ません。ぜひ、暗算によって数秒で処理できるようになって下さい。)


ウについて。
「315を1:2に分けたうちの1に当たる数」は、「315を3個に分けたうちの1個分」ということなので、315÷3×1=105です。

次に、ウはこの「105を2:3に分けたうちの3に当たる数」ですから、同様にして「105を5個に分けたうちの3個分」となり、105÷5×3=63と求められます。

さて、ここで気づいたかもしれませんが、比例配分は分数と考え方が同じです。

たとえば、「AをB:Cに分けたうちのBに当たる数」=「Aを(B+C)個に分けたうちのB個分」ですから、式としてはA÷(B+C)×Bとなり、分数を利用すると結局次のように表せます。

このように、比例配分された量を、分数を使って求める方法を「分数倍」といいます。特に、図形の中で比を使っていくときなどで威力を発揮します。

これを使って、エとオを計算すると、次のように求められます。


-------------------------------------------------------------------------------------------------------
~2箇所でブログランキングに参加しています~

1.

2.にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
ところで、こんなのはじめました。
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー


2009年03月16日

「頂点決めの公式」 2009-03-16



 「頂点決めの公式」

 図1は、ある立方体をB、D、Gを通る平面で切ったときの切り口を表したものです。また、図2は、この立方体を切る前に展開したときの図です。図2の中に図1の切り口を書き入れるとどのようになりますか。






















ありません。




 図1に表された切り口は、面ABCD、面BFGC、面CGHDの3つの面にあります。よって、図2の展開図に頂点を書き込んでいけばよいのです。頂点の決定のしかたには色々な方法がありますが、今回は「最も遠い2点」に注目してみます。
 たとえば、Aから最も遠い点はGです。AからGへ隣り合う2つの面上を通って最短の道のりでいく場合、隣り合う2つの面を通る必要があります。これらを展開してみると、下の図のようになります。

このように、立方体で最も遠い2点は、隣り合う2つの面を合わせた長方形でも最も遠い2つの点となるのです。これが、頂点決めの公式です。
 最も遠い2点の組み合わせはA-G、B-H、C-E、D-Fですから、下の展開図で青い長方形に注目するとAから最も遠い右上の点がG、Dから最も遠い右下の点がFと決められます。また、緑の長方形に注目すると、GとCが決められます。このようにして、隣り合う2つの面を合わせて考えると、ゲーム感覚(敵を探すように)ですべての頂点を決めることができます。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
~2箇所でブログランキングに参加しています~

1.

2.にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
ところで、こんなのはじめました。
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー


2009年02月23日

「やじろべえの公式」 2009-2-23



「やじろべえの公式」

このやじろべえは、必ずしも棒の角度が左右対称である必要がありません。そこで、図2のように棒の角度を左右で変えたやじろべえを作ろうと思います。このとき、もう1つのおもりはどこにつけたらよいですか。図の中に書き入れなさい。ただし、つけ足すおもりは、すでにとりつけられているおもりと同じ重さであるものとし、棒の重さは無視できるほど軽いものとします。

 
   























重心に注目しましょう。



Ⅰ.重心



重さをもつ物体には、重心があります。

これは、ただその1点でその物体を支えることのできる(つまり、その1点に重さが集まっていると考えられる)点です。



 たとえば、下の図のように重さ100gのおもりを2つと、重さを無視できる棒を使って組み立てた物体は、真ん中の1点で支えることができます。このように、同じ重さのおもりを組み合わせた物体の重心は、必ずそのおもりの真ん中(そのおもりを結んだ線の中心)になるのです。




Ⅱ.安定



下の図のように、1点を固定し、自由に回転できるようにした棒の先におもりをとりつけ、少し力を加えてみたところを想像してみて下さい。すると、すべて弧を描いて動いた結果、一番右の状態で安定することがわかるはずです。これは、おもりにはたらく重力(地球がおもりを引く力)が下向きであるためです。




Ⅲ.やじろべえの公式

上の結果から、2つのおもりの重心が支える点の真下にくれば安定し、やじろべえとなります。



これから、右のおもりが支える点の真下よりも右に3めもりの位置にあるため、左のおもりも左に3めもりの位置につければよいことになります(算数で言えば、クロス型の相似で説明できます)。結局、支える点から水平きょりにして同じ位置におもりがあれば、やじろべえ成立となるのです。

※ただし、おもりの重心が支える点よりも上にあるとやじろべえにはなりません。




-------------------------------------------------------------------------------------------------------
~2箇所でブログランキングに参加しています~

1.

2.にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
ところで、こんなのはじめました。
参考書選びの参考にご利用ください。
ロジム2階参考書コーナー


prev  1  |  2 

メールで更新を受信

「今週の1問」のメール配信を受け取る場合はこちら:

アーカイブ

2014年07月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31